カカ様の❝ご飯だよう❞の声を聞いて
草取りを中断して庭にある流し台に向かった、
洗うべき腕をふと見ると肘関節付近が
赤く染まっている、
視野の定まらない目には一瞬
血に見えた、
だが花粉だった、
❝あれ こんな花粉を持つ花が有ったっけ?❞
と振り返ってみるとプランターで成長した
オニユリが一輪
茎が倒れ掛かるような状態で咲いていた、
知らぬ間にこれに触れたに違いない、
添え木して真っすぐ立てようかと思ったが
脳裏を過ったのは
真っすぐ立ったオニユリより
斜めに咲いたオニユリの方が
オニユリらしい気がしてやめた。
そこで一句
❝小オニユリ 倒れ掛かって 咲きにけり❞
あるがままに。