【時事(爺)放論】岳道茶房

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4/16編集手帳

2010年04月16日 | コラム
4/16編集手帳

 シェークスピア『夏の夜の夢』で、眠れる女の瞼(まぶた)に妖精が花の汁を塗る。塗られた人は目が覚めてから初めて見た者を狂おしく恋い焦がれる。魔法の薬である。

 花の名は「恋草」「浮気草」「つれづれの恋」…と、訳者によって異なるが、岩波文庫版(土居光知訳)の注釈によれば、三色スミレであるという。きのうの朝、季節外れの寒気に眠りからさめたパンジー(和名・三色スミレ)のなかには、“雪の精”に恋をした花もあったろう。

 大分県竹田市の公園に咲くパンジーの花に雪の積もっている写真をヨミウリ・オンラインで見た。

 初夏到来かと思えば真冬に逆戻りし、寒暖の差が激しい。パンジーの名は物思いに沈むように首をかしげた花弁の姿からフランス語「パンセ」(思索)に由来するというが、朝、コートはどうしよう…と、パンセにふけっている人もいるに違いない。

 不順な天候に体調を崩しやすい日がつづく。とくに新社会人の方々は勤め先の空気にも多少は慣れ、緊張がほどけて気のゆるみがちな時期だろう。ご用心を。狂おしい恋で発する熱ならばともかくも、風邪のそれではつまらない。


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