西京極 紫の館

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掲載禁止 撮影現場  長江俊和/著  新潮社

2024年01月02日 10時20分04秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
不気味な廃墟で言い合いをする二人の男の衝撃的結末「例の支店」、自分が犯人だと自首してきた男と、問い詰める側の間で進行する奇妙な議論「哲学的ゾンビの殺人」、カリスマ映画監督の作品に出演した役者が見た、とんでもない光景「撮影現場」、仕掛けが冴える著者の真骨頂特別書下ろし「カガヤワタルの恋人」。その他「ルレの風に吹かれて」「この閉塞感漂う世界で起きた」「イップスの殺し屋」「リヨンとリヲン」など、怖いのに読むのが止められない全八編。心臓の弱い方は、ご注意ください。

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆☆☆★
  独創性 ☆☆☆☆★
 読み易さ ☆☆☆☆☆

【西京極の読後感想】
8本のエピソードを収録した短編集。どのエピソードも巧みなミスリードと意外な結末が用意されていて、読み終わる度にニヤリとさせられる。では各エピソード毎の一言レビューをば。
例の支店:霊能力者とジャーナリストが訪れた森の廃墟。霊が出現する心霊スポット内で二人は霊の存在の有無について口論を始める。タイトルの意味を読めばオチが…
ルレの風に吹かれて:海外赴任先で行方不明になった友人を捜しにやって来た男は、その国の素朴な生活に魅せられる。男は妻を娶り子供にも恵まれるが…。読み終わった後もう一度最初から読み返したくなる一作。
哲学的ゾンビの殺人:殺人事件の犯人が自首してきた。警察の取り調べで男は「哲学的ゾンビだったから殺した」と主張する。哲学的ゾンビってなんやねん!ってなりましたが、オチはある程度読めました。
この閉塞感漂う世界で起きた:失業し住む家も失った男は、ある豪邸へ忍び込むが、住人が戻って来て…。二度三度とミスリードされて迎える結末がなかなか面白い。
イップスの殺し屋:ある殺し屋は依頼された殺人を果たせなかったが、翌日目的の男は遺体となって発見される。誰が殺したのか?殺し屋の正体は誰か?ちょっと笑えるところは星新一っぽくもある一作。
撮影現場:カリスマ監督の映画撮影に参加するために無人島に集められた役者とスタッフ。監督の指示は役者たちを精神的に追いつめていく。他の7作に比べるとちょっと設定に無理はある気がしますが…。
リヨンとリヲン:青年が連れて来られたその村には双子ばかりが棲み暮らしていた。そしてその村で自分と瓜二つの男と引き合わされるが…。設定が面白い。
カガヤワタルの恋人:芹沢は学生時代の友人・加賀谷からある相談を持ち掛けられるが、それは交際中の女性についてだった。二転三転する展開は予想出来なかった。これも読み返すと「なるほど!」と思わせられる。

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