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商標の広場

弁理士の福島が商標のお話をします。

北朝鮮

2017-05-19 09:58:20 | 日記

北朝鮮が化学兵器の原料にもなるシアン化ナトリウムの製造法で国連の専門機関に特許を申請していたことについて、国連安全保障理事会の専門家グループは、制裁決議への違反がないか調査を始めました。

国連の専門機関・世界知的所有権機関によりますと、おととし11月、北朝鮮の個人からシアン化ナトリウムの製造法について特許の申請を受け、その後、却下したということです。 

シアン化ナトリウムは、化学兵器の原料にもなるため、国連は北朝鮮の制裁決議違反を調べる安保理の専門家グループが事実関係の調査を始め、調査結果についても報告するとしています。 

北朝鮮をめぐっては、マレーシアで金正男(キム・ジョンナム)氏が殺害された際、猛毒VXが使われ、化学兵器の開発にも懸念が高まっていますが、特許が申請された製造法は40年以上前から存在する技術だったということで、申請が行われた理由は分かっていません。国連には頑張ってもらいたい。


グーグル

2017-05-18 12:02:14 | 日記

「グーグル」と「ググる」は別物――。米グーグルの商標権を巡る訴訟で、サンフランシスコ連邦高裁は16日、「グーグル」はまだ普通名称化しておらず、商標として保護されるとの判決を下した。5年前に始まったこの訴訟は「グーグル」の商標権が「ヨーヨー」や「エスカレーター」と同じように消滅するかどうかが注目されていた。

商標は商品名やサービス名、会社名が、その会社が提供しているものだということを消費者が識別できることが重要とされる。だが、商標が一般的に使われすぎて、その会社の商品ではなく、同じカテゴリーの商品やサービス全体を指すようになると、普通名称になったと判断され、商標権が消滅するケースがある。

米国では「グーグル」という言葉が日本における「ググる」と同様に、「グーグルで検索する」という意味だけでなく、「検索すること」自体を指す動詞として使われるケースが増えている。

グーグルは、競合の検索サービスを運営する米マイクロソフトや米ヤフーは利用者に対し、「ググる」という言葉を使っていないことなどを挙げ、「普通名称化したために商標権は消滅している」と主張する男性原告側に反論。高裁はグーグルの主張を認めた地裁判決を支持した。


4割

2017-05-16 09:00:44 | 日記

さて,本年(平成27年)3月16日付け日本経済新聞の朝刊に,知的財産高等裁判所の設楽隆一所長が,特許権侵害訴訟における和解を含んだ特許権者(原告)の実質的勝訴率が約4割(約42%)にのぼり,欧米に比べて原告勝訴率が低いという指摘に反論されたとの記事がありました。 

ご存じの方も多いと思いますが,知的財産権訴訟の判決は,判決の言い渡しがなされると数日で最高裁判所のウェブサイトに掲載されます。私も時々チェックするのですが,確かに請求棄却(原告敗訴)判決が大半で,一部認容判決(原告の請求を一部認める判決)を含めて原告勝訴判決はチラホラという感じです。それもそのはず,上記記事によれば,平成23年~25年の3年間で下された144件の判決中,原告勝訴判決は37件,割合にするとわずか25.7%です。 

この数字だけを見てしまうと,特許権者としては訴訟提起を躊躇してしまって当然です。特許権者だってむやみやたらと訴訟を起こしているわけではなくて,何度も何度も検討して,相手方とも書面のやりとりや交渉を重ねて,吟味して訴訟を提起しているわけです。訴訟を起こせば印紙代もかかりますし,弁護士費用も決して安くありません(スミマセン)。それなのに1/4の確率でしか勝てない,場合によっては裁判所からアナタの特許は無効だなんて全世界に宣言されるわけですから,特許権者に,訴訟なんか起こすだけ損だと思われてしまうのもやむを得ません。 

でも,上の数字はどうにも特許権侵害訴訟の実態とは合いません。究極的にはお金で解決できる場合が多い特許権侵害訴訟は,和解で終わることが少なくないからです。そして,設楽所長がご指摘されているとおり,「特許訴訟では,裁判所は『原告が勝つ』と判断した場合に和解を勧告する」ので,和解の場合には,原告有利のものが多くを占めます。「和解で終わったケースは94件(中略)。このうち原告勝訴に等しい合意内容の和解は販売・製造差し止めが41件,十分な金銭の支払いもしくはライセンス契約の締結が23件」(上記記事)ということですから,和解に占める原告有利和解の割合は約68%にもなるのです。 

