国連がイスラエルを「恥ずべきリスト」に指定、子供の権利を著しく侵害…ネタニヤフ氏は反発
【ニューヨーク=金子靖志】国連のアントニオ・グテレス事務総長は、子供の権利を著しく侵害した国にイスラエルを初めて指定した。事務総長報道官が7日の記者会見で明らかにした。グテレス氏が近く安全保障理事会に提出する年次報告書「子供と武力紛争」に指定が盛り込まれ、報告書は18日に公表される予定だ。
国連の専門部署が各地の武力紛争による子供への影響を調査し、グテレス氏が毎年報告書を安保理に提出している。報告書では、子供を殺傷したり、学校を攻撃したりした当事者の国・団体を名指ししており、「恥ずべきリスト」とも呼ばれる。これまでにシリアやイエメンなどが掲載され、昨年はウクライナ侵略を続けるロシアが安保理常任理事国として初めて指定された。
パレスチナ自治区ガザの保健当局の発表によると、イスラエルとイスラム主義組織ハマスの戦闘が始まった昨年10月以降、ガザでは1万5500人以上の子供が死亡した。イスラエルの指定は、ガザの学校などへの攻撃で子供が多数死傷したことが理由になったとみられる。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は声明で「国連は殺人者のハマスを支持した。イスラエル軍は世界で最も道徳的な軍隊だ」と反発した。