2023年版を更新しました。こちらをご覧ください。
(以下は、2014年版のリストです。一応、記録として残しておきます)
ここでは、《 弱者男性問題 》,《 男性差別問題 》,《 女災(女性災害) 》,《 マスキュリズム 》,《 メンズリブ 》,《 男性解放運動 》などの語に関わる問題を考えるために参考になりそうな書籍やwebサイトを紹介します。
書籍については、その内容のことなど書き添えています。参考にしてください。
webサイトは、基本的にはリンクのみとなっています。いろいろなサイトがあります。
なお、あくまでも「参考になりそう」という範疇でサイトを列挙しています。したがって、リンク先の述べている内容と僕の考えやスタンスには、乖離がある場合も多々あります。その点を承知いただいたうえでご覧ください。
・ 男性権力の神話――《男性差別》の可視化と撤廃のための学問(ワレン・ファレル著,久米泰介翻訳,作品社)
およそ20年前のアメリカで出版された本の翻訳である。原著は、Warren Farrell の "The Myth of Male Power" であり、本書はそれを(一部の章を除いて)日本語訳している。原著者のワレン・ファレル氏は、アメリカの社会学者で、マスキュリズムの大御所のような人物である。男性の被害者性や男性の苦しみなどにきちんと光を当て、そこからの解放を目指している。本書で彼は、男性も社会の中で差別されているという事実を、様々な具体例やデータによって提示している。本書を読むことで、これまで見えていなかった〈 男性差別 〉、あるいは、男性の弱者性,脆弱さ,被害者性などが、鮮明に見えてくるであろう。アメリカでは30万部を売り上げてベストセラーになったこの良著は、(悲しいことでもあるが)今でも色あせていない。本書が、多くの人の目に触れることを願いたい。
・ 久米泰介 (『男性権力の神話』を翻訳した久米氏のページ)
・ 正しいオトコのやり方―ぼくらの男性解放宣言(フランシス バウムリ著,下村満子翻訳,学陽書房)
20年以上前のアメリカで出版された本の翻訳である。原著は、Francis Baumli の "Men freeing men" であり、本書はその一部を日本語訳している。20年以上も前の、それも海外のことを取り上げている本だが、読むに値する価値はかなりあるだろう。内容は確かに古いものの、過去のアメリカと今の日本は重なる部分もあって、生きた内容として読めると思う。特に、男性差別(女災,弱者男性問題)に関心のある方や、男性が男性であるが故にもれなく不条理に背負わされてしまう様々な苦しみに対して問題意識を持つ人には強く薦めたい。
・ 男が崩壊する(ハーブ・ゴールドバーグ著,下村満子翻訳,PHP研究所)
ハーブ・ゴールドバーグの名著、"THE Hazards of Being Male" の邦訳版です。かなり古い本ですが、一読の価値のある本だと思います。第12章「男であることの危機」,第6章「束縛から逃れられない男たち」,第4章「感情 ― 男が本当に恐れるもの」だけでもよいので、読まれたいところです。
・ 脱男性の時代―アンドロジナスをめざす文明学(渡辺恒夫著,勁草書房)
『脱男性の時代』は、心理学者の渡辺恒夫氏が1986年に出版した本である。
( 註 : 読売グループの渡邉恒雄氏とは全くの別人である。念のため注意されたし )
僕は、彼こそが、我が国における〈 男性学 〉の祖であると思っている。
セクシュアル・マイノリティについての記述に紙幅を割いてはいるが、〈 弱者男性問題 〉,〈 男性差別問題 〉,〈 マスキュリズム 〉,〈 メンズリブ 〉,〈 男性解放運動 〉を考える上で大きな示唆を与えてくれる書籍である。これらの事項に関心のある方には、必要な部分のみを読むという形でも良いので、ぜひ一読をお薦めする。
・ マッチョになりたい!?―世紀末ハリウッド映画の男性イメージ(國友万裕著,彩流社)
20世紀末のハリウッド映画を取り上げた本だが、〈 男性学 〉の本でもある。著者のご専門が、ジェンダーとアメリカ映画なので、両方の要素を併せ持たせ、男性ジェンダーの角度からの映画分析に仕上がっている。
國友さんは、男らしくない男の子であったが為に、「女の腐ったような」と揶揄されたり、「男らしくあること」を強いられることで苦しみながら育ってきた方である。僕自身と重なるところがあり、彼の文章を読むとカタルシス効果を得ることが出来る。
