■季語・季題について■(ウイキペディアその他を参考にしています)
季語は春夏秋冬の時候・天文・地理・生活・行事・食べ物・動物・植物という区分に加え、有名な人の命日である忌日に分類されます。
●季節を間違いやすい季語
例えば、「七夕」は現在では7月7日に行われるため夏の季語に感じますが、旧暦の7月7日は新暦では8月8日頃のため、ちょうど立秋をすぎて秋の季語に切り替わる時期です。
これは旧暦と新暦では1ヶ月の差が出るため、旧暦の季節の変わり目にあたる季語は注意が必要です!
★実は春の季語 ・雪崩なだれ ・淡雪あわゆき ・雪虫
★実は夏の季語 ・夜の秋 ・涼し ・卯月(うづき・陰暦4月の異称)
★実は秋の季語 ・七夕 ・盆休み ・夜食
★実は冬の季語 ・小春日和 ・青写真 ・木の葉
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●季語の種類
季語はその成り立ちによって三種類に分けることができる。まず一つは★「事実の季語」で、雪は主に冬に降るから冬、梅の花は春に咲くから春、という風に自然界の事実にしたがって決められているものである。次に★「指示の季語」があり、「春の雨」「夏の山」「秋風」というように、事物の上に季節を表す語がついて直接的に季節を示しているものである。最後に★「約束の季語」があり、これは実際には複数の季節を通して見られるものであっても、伝統的な美意識に基づく約束事として季節が決まっているものである。先述の「月」(秋)や「蛙」(春)、「虫」(秋)、「火事」(冬)といったものがその例である。
現代の歳時記においては一般に、四季+新年の五季ごとに季語の内容から「時候」「天文」「地理」「生活」「行事」「動物」「植物」という分類がなされている。
●季語と季題
「季語」と「季題」は同義に用いられることもあるが、歴史的には「季題」は古来の中国の詩人が題を用いて詩を詠んだ伝統から、和歌、連歌という風に受け継がれていった、時代の美意識を担う代表的な「季節の題目」であり、連歌においては発句(はじめの五七五の句)において重要視されたものであるのに対して、「季語」はそれらを含んで付け句(発句以下に付けられる句)にまで広く採集された「季の詞」であり、発句の季題が喚起した詩情を具体化する役割を担うものであった。このため「季題」という言い方をする場合には「季語」よりもその語を重要視しているという感じもあるが、両者をはっきり区別する確定的な考え方があるわけではない。例えば山本健吉は『最新俳句歳時記』において、季語を「五箇の景物」から「和歌の季題」「連歌の季題」「俳諧の季題」「俳句の季題」「季語」の六種類の層に分け、「五箇の景物」を頂点とするピラミッド型の分類を試みているが、しかし山本自身これらすべてを包括して「季語」という言い方もしていた。山下一海は、季語、季題の違いは使い方の違いであるため、あるひとつの語を季語か季題かというふうに分類はできないとしている。
いずれにしても「季題」「季語」という言い方は近代に作られたものであり、「季題」は1903年に新声会の森無黄が、「季語」は1908年に大須賀乙字がそれぞれはじめて用いたという]。
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●季節のずれと難解季語
なぜ間違えやすい季語があるのか
間違えやすい俳句の季語【春編】
(1)薄氷
氷とあるので間違いやすいですが、冬ではなく春の季語です。「春氷」と詠まれることもあります。暖かくなってきて氷が溶けた水辺に、寒さが戻って再び氷が張る現象のこと。
(2)雪崩
積雪期である冬の季語ではなく、暖かさで緩んだ積雪が一気に崩れ落ちやすい2月や3月頃がイメージされるため、春の季語です。「雪なだれ」など似たような季語も春の季語になるので、雪という漢字でも気をつけましょう。
(3)バレンタイン
2月14日は旧暦では春の日にちですが、私たちが感じる季節感としてはまだまだ冬の最中でしょう。「バレンタインの日」「バレンタインデー」なども使われます。
(4)潮干狩