この原告有利和解と原告勝訴判決を合計すると,特許権者(原告)の実質的勝訴率は約42%という冒頭の数字になります。42%ともなれば,五分五分とまではいかないものの,ダメ元という数字ではありませんから,特許権者にとっても,紛争解決手段として訴訟提起を選択する大きな動機になり得るのではないでしょうか。 

費用と労力をかけて,特許権を取得し,これまで維持してきたわけです。権利は行使してこそ意味があります。訴訟を起こさなければ宝の持ち腐れです。いえ,そうでないと困るんです,そもそも制度があることを考えなくては・・・。


ロゴマーク

2017-05-15 09:20:14 | 日記

旧東海道の案内看板に使う統一のロゴマークを大津市と草津市が作製し、12日に発表した。現在は外観が異なる看板や石碑に一体感を持たせ、沿道の景観アップにつなげるのが狙い。商標登録して全国に発信するといい、両市は「他都市にもロゴ入りの看板が広がってほしい」としている。

両市でつくる「びわこ大津草津景観推進協議会」が成安造形大(大津市)にデザイン制作を委託した。市職員と学生が昨年5月、京阪四宮駅(京都市山科区)から草津宿本陣(草津市)まで歩き、旧東海道を示す約90個の看板や石碑を調査。形状や表記が統一されておらず、劣化や損傷の激しいものもあった。

ロゴマークは波と道が描かれ、海や琵琶湖沿いの国々を通る旧東海道を表現し、文字は歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」にあった字体をモチーフにした。

ロゴの信用性を高めるため15日に10年間の商標登録を出願する。10月にはモデル事業として旧東海道に当たる大津市京町通で、数カ所にロゴを使った看板を設置する。他の自治体などから使用申請があれば無償提供する。

2日には大津、草津の両市長が商標登録に向けた協定書を締結。越直美大津市長は「統一感ある歴史まちづくりにつながる」と話し、橋川渉草津市長が「ロゴのある看板が(旧東海道の起点である)日本橋から京都までつながれば」と期待した。さて、日本橋から京都までつながるか・・・。


スヌーピー

2017-05-14 11:57:03 | 日記

ライセンス企業のアイコニックスブランド社は、同社の傘下でスヌーピーやチャーリー・ブラウン等の権利を管理する企業、ピーナッツワールドワイド社の株式の大半を売却した。売却先はDHXメデイア社で、金額は3億4500万ドル(約394億円)と伝えられている

DHXメデイアはカナダのノバスコシア州に本拠を置く企業で、子供向け人気テレビ番組の「テレタビーズ」等の権利を保有している。アイコニックス社が売却先を探しているとのニュースは今年1月から報じられており、アナリストらは売却額を3億ドルと予測していた。今回の取引は5月10日にアナウンスされた。金額は予想をやや上回るものになった。

スヌーピーの漫画「ピーナッツ」の生みの親のチャールズ・M・シュルツは2000年に死去。アイコニックスはシュルツの遺族とともに2010年にジョイントベンチャーを設立。ピーナッツの株式の80%を1億7,500万ドルで取得していた。今回のDHXメデイアへの権利売却後もシュルツの遺族は、残りの20%の株式を保有し続けることになる。

ロイターの報道によると、現在100カ国以上で配信中のスヌーピー等のキャラクターは年間3000万ドルの利益を生み出しているという。スヌーピーの生みの親のシュルツは、2016年のフォーブスの「死後も稼ぎ続ける著名人」ランキングでマイケル・ジャクソンに次いで2位につけ、収入は推定4,800万ドルとされていた。

ピーナッツはアイコニックス社にとって最大の収益元となっており、昨年は9500万ドルの売上を生み出し、同社の総売上3億6800万ドルの4分の1近くを稼ぎ出していた。しかし、ピーナッツ関連のライセンス事業は近年不振にあえぎ、昨年以外では年間売上が8,000万ドルを超えることは稀だった。

生命保険会社のメットライフは長年スヌーピーを広告に起用し、推定で年間1200万ドルをアイコニックスにもたらしていたが、その契約も2019年で終了する。メットライフはスヌーピー無しの広告を今年にも始動すると伝えられている。

アイコニックス社のライセンス事業収入は2014年以来減少が続き、2014年には2億4950万ドルの純損失を計上しており、売却による資本追加は同社の必須の課題だった。アイコニックスは昨年12月には小売店のSharper Imageのライセンスを1億ドルで、ThreeSixtyグループに売却していた。

今回の売却の報せを受けてアイコニック社の株価は取引開始から0.43%の下落となり、本稿執筆時点で、6.97ドルで取引されている。 株価は下落か・・・。