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住宅地盤ブログ ☆地盤調査・地盤補強工事・住宅地盤相談☆

住宅建築-地盤保証ありきでいいのか-2

2017年06月29日 | 日記

もう少しで、梅雨明けですね。

前回の記事から、久々の投稿となりました。

仕事も忙しく、また、休日は、自分の興味のある事があり、時間をかけていたので、
記事投稿に、かなり日があいてしまいました。

さて、前に、住宅建築に際して、地盤保証会社の地盤判定について思ったことを
記載しました。
住宅を建築する場合は、地盤調査をする時代になっていますが、特に、数年前から
地盤調査の結果から、地盤改良が必要という判定割合が多い為、第三者的な立場で
地盤を判定するという地盤保証会社が、現在では多数あります。

地盤調査データから地盤補強工事が必要と考えられるところでも、『ベタ基礎で大丈夫です』
という結果を目にする事も多くあります。ある地盤保証の判断では、地盤改良必要で、
他の地盤保証会社では、必要ありませんと異なり、地盤保証会社同士の競争が出てきて
いるのではないでしょうか。
今後、この競争の結果により、地盤補強工事必要なところでも『大丈夫』という判定結果が
将来、建物の不同沈下事故が増えていかない事を願います。

地盤調査の結果から、建物を支える為の地盤の支持力や沈下などについて、どのような
場合に、検討が必要になるのかは、法律で記載されています。つまり、一般的に多く利用されて
いる地盤調査方法であるスウェーデン式サウンディング試験結果以外に沈下や建物の変形等を
検討する必要があるという事です。
この地盤調査結果から、圧密沈下、変形などの検討をしているケースが大半ですが、
この検討に使用する計算式は、推定式であり、各現場における精度はどの程度なのか。
前にも記載しましたが、この調査方法は、昔から利用されていて、住宅建築では、
一番信頼性があると思います。但し、沈下や変形など、なんでも精度よくわかるわけではありません。
従って、地盤に関する知識や経験積んだ専門家が必要になるわけです。しかし、専門家といっても
自社で調査している調査員からの調査報告や自分で現地に足を運ぶなど何もしないでわかる訳では
ありません。下請け丸投げ、現場を見ずに判断している会社は、かなり多いのではないでしょうか。

さて、沈下と記載しましたが、沈下には、即時沈下、圧密沈下、収縮沈下などがあります。
住宅建築では、この即時沈下については、ビルと違い荷重が小さい為、沈下してもすぐに
終了してしまい影響が少ないのに対して、長期的に発生する圧密沈下により、傾くことが
あります。この判断をする為に、上記の推定式を使用している場合があります。

しかし、収縮沈下は、どう判断するのでしょうか。例えば、埋設木などの空隙、埋め戻しや
盛土での転圧不足の空隙による沈下、降雨後に埋土が沈むなどの水締め効果的な細粒土の
移動による沈下、埋土内のガラの隙間による陥没沈下などは、圧密沈下の推定式で
どの程度わかるのか疑問です。

地盤の強度といっても場所や過去の利用履歴、造成方法などにより、様々であり、
地盤調査の結果、建物の安定性に不安があるのであれば、建築主様に説明する事が
必要である思います。

それを無視して、大丈夫ですとなったら、後から、建物に障害が発生する危険性がありますよね。
建築された建物が傾き、それを直すのには、限られて施工条件の中で工事をする為、
再び、沈下というリスクもあります。
価格競争や不確かな『大丈夫です』という事が蔓延しない様になればと思います。

PS
先月、仕事関係で岐阜県に行ってきました。車で行きましたが、かなり時間がかかりました。
仕事が終わり、ほんの少しの時間しかありませんでしたが、せっかくなので世界遺産である
白川郷に立ち寄りました。合掌造りの集落で、今も実生活の場として使われています。
豪雪地帯のため、自然が生み出した曲がった太い梁と屋根の傾斜が合致する特徴的な
建物でした。