Naoの誰でもわかる!英語の話

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「いい言葉」から学ぶ英語(12)

2010-02-15 | Weblog
いい言葉(12)☆ Memorize the「いい言葉」☆
If we take care of the moments, the years will take care of themselves.
(私たちがもし今のこの瞬間を大切にするならば、これから先の長い年月は、何もせずともうまく過ごしていくことができるだろう。)
(by Maria Edgeworth, from O Magazine, April 2004)

今回の表現の日本語訳はとても難しく、英語が伝えたいことを十分に表しているとは思えません。どんな言語においてもそうですが、その言語が伝えたいことは、本来はその言語で、その語感を理解することが大事です。今回の表現はそのいい例だと思います。単語的には難しいものは何もなく、また文章自体も感覚的には十分理解できるのではないかと思います。しかし…日本語にするとなると、すんなりとはいきません。何が難しくしているかを皆さんとともに考えてみたいと思います。

文章の中心になっている動詞(句動詞)は、take care ofですね。これは結構多くの概念を含みますが、その中心的意味は、「~の(of)面倒、世話/ケアー(care)をする」ということです。そこから、「~を引き受ける、処理する、対処する」という意味も出てきます。ですから、Ifクローズ(節)の部分は、「私たちがthe momentsをケアーすれば」になり、主節(メインクローズ)の部分は、「the yearsがそれ自身(the years)をケアーする」になります。

「なんじゃそりゃ?」と思っていらっしゃる方もおられるかと思いますので、もう少し説明を…。この表現では、the momentsとthe yearsとが対比されて使われています。the moment(一瞬)は、「一瞬、一瞬の積み重ね」という意味を出すために複数形(the moments)になっています。そして、the year(年)は、その「一瞬、一瞬の積み重ね」(the moments)がthe yearという人生の一つの時間的区切りになるという意味で、the momentsと対比して使われています。the yearsと複数形になっているのは、これから長く続く将来の年月を表すためです。

つまり、人(私たち)が現在の一瞬、一瞬(the moments)さえ大事にケアーしていけば、その結果として生じる「年」(the year)、また、その積み重ねである長い年月(the years)は、特にケアーしようと思わなくても、自然にうまくいく(take careされる)ものだということを言っているのです。換言すると、将来のことをくよくよ考えるより、その因となる今を精一杯全力で生きることが何よりも大切である、ということをこの表現は私たちに伝えています。

人が瞬間、瞬間を意識的にケアーする。すると、その結果できた年月が今度はそれ自身をケアーする。take careという動詞を片方では人を主語として使い、次にthe yearsという抽象名詞を主語として使うことで、結局は自分の行動(take care)こそが物事をうまく行かせる源であることを言外に述べているわけです。英語ならではの表現かと思います。結構深いですよね。Don't you think so?

今回は、英語の語感で英語が言わんとすることを理解する、をテーマに…あ、そんなにおおげさには考えてなかったですが…take care ofという、英語を勉強した人なら誰もが知っている句動詞(複数の語で構成される動詞)を使った「いい言葉」を見てきました。英語の感覚をつかむと同時に、その意味を人生に活かすためにも、是非今回の「いい言葉」を覚えてくださいね。では、もう一度…。

If we take care of the moments, the years will take care of themselves.
(私たちがもし今のこの瞬間を大切にするならば、これから先の長い年月は、何もせずともうまく過ごしていくことができるだろう。)

See you in the next story, folks. Goodbye! nao


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