この本を読むと、男性もまた(女性と同様に)ジェンダー規範による抑圧を受けながら生きているのだということがよく分かると思う。そして、男として生きることは如何に〈 痛い 〉し〈 苦しい 〉ことなのかということも分かるのではないかと思う。
・ 『男は痛い!』
『男は痛い!』は、國友さんの 対人援助学マガジン における連載で、無料で読むことが出来る(PDFファイルをダウンロード)
『マッチョになりたい!?』と併せてご覧になることをお薦めする。
特に、女性(女児)からいじめ・暴力の被害を受けた男性(男児)の問題や、男性の性的羞恥心が軽視・無視されている問題などについては、國友さんご自身の経験なども踏まえて多く記述されている。
・ ぼくたちの女災社会(兵頭新児著,二見書房)
女災=女性災害 は、著者の兵頭氏による造語。兵頭氏は《 男性差別 》という語を好まず、《 女災 》という言葉を用いる。
女性災害とは、男女関係のあらゆるフェーズにおいて、事情の如何に関わらず常に「女性が被害者,男性が加害者」と決定づけられてしまうことを指す。
本書において、女性の加害者性とは、いかなる局面でも男性に対して《 被害者 》として振る舞うことが許されていること であり、男性の被害者性 とは、いかなる局面でも女性に対して《 加害者 》として振る舞うように仕組まれていること であると規定されている。これは兵頭氏独特のものであるが、大いにうなずかされるところであり、大変興味深い。
些か理解が難しい部分はあるものの、その内容はかなり本質を突いていて、実に良著なのだが、絶版となっているのが残念。
・ 兵頭新児の女災対策的読書
・ フェミニズムの害毒(林道義著,草思社)
どちらかというと、右より(保守)の視点からフェミニズムを批判する書。性別役割分業に肯定的な論調。
女性敵視や女性蔑視にはなっておらず、理路整然と書かれているので好感が持てる。
現代人(特に若者)は、知らぬうちに フェミニズム思想の影響を受けているケースが多いと思われるのだが、この本はその解毒剤として効力を発揮するはず。バランスを取る意味でも必読の書といえそう。
・ 林道義のホームページ
・ 男女平等への道(古舘真著,明窓出版)
どちらかというと、左より(革新)の視点からフェミニズムを批判する書。性別役割分業に否定的な論調。
「保守派の頑固じじい」にも「過激なフェミニスト」にも批判的で、虚弱な男性や気の弱い男性などのように男女双方から相手にされない非力な弱者の立場から男女平等を論じた、貴重な本。真の男女平等を求める姿勢で、公正に書かれているので、共感をもって読むことが出来る。
・ 「ある作家のホームページ」(古舘真さんのページです)
・ 日本の男性の人権(山本弘之著,ブイツーソリューション)
男性差別問題を取り扱った書籍が少ないことを憂う著者が、自費出版の形で世に送り出した書籍。
さまざまな男性差別を挙げていて、参考になる。データの類もしっかりと掲載されている。
ただ、少し文章が拙い印象を受けてしまう点と、感情に走ってしまっているように見える部分がちらほらある点が残念。
・ 男は虐げられている(竹中英人著,郁朋社)
実はこの書籍はまだ読めていません。いつか読みたいと考えているので、読む方法を画策中。
・ 女に生まれたかった男が男女について考える
「女に生まれたかった男」である管理人さんが、男女論,男性差別,女性羨望などについて真剣に考究しておられます。読み応えのあるブログです。
・ 男性差別とたたかう者のブログ
男性の性的羞恥心が軽視・無視されていることなどに疑問を呈し、現在の男女共同参画のあり方の問題点(理念と現実の乖離)を指摘されています。
・ National Coalition For Men
NCFMは、1977年から活動しているアメリカの男性団体です。
NCFM is dedicated to the removal of harmful gender based stereotypes, especially as they impact boys, men, their families and those who love them.
(NCFMは、ジェンダーに基づく有害な固定観念(特に男児,男性,その家族や彼らを愛する人々に影響のあるもの)を除去することを目指して活動している)
・ 【第2回】語られざる男性差別(日経ビジネスオンライン)
・ メンズリブ 男性運動を行うために。
・ 男性にも人権を! 男性も暮らしやすい社会づくりを!
