ミャンマー国軍によるクーデターで拘束されたアウン・サン・スー・チー国家顧問らの釈放を求めるデモ=1日午後、東京都渋谷区© 時事通信 提供 ミャンマー国軍によるクーデターで拘束されたアウン・サン・スー・チー国家顧問らの釈放を求めるデモ=1日午後、東京都渋谷区

 ミャンマー国軍によるクーデターは、在日ミャンマー人に衝撃を与えた。東京都内では1日、アウン・サン・スー・チー国家顧問らの釈放を求める大規模デモが行われ、参加者からは民主化の後退を懸念する声が上がった。

 国連機関の事務所が入る国連大学本部ビル(渋谷区)前のデモには、少なくとも1000人を超えるミャンマー人らが参加。スー・チー氏の写真を掲げたり、国民民主連盟(NLD)のシンボルカラーである赤の帽子やTシャツを着たりした人であふれ、「釈放しろ!」という声が響き渡った。

 参加した女子留学生のネン・ウ・イさん(26)=千葉県市川市=は「昔の軍事政権時代に戻るんじゃないか」と不安そうな様子で、「絶対に国にとって良くない。だからここで私たちの気持ちを訴えている」と語った。飲食店勤務の男性ウィン・チョさん(55)=東京都杉並区=は「日本全国のビルマ人がみんな泣いている。軍のやり方を認める人なんて一人もいない」と怒りをあらわにした。

 店内で取材に応じたミャンマー料理店「ミンガラバー」(新宿区)の女性店主、ユユウェイさん(58)は「軍事政権に戻ると市民が自由に発言できなくなる」と危ぶんだ。「拘束された全員が無事に解放され、平和的に話し合いが進んでほしい」と祈るように話した。

 日本ミャンマー・カルチャーセンターのマヘーマー所長は「(最大都市)ヤンゴンにいる両親と連絡が取れない」と安否を心配し、「私たちは軍事政権によって押さえ付けられていたが、スー・チー氏が民主化を進めてくれた。彼女にはもう少し頑張ってもらいたいが」と先行きを不安視した。