潮干狩は夏ではなく春の季語です。潮干狩ができるのは4月下旬から7月頃までで、浮かぶイメージとしてはゴールデンウィーク頃に家族連れで貝を捕っている光景でしょう。潮の満ち干きの差が激しくなるのが旧暦の3月のため、春の季語になっています。
(5)逃げ水
暑い日に良く見る、道の先に水溜まりがあるように見える現象で、蜃気楼の一種と言われています。現代では夏によく見るため夏の季語と間違いやすいですが、春の季語です。古来より武蔵野の逃げ水が有名です。
◎間違えやすい俳句の季語【夏編】
(1)タケノコ
旬が3月から5月のため春の季語と間違いやすいですが、夏の季語です。類似例として「筍飯」も夏の季語です。現代では春の味覚ですが、旧暦の4月や5月は夏になるため季語も夏に分類されます。
(2)初鰹
初鰹は3月から5月に北上してくる鰹で、「目には青葉 山ホトトギス 初鰹」の句で有名な夏の季語です。時期的に春から初夏の味覚なので春の季語と勘違いしやすいですが、先述の俳句を覚えていると間違えないかもしれません。
(3)五月雨
漢字から5月に降る雨と間違いやすい夏の季語です。旧暦の5月、新暦だと6月に降る雨なので、今で言う梅雨のことです。読み方は「さみだれ」ですが、「さつきあめ」と読ませる俳句もあります。
(4)涼し
涼しいという印象から秋の季語と間違いやすいですが、夏の季語です。「涼風」や「夕涼」も同じく秋の季語になります。夏の暑さの中で感じる涼しさを詠むのが特徴です。秋の涼しさについては「新涼」という季語を使います。
(5)麦の秋
秋とついているので間違いやすいですが、秋ではなく夏の季語です。麦の収穫は5月頃なので、夏であっても麦が熟す秋と表現しています。「麦秋」「麦の秋風」といった季語で使われることもあります。
◎間違えやすい俳句の季語【秋編】
(1)七夕
七夕といえば7月7日ですが、旧暦では秋である8月上旬にあたるため、夏ではなく秋の季語になります。七夕を連想させる「天の川」や「星祭」「鵲の橋」も同じように秋の季語。
(2)盆踊り
お盆は8月15日前後で現代の感覚では夏真っ盛りですが、秋の季語です。「盆休み」「盂蘭盆会」など、夏の季語と間違いやすいですが旧暦では秋にあたります。
(3)スイカ
スイカといえば夏の代名詞ですが、秋の季語です。今のスイカの旬は6月から7月頃なのに対して、昔のスイカの旬は8月頃で旧暦では秋だったために間違いやすい季語になりました。ただし、「冷し西瓜」など「冷やす」意味があるものは夏の季語に分類されます。
(4)トウモロコシ
トウモロコシもまた旬が7月から8月のため、夏の野菜にも関わらず間違いやすい秋の季語です。なお「トウモロコシの花」と詠むと夏の季語になるため、どちらを指しているのかで季節が変わってきます。
(5)枝豆
ビールによく合うおつまみとして定番の枝豆ですが、旬が7月から8月のため季語としては夏ではなく秋の季語になります。名月に供えたことから「月見豆」とも詠まれ、こちらも秋の季語です。
◎間違えやすい俳句の季語【冬編】
(1) 「神無月」の語源は不詳である。有力な説として、神無月の「無・な」が「の」にあたる連体助詞「な」で「神の月」というものがあり、日本国語大辞典もこの説を採っている10月の異称です。現代の季節感ではまだ秋ですが、旧暦では冬の始まりの月になります。神々が出雲の国へと集い神社を留守にするため、「神の留守」という同じく10月を表す季語も存在します。
(2)七五三
11月は冬ではないけれど秋も終わりという感覚ですが、七五三は11月15日に行われるため、旧暦では冬の季語です。「千歳飴」「七五三祝(しめいわい)」なども同じ意味の季語として扱われます。
(3)落ち葉
「紅葉」が秋の季語である一方で、木の葉が落ちる「落ち葉」は冬の季語になります。地域によって変わってきますが、落葉の時期はだいたい11月なので秋か冬か迷うでしょう。紅葉と混同しないように注意が必要です。
(4)小春日和
春が近づいて来ている暖かい日に使いがちですが、「小春」とは旧暦の10月の異称です。春が近づいた暖かい日のことではなく、まだ冬になりきらない秋の暖かさのことを指します。新暦では11月のことを指しますので、晩冬の俳句に間違って使わないように注意!
