韓国冬季オリンピック大会は平昌のほか、車で約30分の距離にある江原道の旌善(チョンソン)郡、江陵(カンヌン)市も会場となる。江原道は北朝鮮との軍事境界線に接し軍の施設は多いが「開発が遅れた地域」とのイメージが強く、地元が五輪にかける期待は大きい。10、14年大会にも立候補し“三度目の正直”で悲願を達成した。
平昌の町で存在感を放つのが、五輪誘致のため09年に建てられたスキージャンプ台。その展望台から町を見渡すと、同じ09年完成のリゾート施設「アルペンシアリゾート」のホテルやコンドミニアムなどが立ち並ぶ中に、ボブスレーなどの競技会場が姿を現しつつあった。開会・閉会式会場はまだ外枠の一部のみだが、地元の開発公社幹部は「十分間に合う」と自信を見せる。
日本にとって人ごとでない課題もある。KTXを含むインフラ整備費は11兆ウォン(約9900億円)以上、大会組織委員会の経費は2兆2500億ウォン(約2025億円)の見込み。組織委幹部は「採算に加え、閉幕後の施設維持費も懸念材料」と声を落とす。
一方で国際オリンピック委員会(IOC)の商標管理が厳しく、地元にどれほどビジネスチャンスがあるかは不透明だ。組織委主催の関連行事でも商標使用が許可されないケースがあったという。担当者は「お金のない国は誘致できない。このままでは、手を挙げる国が減っていくのでは」と憂慮する。
【平昌冬季五輪】2018年2月9~25日に開催。日本以外ではアジア初の冬季大会。スノーボードのビッグエアなど新種目を含め15競技で102個の金メダルを懸け競う。パラリンピックは同年3月9~18日。我が国のオリンピック招致の参考になるか?
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