会津南郷町のヒメサユリ
定刻の午後4時を過ぎて
予定していた歌も歌い終り
客のみんなが席を立った、
その時ママが俺に声をかけてきた、
暫し 間をおいて
❝ベンケイさん ちょっと❞
2人きりになったところで
ママは席にかける仕草をした、
❝あれはよくない、やめた方がいい❞
と言った、
その日
店には10名ほどの客の中に
いずれも顔馴染みとまでは言えないが
挨拶を交わす程度の女性客3名がいた、
その内の一人が2曲ほど歌ってから
その後歌おうとしないので
俺は席を立って彼女にデュエットの相手を
お願いに行った、
後ろから肩の付近に触れるように
そっと手を置いた、
彼女は一瞬驚いて首を左右に振って
後ろを振り向いた、
彼女の返事は
❝ごめんね、今日は声の調子が悪くて歌えないの❞
だった、
彼女の肩に触れた行為を目にして
ママは俺に
注意した方がいいと感じたらしい、
いわゆる セクスチュアルハラスメント、
続けてママは言う、
❝あなたには少し女に触れたがる癖がある、
そう私に告げる女性客もいる❞
触れることで親近感を表現するつもりでも
女性の側はそう取らない場合もあると言う事だ、
ショック !
これからの人生観を変えるほどのショック、
だが触れられることに不快感を感じるのであれば
それは反省しなければならない、
折角 時間と場所を共有するのだから
全くあかの他人でいるよりも
少しでもお互いを身近に感じながら
過ごしたいと思う行為が
まかり間違えば犯罪行為になろうとは !!!
相手に触れなくても親近感を醸し出すことは出来る、
そこは相手によりけりだ、
それを間違えてはならない、
今日(こんにち)
日常茶飯事と言っても言い過ぎではない
セクハラ事件、
中高年の男性諸君、
女には心して当たれ。
(裏の声)
スケベ根性が無いかと問われれば
無いと言えば嘘になる、
深層心理の奥深くをたどれば
女の肌の温もりを感じていたい
が根底にある気がしないでもない、
だが
男の側からすれば
男女の触れ合いを否定してしまっては
味気ない世の中になることも確かだ、
私には男女の触れ合いこそが
ある部分では生きる原動力になっている
と言う事も否定できない率直な感想だ。