(5)三寒四温
三寒四温は良く天気予報などでも聞く言葉ですが、春が近づいている2月頃に使用される季語です。春の季語と間違いやすいですが、あくまで冬の時期の気象現象なので、俳句として詠む時は気をつけましょう。
◎最後に
旧暦と新暦で間違いやすい季語を、春夏秋冬でそれぞれ5つ挙げていきました。
どれも旧暦の季節の変わり目だったり、漢字から違う季節が想定されたり、現代の旬の季節とはズレていたりするものです。
どちらの季語だったか迷う時は、旧暦では何月にあたるか考えてみると間違えにくくなるのではないでしょうか。
◆(参考)紛らわし季語
凧・いかのぼり 春
雲海・御来光 夏 涼し 夏
朝顔 秋
三寒四温 冬
◆月は一般に秋の季語ですが、
月朧 春
月涼し 夏
月冴ゆ 冬
●無月は曇ったり降ったりして月が見えないこと。特に中秋の名月についていう。《季 秋》
●後の月(十三夜)とは、旧暦九月十三日。十五夜から一ケ月あとになるので、「後の月」と呼ばれる。
■(参考)雑節とは、二十四節気や五節句のほかに季節の移り変わりをより適確につかむために設けられた特別な暦日です。節分、彼岸、八十八夜、入梅、半夏生、土用、二百十日、二百二十日など。農業や漁業などを行う時期を見極めるために成立したものだ。
◆たとえば八十八夜は、立春を起算日(第1日目)として88日目(立春の87日後の日)にあたる。(春の季語)。
◆半夏生は、二十四節気の「夏至」をさらに3つに分けた七十二候の中の雑節の一つ。
◆土用土用(どよう)とは、五行に由来する暦の雑節である。1年のうち不連続な4つの期間で、四立(立夏・立秋・立冬・立春)の直前約18日間ずつである。
俗には、夏の土用(立秋直前)を指すことが多く、夏の土用の丑の日には鰻を食べる習慣がある。五行では、春に木気、夏に火気、秋に金気、冬に水気を割り当てている。残った土気は季節の変わり目に割り当てられ、これを「土旺用事」、「土用」と呼んだ。
季語は春夏秋冬の時候・天文・地理・生活・行事・食べ物・動物・植物という区分に加え、有名な人の命日である忌日に分類されます。
●季節を間違いやすい季語
例えば、「七夕」は現在では7月7日に行われるため夏の季語に感じますが、旧暦の7月7日は新暦では8月8日頃のため、ちょうど立秋をすぎて秋の季語に切り替わる時期です。
これは旧暦と新暦では1ヶ月の差が出るため、旧暦の季節の変わり目にあたる季語は注意が必要です!
★実は春の季語 ・雪崩なだれ ・淡雪あわゆき ・雪虫
★実は夏の季語 ・夜の秋 ・涼し ・卯月(うづき・陰暦4月の異称)
★実は秋の季語 ・七夕 ・盆休み ・夜食
★実は冬の季語 ・小春日和 ・青写真 ・木の葉
++++++++++++++++++++++++++
●季語の種類
季語はその成り立ちによって三種類に分けることができる。まず一つは★「事実の季語」で、雪は主に冬に降るから冬、梅の花は春に咲くから春、という風に自然界の事実にしたがって決められているものである。次に★「指示の季語」があり、「春の雨」「夏の山」「秋風」というように、事物の上に季節を表す語がついて直接的に季節を示しているものである。最後に★「約束の季語」があり、これは実際には複数の季節を通して見られるものであっても、伝統的な美意識に基づく約束事として季節が決まっているものである。先述の「月」(秋)や「蛙」(春)、「虫」(秋)、「火事」(冬)といったものがその例である。
現代の歳時記においては一般に、四季+新年の五季ごとに季語の内容から「時候」「天文」「地理」「生活」「行事」「動物」「植物」という分類がなされている。
●季語と季題
