nobara*note

くらしの中にアンテナをいっぱい張って日々のお気に入りを主婦の目で綴ります、目指すは雑貨屋さん的ブログ♪

カズオ・イシグロ  私が孤児だったころ

2020-07-02 21:05:00 | 本・雑誌・ドラマ
久し振りに、カズオ・イシグロの作品を読みました。
上海とイギリスをまたにかけて展開する長編 私が孤児だったころ です。

あらすじ・・・・(「BOOK」データベースより)
上海の租界に暮らしていたクリストファー・バンクスは十歳で孤児となった。
貿易会社勤めの父と、反アヘン運動に熱心だった美しい母が相次いで謎の失踪を遂げたのだ。
ロンドンに帰され寄宿学校に学んだバンクスは、両親の行方を突き止めるために探偵を志す。
やがて幾多の難事件を解決し社交界でも名声を得た彼は、戦火にまみれる上海へと舞い戻るが…
現代イギリス最高の作家が渾身の力で描く記憶と過去をめぐる至高の冒険譚。

翻訳物にありがちなのめり込みにくさもあり、最初はなかなか進みませんでした。
放り投げたまま全く読まない時期も経て、ようやく半分近くまで到達したあたりから
どんどん引き込まれて、半分から先は一気でした。
主人公の幼少期の回想から初老の年代に至るまでの、自伝のような表現で進むストーリーになっています。
上海租界で育った主人公クリストファーは、イギリス人という設定なので、イシグロさんの話ではないのですが
主人公の両親探しに、戦争やアヘン、人種問題、中国が変遷していく様などが絡められて、壮大に描かれ
本人が書いた生身の話のような錯覚に陥るくらい、景色や心情の表現にリアリティがありました。
ぜひ映画で観てみたいと思った、素敵な作品でした。

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