中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

大理古城の本屋「書呆子」

2013年05月09日 | 大理古城

3年前に、大理には実に20数年ぶりに来たのですが、今私が滞在中の大理古城の年毎の変化には驚くばかりです。変化の速さその変貌振りは、日々変わる一日毎に変化していると言っても大げさではないような状態です。中国の何処にでも言える事ですが、大理古城を含め大理や昆明等の雲南省の変貌振り、変化の早さには改めて驚かされます。

以前貴州省に滞在していた際には、貴州の冬はとても寒いので、毎年雲南省に言わば避寒に来ていました。大理に来る度に大理古城の日々の変化には驚いていましたが、ここ大理古城に、滞在して改めて大理古城のその変貌振りには肝を潰しています。

3年前来た際にも大理古城内に、幾つかの気に入った個人経営の書店を見つけて、大理古城に来るたび立ち寄っていたのですが、そのうちの幾つかの書店は、既に営業を止めてしまったようです。以前ブログにも書いた事もあるのですが、ここ大理古城でも店舗の賃借料の値上がり等で書店の経営状態は大変厳しいようで、以前の書店は観光客相手のゲストハウスや土産物屋、飲食店等にその姿を変えているようです。

最近時々立ち寄る書店に「書呆子」という本屋さんがあります。経営者は元々は中国東北の育ちで、大理には仕事で度々来ている内に、特に「大理古城」が気に入り大理に移住して来たそうです。今から10年前に大理古城でゲストハウス兼本屋を始めたそうです。ここ数年は大理古城も不動産価格の値上がりに伴い、そのゲストハウス兼書店の賃借料も値上がりしたので、ゲストハウスは手放し、今はブックカフェ形式で本屋を維持しているそうです。

大理古城人民路にある書店「書呆子」 2003年に開店したそうで、開店当時は二階がゲストハウスになっていたそうす。今は一階で書店兼カフェとして営業しているとの事。

 

書店内部の様子。書店兼カフェとは言え、今ではカフェのスペースは大変狭く、椅子とテーブルが、それぞれ一脚置いてあるのみです。

 

カフェの部分はとても狭いのですが、書店の部分は、このようにかなり広い。本の品揃え等にも、店主の好み、考えが現れており、私としては好きな本屋の一つです。残念な事はカフェのスペースがとても狭い事。以前は、このカフェの部分が広かったのかもしれませんが、今はカフェと云いながら椅子とテーブルがそれぞれ一脚置いてあるだけ。

 

この書店の一つの特徴としては、日本関係の書籍が多い事があげられるかもしれません。日本関係の本が並べてあるスペース。

 

日本関係の書籍として、「日本のもののあわれについて」「日本の風雅について」」等の本が並んでいます。また内山完造著「我が朋友魯迅」や珍しい本としては「東京下町職人生活」等の本も。中国語訳の「枕草子」「平家物語」「奥の細道」もありました。また、芥川龍之介著「中国遊記」も。大江健三郎や三島由紀夫、村上春樹等の作品は当然置いてありますが、妹尾河童の「河童が覗いたシリーズ」も揃えてありました。この本は雲南省では結構人気があるようで、他の書店でも良く見かけます。「書呆子」という本屋は健在ですが、このような個人経営の個性あふれる本屋さんが、大理古城等の街角から次第に姿を消していくのは本当に残念な事です。

当然の事とは言え、最近はどの書店に行ってもノーベル賞作家「莫言」の本が山積みとなって置いてありますが、この「書呆子」には莫言の本は一冊しか置いてありませんでした。そういうこの本屋さんの時流に媚びない姿勢にも好感が持てます。これからもヅート営業が続く事を応援しています。とは言え最近は出来るだけ本を買わないようにしているので、具体的な支援となると何も出来ませんが、、、、。



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