「季語」と「季題」は同義に用いられることもあるが、歴史的には「季題」は古来の中国の詩人が題を用いて詩を詠んだ伝統から、和歌、連歌という風に受け継がれていった、時代の美意識を担う代表的な「季節の題目」であり、連歌においては発句(はじめの五七五の句)において重要視されたものであるのに対して、「季語」はそれらを含んで付け句(発句以下に付けられる句)にまで広く採集された「季の詞」であり、発句の季題が喚起した詩情を具体化する役割を担うものであった。このため「季題」という言い方をする場合には「季語」よりもその語を重要視しているという感じもあるが、両者をはっきり区別する確定的な考え方があるわけではない。例えば山本健吉は『最新俳句歳時記』において、季語を「五箇の景物」から「和歌の季題」「連歌の季題」「俳諧の季題」「俳句の季題」「季語」の六種類の層に分け、「五箇の景物」を頂点とするピラミッド型の分類を試みているが、しかし山本自身これらすべてを包括して「季語」という言い方もしていた。山下一海は、季語、季題の違いは使い方の違いであるため、あるひとつの語を季語か季題かというふうに分類はできないとしている。
いずれにしても「季題」「季語」という言い方は近代に作られたものであり、「季題」は1903年に新声会の森無黄が、「季語」は1908年に大須賀乙字がそれぞれはじめて用いたという]。
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●季節のずれと難解季語
なぜ間違えやすい季語があるのか
間違えやすい俳句の季語【春編】
(1)薄氷
氷とあるので間違いやすいですが、冬ではなく春の季語です。「春氷」と詠まれることもあります。暖かくなってきて氷が溶けた水辺に、寒さが戻って再び氷が張る現象のこと。
(2)雪崩
積雪期である冬の季語ではなく、暖かさで緩んだ積雪が一気に崩れ落ちやすい2月や3月頃がイメージされるため、春の季語です。「雪なだれ」など似たような季語も春の季語になるので、雪という漢字でも気をつけましょう。
(3)バレンタイン
2月14日は旧暦では春の日にちですが、私たちが感じる季節感としてはまだまだ冬の最中でしょう。「バレンタインの日」「バレンタインデー」なども使われます。
(4)潮干狩
潮干狩は夏ではなく春の季語です。潮干狩ができるのは4月下旬から7月頃までで、浮かぶイメージとしてはゴールデンウィーク頃に家族連れで貝を捕っている光景でしょう。潮の満ち干きの差が激しくなるのが旧暦の3月のため、春の季語になっています。
(5)逃げ水
暑い日に良く見る、道の先に水溜まりがあるように見える現象で、蜃気楼の一種と言われています。現代では夏によく見るため夏の季語と間違いやすいですが、春の季語です。古来より武蔵野の逃げ水が有名です。
◎間違えやすい俳句の季語【夏編】
(1)タケノコ
旬が3月から5月のため春の季語と間違いやすいですが、夏の季語です。類似例として「筍飯」も夏の季語です。現代では春の味覚ですが、旧暦の4月や5月は夏になるため季語も夏に分類されます。
(2)初鰹
初鰹は3月から5月に北上してくる鰹で、「目には青葉 山ホトトギス 初鰹」の句で有名な夏の季語です。時期的に春から初夏の味覚なので春の季語と勘違いしやすいですが、先述の俳句を覚えていると間違えないかもしれません。
(3)五月雨
漢字から5月に降る雨と間違いやすい夏の季語です。旧暦の5月、新暦だと6月に降る雨なので、今で言う梅雨のことです。読み方は「さみだれ」ですが、「さつきあめ」と読ませる俳句もあります。
(4)涼し
涼しいという印象から秋の季語と間違いやすいですが、夏の季語です。「涼風」や「夕涼」も同じく秋の季語になります。夏の暑さの中で感じる涼しさを詠むのが特徴です。秋の涼しさについては「新涼」という季語を使います。
(5)麦の秋
秋とついているので間違いやすいですが、秋ではなく夏の季語です。麦の収穫は5月頃なので、夏であっても麦が熟す秋と表現しています。「麦秋」「麦の秋風」といった季語で使われることもあります。
◎間違えやすい俳句の季語【秋編】
(1)七夕
七夕といえば7月7日ですが、旧暦では秋である8月上旬にあたるため、夏ではなく秋の季語になります。七夕を連想させる「天の川」や「星祭」「鵲の橋」も同じように秋の季語。
(2)盆踊り
お盆は8月15日前後で現代の感覚では夏真っ盛りですが、秋の季語です。「盆休み」「盂蘭盆会」など、夏の季語と間違いやすいですが旧暦では秋にあたります。
(3)スイカ