(以下は、2014年版のリストです。一応、記録として残しておきます)
ここでは、《 弱者男性問題 》,《 男性差別問題 》,《 女災(女性災害) 》,《 マスキュリズム 》,《 メンズリブ 》,《 男性解放運動 》などの語に関わる問題を考えるために参考になりそうな書籍やwebサイトを紹介します。
書籍については、その内容のことなど書き添えています。参考にしてください。
webサイトは、基本的にはリンクのみとなっています。いろいろなサイトがあります。
なお、あくまでも「参考になりそう」という範疇でサイトを列挙しています。したがって、リンク先の述べている内容と僕の考えやスタンスには、乖離がある場合も多々あります。その点を承知いただいたうえでご覧ください。
・ 男性権力の神話――《男性差別》の可視化と撤廃のための学問(ワレン・ファレル著,久米泰介翻訳,作品社)
およそ20年前のアメリカで出版された本の翻訳である。原著は、Warren Farrell の "The Myth of Male Power" であり、本書はそれを(一部の章を除いて)日本語訳している。原著者のワレン・ファレル氏は、アメリカの社会学者で、マスキュリズムの大御所のような人物である。男性の被害者性や男性の苦しみなどにきちんと光を当て、そこからの解放を目指している。本書で彼は、男性も社会の中で差別されているという事実を、様々な具体例やデータによって提示している。本書を読むことで、これまで見えていなかった〈 男性差別 〉、あるいは、男性の弱者性,脆弱さ,被害者性などが、鮮明に見えてくるであろう。アメリカでは30万部を売り上げてベストセラーになったこの良著は、(悲しいことでもあるが)今でも色あせていない。本書が、多くの人の目に触れることを願いたい。
男性権力の神話――《男性差別》の可視化と撤廃のための学問 | |
ワレン・ファレル(著),久米 泰介(翻訳) | |
作品社 |
・ 久米泰介 (『男性権力の神話』を翻訳した久米氏のページ)
・ 正しいオトコのやり方―ぼくらの男性解放宣言(フランシス バウムリ著,下村満子翻訳,学陽書房)
20年以上前のアメリカで出版された本の翻訳である。原著は、Francis Baumli の "Men freeing men" であり、本書はその一部を日本語訳している。20年以上も前の、それも海外のことを取り上げている本だが、読むに値する価値はかなりあるだろう。内容は確かに古いものの、過去のアメリカと今の日本は重なる部分もあって、生きた内容として読めると思う。特に、男性差別(女災,弱者男性問題)に関心のある方や、男性が男性であるが故にもれなく不条理に背負わされてしまう様々な苦しみに対して問題意識を持つ人には強く薦めたい。
正しいオトコのやり方―ぼくらの男性解放宣言 | |
フランシス バウムリ (著), 下村満子 (翻訳) | |
学陽書房 |
・ 男が崩壊する(ハーブ・ゴールドバーグ著,下村満子翻訳,PHP研究所)
ハーブ・ゴールドバーグの名著、"THE Hazards of Being Male" の邦訳版です。かなり古い本ですが、一読の価値のある本だと思います。第12章「男であることの危機」,第6章「束縛から逃れられない男たち」,第4章「感情 ― 男が本当に恐れるもの」だけでもよいので、読まれたいところです。
男が崩壊する (1982年) | |
ハーブ・ゴールドバーグ(著),下村満子(訳) | |
PHP研究所 |
・ 脱男性の時代―アンドロジナスをめざす文明学(渡辺恒夫著,勁草書房)
『脱男性の時代』は、心理学者の渡辺恒夫氏が1986年に出版した本である。
( 註 : 読売グループの渡邉恒雄氏とは全くの別人である。念のため注意されたし )
僕は、彼こそが、我が国における〈 男性学 〉の祖であると思っている。
セクシュアル・マイノリティについての記述に紙幅を割いてはいるが、〈 弱者男性問題 〉,〈 男性差別問題 〉,〈 マスキュリズム 〉,〈 メンズリブ 〉,〈 男性解放運動 〉を考える上で大きな示唆を与えてくれる書籍である。これらの事項に関心のある方には、必要な部分のみを読むという形でも良いので、ぜひ一読をお薦めする。
脱男性の時代―アンドロジナスをめざす文明学 | |
渡辺恒夫 | |
勁草書房 |
・ マッチョになりたい!?―世紀末ハリウッド映画の男性イメージ(國友万裕著,彩流社)
20世紀末のハリウッド映画を取り上げた本だが、〈 男性学 〉の本でもある。著者のご専門が、ジェンダーとアメリカ映画なので、両方の要素を併せ持たせ、男性ジェンダーの角度からの映画分析に仕上がっている。
國友さんは、男らしくない男の子であったが為に、「女の腐ったような」と揶揄されたり、「男らしくあること」を強いられることで苦しみながら育ってきた方である。僕自身と重なるところがあり、彼の文章を読むとカタルシス効果を得ることが出来る。
