竣工から30年経って「東京タワー」は商標登録出願に至りました。一方、「東京スカイツリー」は正式発表前には商標登録出願が完了していました。東京タワーの竣工は、今から半世紀も前の話です。当時は、知的財産、特に商標に対する意識はおそらく一般的に低かったのでしょう。また、東京タワーは公共物だから商標登録できるはずがない「東京タワー」の名を横取りしたり悪用する人など現れないだろうという素朴な考えがあったのかもしれません。それゆえ、商標登録の必要性を感じることも薄く、出願に至ることもなかったのでしょう。
今では、そのように考える人はいません。商標が「早い者勝ち」であることは一般者なら知っています。有名な商標であれば、国の内外を問わず、その評判にタダ乗りしようと誰もが狙っています。商標を使用する者は好むと好まざるとに関わらず、自分の商標は自分で守らなければなりません。昔と違い、商標に対する世間の関心はとても高くなりました。それだけ、商標の重要性が増したといえます。東京タワーよりも高くそびえ立つ東京スカイツリー。建物だけでなく、知的財産に対する意識もまた東京タワー以上にはるかに東京スカイツリーが高かったのは時代ということでしょうか?
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