重松清さんの長編 カシオペアの丘で(上)(下) を読みました。
あらすじ(上)・・・・(「BOOK」データベースより)
丘の上の遊園地は、俺たちの夢だったー。
肺の悪性腫瘍を告知された三十九歳の秋、俊介は二度と帰らないと決めていたふるさとへ向かう。
そこには、かつて傷つけてしまった友がいる。
初恋の人がいる。
「王」と呼ばれた祖父がいる。
満天の星がまたたくカシオペアの丘で、再会と贖罪の物語が、静かに始まる。
あらすじ(下)・・・・(「BOOK」データベースより)
二十九年ぶりに帰ったふるさとで、病魔は突然暴れ始めた。
幼なじみたち、妻と息子、そして新たに出会った人々に支えられて、俊介は封印していた過去の痛みと少しずつ向きあい始める。
消えてゆく命、断ち切られた命、生まれなかった命、さらにこれからも生きてゆく命が織りなす、あたたかい涙があふれる交響楽。
北海道の雪深い昔炭鉱があった町北都市で育った、幼なじみの4人。
無邪気に遊んだ小学生時代から、訳合って離れ離れになって、39歳で再会します。
そのうちのひとりシュンには、すでに命の期限が迫っていて
その迫りくる死を前に、過去と向き合うため、初めて家族と故郷を訪れます。
幼なじみそれぞれが、背負ってきたもの、恐れて来たもの
秘密にして来たもの、心の痛みの感じ方、相手の痛みの受け止め方
許されるためになすべきこと、許すためになすべきこと
去りゆく者の懺悔と、残される者の後悔
そんなに自分を責めなくても、そこまであけすけにさらけ出さなくても、と
苦しくなるくらい、登場人物たちがみんな正直すぎて
とにかく重たいもの、暗いものが、どんどん押し寄せてきて
シュンの身体の中で増殖する癌が、読み手の心さえも重く蝕ばんでいくような錯覚が起こります。
そして最後は涙が止まりませんが、それとともにすっきりと浄化されたような温かい気持ちにもなります。
本を読んでこんなに泣いたのは、久し振り。
途中まで電車の中だったりしましたが、最後は家に帰ってからで本当によかった。
北都市と言う架空の街は、芦別市がモデルだそうです。
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