（ ※ 弱者男性問題，男性差別，女災，マスキュリズム，メンズリブ，男性解放，男性運動などのキーワードにアレルギー反応を起こす方は、お読みにならないことを推奨します ）
このブログでは、何度か男性のＤＶ被害のことについて取り上げてきました。
・ 男性ＤＶ被害者のこと （2013年4月12日公開）
・ 男性のＤＶ被害についての記事 （2013年10月16日公開）
２本とも、今の僕が書くことのできる精一杯の内容になっています。未読の方はぜひとも読んでみてください。
（ただし、長文ですが…）
今回、男性のＤＶ被害に関する興味深い動画を発見しました。
イギリスにおける社会実験のものです。
男女のカップルが登場し、諍いになります。
まず始めに男性の側が強い調子で女性に迫ると、周囲の人々は心配そうな表情を浮かべます。そして、何人もの人が男性に声かけをして、暴力を制止しました。
今度は、女性の側が強い調子で男性に迫ります。叩いたり突き飛ばしたりと次第にエスカレートしていきますが、周囲は薄ら笑いを浮かべて見ているのみです。誰一人として、制止に入る者はいません。
#ViolenceIsViolence: Domestic abuse advert Mankind
女性が被害に遭っているとき、当然のように守られます。保護されます。
しかし、同じ被害に男性が遭っているとき、彼は守られる（保護される）ことはなく、待ち受けているのは「弱い男」として嘲笑の対象とされるという仕打ちです。
男女関係のあらゆるフェーズにおいて、事情の如何に関わらず常に「女性が被害者，男性が加害者」と決定づけられてしまう。このことを、兵頭新児氏は、著書『ぼくたちの女災社会』の中で〈 女性災害 〉として定義づけています。
 | ぼくたちの女災社会 |
| 兵頭新児 | |
| 二見書房 |
また、女性から被害を受けた男性が、如何に〈 被害者 〉として扱ってもらうことが困難なのかということは、ワレン・ファレル氏の『男性権力の神話――《男性差別》の可視化と撤廃のための学問』において膨大なデータとともに示されている通りです。
 | 男性権力の神話――《男性差別》の可視化と撤廃のための学問 |
| ワレン・ファレル(著)，久米 泰介(翻訳) | |
| 作品社 |
國友万裕さんの 対人援助学マガジン における連載である 『男は痛い！』 においても、女性（女児）からいじめ・暴力の被害を受けた男性（男児）の問題が、彼自身の実体験を通じて繰り返し語られています。
男女で被害側と加害側が逆転したとき、これほどまでに顕著に差が出てしまうのです。きわめて理不尽な話だと思います。
僕は、ここに、〈 被害男性 〉の直面する悲劇の根源があると思います。
当然のことながら、男性が女性に向ける暴力が許されないように、女性が男性に向ける暴力も許されません。
ですが、現実はかくも厳しいものなのですね…。
かつて、小・中学生だった僕を「気持ち悪い」などと罵り、集団での嫌がらせや無視などで精神的苦痛を与えてきた相手は、どういうわけかほぼ全員が女子生徒でした。
何故に、かくも嫌われねばならぬのかと思いましたね。
この辛い経験は、実は今でも僕に〈 女性恐怖 〉を引き起こしています。
僕を一つの人格を持った人間として大切に扱ってくれる女性ももちろん多く、そうした女性たちとの出会いを重ねるうちにかなり癒えては来ました。そうした女性たちには大いに感謝しています。
とはいえ、今でもよく知らない女性の集団（特に若い女性の集団）に囲まれると、しばしば逃げ出したくなります。フラッシュバックするのです。
僕の場合、肉体的暴力ではありませんでしたが、精神的苦痛は計り知れないものがありました。でも、誰にも相談できませんでした。
なぜか。
相談したところで、守られると思えなかったからです。むしろ、嘲笑されるだけだと思ったからです。
（ 註：男子からの罵りやいじめも少ないながら経験があり、そちらは相談をできました。また、最終的には彼らの方から謝罪も受けましたし、和解に到りました ）
これは、重大な問題です。
これ以上、不幸な男性を増やさないためにも、１人でも多くの人にこの問題のことを知って欲しいですし、真剣に考えてもらえたら嬉しいなあと、いつも思っています。
特に、〈 相談 〉や〈 支援 〉を職とされている方には、ぜひともお願いしたいものです。
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