6月3日の記事 で紹介したとおり、NHKで、セクシュアルマイノリティをテーマにした番組が多数放送されています。
そのうち4本が、6月3日から6月5日までの3日間に集中して放送されました。
いずれも、所用のためリアルタイムで見ることはできませんでしたが、録画で見ることができました。
(ちなみに、「見逃したっ!」という方、まだ再放送には間に合いますよ)
これらの4本の内容について、当ブログからリンクを張らせてもらっている、ちかひらさんがまとめて下さっています。
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今週のLGBT番組まとめ
内容を時系列で追ってみたい方は、ぜひリンクを踏んで、見に行ってみてください
以下では、僕が言いたいことを勝手に書き散らしていきます
『ハートネットTV』の方は福祉番組ということもあって、相変わらず真面目な切り口から取り上げていました。
番組の性質上、負の側面にスポットが当たりがちではありますが、それはそれで事実なわけで、そういう現実を多くの方に知ってもらうことにはすごく意味があると思います。
第1回と第2回は子どもがテーマでした。
僕のような同性愛者の場合、自分が同性愛者であることに気づくのは、小学校高学年から高校生の時期にかけての、思春期というケースが多いと思います。ちなみに、僕の場合は、小5の頃に自覚をはっきりと持ちました。
また、性別違和のあるトランスジェンダーの場合も、大きな葛藤が生じてくるのはやはりこの時期だと思います(第2次性徴が始まるため)。
思春期の時期は、自尊感情を培う上で大切な時期です。しかし、セクシュアルマイノリティの子どもの場合、自分の性自認や性的指向について、肯定的な情報を得られない場合が多く、また、周囲と異なる(少数派である)自分を受け入れられなかったり好きになれなかったりする場合もあり、結果として自尊感情が低くなりがちだと思います。あるいは、場合によっては、不適切な情報を得てしまったり、危険な目に遭ってしまう子もいるかもしれません。
さて、子どもたちが長い時間を過ごす場が学校です。その学校で子どもたちを教え導く立場にある教職員の間で、セクシュアルマイノリティについての理解が有るか無いかの差は、かなり大きいと思います。
理解があれば、悩んでいる子どもたちに適切な支援をしていくことができますが、理解がないとそれができません。
生徒指導や、教育相談を進めるに当たって、やはり、セクシュアルマイノリティについての基本的な事柄を知っていることは、必要不可欠だと思います。
現在、教員免許を取得するための必修科目の中に、生徒指導や教育相談についての科目がありますが、その中で発達障がいや精神疾患の基本的なことがらが紹介されていることが多いです。できるならば、セクシュアルマイノリティに関することにもふれてもらえたらなあと思います。
また、現職教員を対象とした研修などでも取り上げてもらうことによって、すでに教員として第一線で活躍されている方々にも、知識を持ってもらえたらなあとも思います。
これは、セクシュアルマイノリティの子どもたちにとっても、また、教職員の方々にとっても、メリットになるのではないかと思います。
第3回は住まいや老後のことがテーマでした。
住まいに関しては、パートナーと同居したいという場合、戸籍上は他人であるという点が障壁となることが、やはりあるようです。
老後については、結婚せずに子どもも授からないという点から、孤独な老後になるのではないかという不安を抱く人が多いようです。
(僕もそうかもしれない…。正直言って、あまり長生きはしたくないです)
もっとも、この老後の問題については、何もセクシュアルマイノリティに限った問題では無いように思えます。
世の中には、別にセクシュアルマイノリティでなくても、独身のままで生涯を終える方は結構いらっしゃると思うのです。事情はいろいろでしょうけれど。非婚主義で結婚しない人とか、結婚したかったけれど叶わなかった人とか、病気や障がいの兼ね合いとかもあるのかもしれません。
また、結婚はするけれど、子どもは授からないというご夫婦もありますよね。もちろん、子どもを望んだけれど授かれなかったというケースも、初めから望まなかったというケースもあるでしょうけれども。
こういった、生涯独身の人とか、結婚はしたけれど子どもは授からなかった人とかも、同じような問題を抱えていると思います。
つまり、この問題については、セクシュアルマイノリティ特有の問題として捉えるのではなくて、《 生涯独身者 》や《 子どもをもたない夫婦 》なども含めた問題として考えていくのが良いのではないかと、僕は思っています。
『探検バクモン』は、『ハートネットTV』よりもフランクな作りになっていました。とはいえ、民放のように茶化すようなものにはなっていなかったように思いました。
爆笑問題の太田さんは、正直に思ったことを言ってくれているので、当事者の中には不快だった人もいるかもしれませんけどね。
あるいは、去年の僕だったら、一部、不快に感じた部分はあるかもしれません。
でも、ああやって本音を出してもらう事って大切だと思います。
萎縮せずに本音を言ってもらわないと、相互理解とか歩み寄るとか、そんなことは未来永劫できないと思うのです。
場合によっては傷つくこともあるかもしれませんけれど…。
要は、言いっぱなしにさせなければいいのですよ。傷ついたのなら、「○○という発言は、ちょっと傷ついたな」って伝えればいいと思いますし、もし事実誤認や偏見がありそうだったら、「いや、それは違うと思うよ」って言えばいいと思いますねー。
そうやって対話をしていく中で、やがては相互理解ができるという風に僕は思います。
もちろん、双方が、相手の言っていることを尊重し合うことが必要不可欠ではあると思うのですが…。
さて、『ハートネットTV』はあと2回分、『探検バクモン』もあと1回分の放送があります。
すでに本放送が終わった分も、これから再放送があります。
ぜひ、セクシュアルマイノリティに関心のある方は、ご覧になってみてください。
放送予定は以下に掲載しておきます。
《 放送予定 》
■ 『ハートネットTV』
* 本放送は午後8時から。再放送は翌週午後1時5分から。いずれもETV(教育)
第1回「セクシュアルマイノリティーの子どもたち~現状~」
→本放送:6月3日(月)、再放送:6月10日(月)
第2回「セクシュアルマイノリティーの子どもたち~成長を支える~」
→本放送:6月4日(火)、再放送:6月11日(火)
第3回「自分らしく暮らす~新しい住まいのカタチ~」
→本放送:6月5日(水)、再放送:6月12日(水)
第4回「マツコ・デラックス “生きる”を語る」
→本放送:6月17日(月)、再放送:6月24日(月)
第5回「WEBの“声”に応えて」
→本放送:6月27日(木)、再放送:7月4日(木)
■ 『探検バクモン』
* 本放送は水曜夜10時55分から。再放送は翌週土曜午前1時15分(金曜深夜)から。いずれも総合テレビ
「”性”をめぐる大冒険!」
第1回 :本放送6月5日(水),再放送6月8日(土)〔6月7日(金)深夜〕
第2回 : 本放送6月12日(水),再放送6月15日(土)〔6月14日(金)深夜〕
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