中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

違法な児童労働が発覚

2016年11月24日 | 中国の農村教育事情

中国中央テレビのニュース専門チャンネルに「新聞1+1」と云う番組があります。この番組は、毎週月曜日から金曜日まで夜9時半から10時迄放送される30分程の番組ですが、私が割合良く見る中国語のテレビ番組の一つです。11月23日の放送で、江蘇省常熟市の服装工場で違法な児童労働の実態が発覚したのを受けて、「違法な児童労働問題」を取り上げていました。

韓と名乗る人が、11月21日に江蘇省常熟市の媒服装加工工場で、違法に働く児童を撮影した映像をネットに載せた事で、今回の違法な児童労働の実態が明らかになり、早速常熟市政府が調査に乗り出し、当該工場捜索し、そこで働いていた児童は、故郷に帰郷させた上、中国語では、「工頭」と云う手配師を拘留したとの事です。この事件を人民網、鳳凰網、新聞網等のメディアも取り上げた事もあり、「新聞1+1」でも、この問題を番組で取り上げた様です。因みに江蘇省常熟市は、中国でも有数の衣服の工場がある場所との事です。

この番組に拠れば、15歳の子供達8名は毎日15時間労働をさせられていたそうです。また、休みは1月に二日だけで、一か月の給料は2000元だったが、毎月数百元の生活費のみが渡され、残りの給料は年度末まとめて、本人に渡される仕組みだったそうです。その上、身分証や銀行カードは「老板」に取り上げられ、時には暴力も振るわれたとの事です。毎日15時間労働の上、20分間の食事時間が休憩時間だったとの事。また、児童労働をしていた子供達の多くは、雲南省や貴州省から来ていたとの事です。

番組の中では、15歳で常熟市の縫製工場で働いていたその子供の故郷雲南省文山市出身の村の様子も紹介していました。その子供の故郷の主な産業は農業で、たばこ、トウモロコシを主に栽培しているとの事ですが、平均年収は1万元位との事です。それで、多くの人は出稼ぎ出ているとの事です。出稼ぎをすれば、一年で、3,4万元になるとの事。

15歳で働きに出ていた子供は中学二年生の二学期に学校を辞めで出稼ぎに出たとの事。姉がいるそうですが、姉は高校一年生で成績も良いが、自分は成績も悪く、学校に通うにはお金が掛かるので、父母にお金の心配をかけたくない事もあり、自分から希望して学校を辞めて出稼ぎに出たとの事です。

この番組の中で、雲南省の媒中学校の教師の話として、中学校一年生は、500名ほど生徒がいるが、中学校三年生にもなると300名が残れば良い方で、生徒の多くは学校を辞めて出稼ぎで出るとの事です。このブログでも触れた事がありますが、中国の一部の地域では、中学校段階での中途退学率が、以前と比べ上昇してるとの報道もあります。

私も、貴州省滞在中は農村部の小学校や中学校をそれなりに訪れましたが、或る村では、中学二、三生ともなると一年生の半分位しかいないので、先生にどうしてと聞いたところ学校を退学して出稼ぎで出かけたと云う答えが返ってきた事があります。

家で食べるのは土豆と玉米だけ

故郷四川涼山へ戻ったイ族の子供達



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