この本を読むと、男性もまた(女性と同様に)ジェンダー規範による抑圧を受けながら生きているのだということがよく分かると思う。そして、男として生きることは如何に〈 痛い 〉し〈 苦しい 〉ことなのかということも分かるのではないかと思う。
マッチョになりたい!?: 世紀末ハリウッド映画の男性イメージ | |
國友万裕 | |
彩流社 |
・ 『男は痛い!』
『男は痛い!』は、國友さんの 対人援助学マガジン における連載で、無料で読むことが出来る(PDFファイルをダウンロード)
『マッチョになりたい!?』と併せてご覧になることをお薦めする。
特に、女性(女児)からいじめ・暴力の被害を受けた男性(男児)の問題や、男性の性的羞恥心が軽視・無視されている問題などについては、國友さんご自身の経験なども踏まえて多く記述されている。
・ ぼくたちの女災社会(兵頭新児著,二見書房)
女災=女性災害 は、著者の兵頭氏による造語。兵頭氏は《 男性差別 》という語を好まず、《 女災 》という言葉を用いる。
女性災害とは、男女関係のあらゆるフェーズにおいて、事情の如何に関わらず常に「女性が被害者,男性が加害者」と決定づけられてしまうことを指す。
本書において、女性の加害者性とは、いかなる局面でも男性に対して《 被害者 》として振る舞うことが許されていること であり、男性の被害者性 とは、いかなる局面でも女性に対して《 加害者 》として振る舞うように仕組まれていること であると規定されている。これは兵頭氏独特のものであるが、大いにうなずかされるところであり、大変興味深い。
些か理解が難しい部分はあるものの、その内容はかなり本質を突いていて、実に良著なのだが、絶版となっているのが残念。
ぼくたちの女災社会 | |
兵頭新児 | |
二見書房 |
・ 兵頭新児の女災対策的読書
・ フェミニズムの害毒(林道義著,草思社)
どちらかというと、右より(保守)の視点からフェミニズムを批判する書。性別役割分業に肯定的な論調。
女性敵視や女性蔑視にはなっておらず、理路整然と書かれているので好感が持てる。
現代人(特に若者)は、知らぬうちに フェミニズム思想の影響を受けているケースが多いと思われるのだが、この本はその解毒剤として効力を発揮するはず。バランスを取る意味でも必読の書といえそう。
フェミニズムの害毒 | |
林道義 | |
草思社 |
・ 林道義のホームページ
・ 男女平等への道(古舘真著,明窓出版)
どちらかというと、左より(革新)の視点からフェミニズムを批判する書。性別役割分業に否定的な論調。
「保守派の頑固じじい」にも「過激なフェミニスト」にも批判的で、虚弱な男性や気の弱い男性などのように男女双方から相手にされない非力な弱者の立場から男女平等を論じた、貴重な本。真の男女平等を求める姿勢で、公正に書かれているので、共感をもって読むことが出来る。
男女平等への道 | |
古舘 真 | |
明窓出版 |
・ 「ある作家のホームページ」(古舘真さんのページです)
・ 日本の男性の人権(山本弘之著,ブイツーソリューション)
男性差別問題を取り扱った書籍が少ないことを憂う著者が、自費出版の形で世に送り出した書籍。
さまざまな男性差別を挙げていて、参考になる。データの類もしっかりと掲載されている。
ただ、少し文章が拙い印象を受けてしまう点と、感情に走ってしまっているように見える部分がちらほらある点が残念。
日本の男性の人権 | |
山本弘之 | |
ブイツーソリューション |
・ 男は虐げられている(竹中英人著,郁朋社)
実はこの書籍はまだ読めていません。いつか読みたいと考えているので、読む方法を画策中。
男は虐げられている | |
竹中英人 | |
郁朋社 |
・ 女に生まれたかった男が男女について考える
「女に生まれたかった男」である管理人さんが、男女論,男性差別,女性羨望などについて真剣に考究しておられます。読み応えのあるブログです。
・ 男性差別とたたかう者のブログ
男性の性的羞恥心が軽視・無視されていることなどに疑問を呈し、現在の男女共同参画のあり方の問題点(理念と現実の乖離)を指摘されています。
・ National Coalition For Men
NCFMは、1977年から活動しているアメリカの男性団体です。
NCFM is dedicated to the removal of harmful gender based stereotypes, especially as they impact boys, men, their families and those who love them.
(NCFMは、ジェンダーに基づく有害な固定観念(特に男児,男性,その家族や彼らを愛する人々に影響のあるもの)を除去することを目指して活動している)
・ 【第2回】語られざる男性差別(日経ビジネスオンライン)
・ メンズリブ 男性運動を行うために。
・ 男性にも人権を! 男性も暮らしやすい社会づくりを!