スイカといえば夏の代名詞ですが、秋の季語です。今のスイカの旬は6月から7月頃なのに対して、昔のスイカの旬は8月頃で旧暦では秋だったために間違いやすい季語になりました。ただし、「冷し西瓜」など「冷やす」意味があるものは夏の季語に分類されます。
(4)トウモロコシ
トウモロコシもまた旬が7月から8月のため、夏の野菜にも関わらず間違いやすい秋の季語です。なお「トウモロコシの花」と詠むと夏の季語になるため、どちらを指しているのかで季節が変わってきます。
(5)枝豆
ビールによく合うおつまみとして定番の枝豆ですが、旬が7月から8月のため季語としては夏ではなく秋の季語になります。名月に供えたことから「月見豆」とも詠まれ、こちらも秋の季語です。
◎間違えやすい俳句の季語【冬編】
(1) 「神無月」の語源は不詳である。有力な説として、神無月の「無・な」が「の」にあたる連体助詞「な」で「神の月」というものがあり、日本国語大辞典もこの説を採っている10月の異称です。現代の季節感ではまだ秋ですが、旧暦では冬の始まりの月になります。神々が出雲の国へと集い神社を留守にするため、「神の留守」という同じく10月を表す季語も存在します。
(2)七五三
11月は冬ではないけれど秋も終わりという感覚ですが、七五三は11月15日に行われるため、旧暦では冬の季語です。「千歳飴」「七五三祝(しめいわい)」なども同じ意味の季語として扱われます。
(3)落ち葉
「紅葉」が秋の季語である一方で、木の葉が落ちる「落ち葉」は冬の季語になります。地域によって変わってきますが、落葉の時期はだいたい11月なので秋か冬か迷うでしょう。紅葉と混同しないように注意が必要です。
(4)小春日和
春が近づいて来ている暖かい日に使いがちですが、「小春」とは旧暦の10月の異称です。春が近づいた暖かい日のことではなく、まだ冬になりきらない秋の暖かさのことを指します。新暦では11月のことを指しますので、晩冬の俳句に間違って使わないように注意!
(5)三寒四温
三寒四温は良く天気予報などでも聞く言葉ですが、春が近づいている2月頃に使用される季語です。春の季語と間違いやすいですが、あくまで冬の時期の気象現象なので、俳句として詠む時は気をつけましょう。
◎最後に
旧暦と新暦で間違いやすい季語を、春夏秋冬でそれぞれ5つ挙げていきました。
どれも旧暦の季節の変わり目だったり、漢字から違う季節が想定されたり、現代の旬の季節とはズレていたりするものです。
どちらの季語だったか迷う時は、旧暦では何月にあたるか考えてみると間違えにくくなるのではないでしょうか。
◆(参考)紛らわし季語
凧・いかのぼり 春
雲海・御来光 夏 涼し 夏
朝顔 秋
三寒四温 冬
◆月は一般に秋の季語ですが、
月朧 春
月涼し 夏
月冴ゆ 冬
●無月は曇ったり降ったりして月が見えないこと。特に中秋の名月についていう。《季 秋》
●後の月(十三夜)とは、旧暦九月十三日。十五夜から一ケ月あとになるので、「後の月」と呼ばれる。
■(参考)雑節とは、二十四節気や五節句のほかに季節の移り変わりをより適確につかむために設けられた特別な暦日です。節分、彼岸、八十八夜、入梅、半夏生、土用、二百十日、二百二十日など。農業や漁業などを行う時期を見極めるために成立したものだ。
◆たとえば八十八夜は、立春を起算日(第1日目)として88日目(立春の87日後の日)にあたる。(春の季語)。
◆半夏生は、二十四節気の「夏至」をさらに3つに分けた七十二候の中の雑節の一つ。
◆土用土用(どよう)とは、五行に由来する暦の雑節である。1年のうち不連続な4つの期間で、四立(立夏・立秋・立冬・立春)の直前約18日間ずつである。
俗には、夏の土用(立秋直前)を指すことが多く、夏の土用の丑の日には鰻を食べる習慣がある。五行では、春に木気、夏に火気、秋に金気、冬に水気を割り当てている。残った土気は季節の変わり目に割り当てられ、これを「土旺用事」、「土用」と呼んだ。
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