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詩歌・悠々散歩 『かがやく花曇』      高橋透水

2014年04月05日 | 俳句・短歌・評論・俳句誌・俳句の歴史
 
ゆで玉子むけばかがやく花曇    中村汀女


 今まさに花盛りのところも多いのではないでしょうか。
家族で、恋人同士で花茣蓙からの花見。家から昼食を持参したり、コンビニで弁当を買ってのピクニック気分。花吹雪の下で、知人や会社の同僚同士との酒盛り。さては弁当が面倒な人には、花の宴までのピザの出前があるそうですね。

 それにしても「ゆで卵」の語感が無性に懐かしいですね。子供のころの遠足、運動会などには、おにぎりの付き物だった。大事にしてきたゆで玉子を、弁当の蓋や近くの石や木などで割る音があちこちでしたものだ。
 子供のころは、花見といっても花を愛でるより食べる楽しみの方が大きかった。「むけばかがやく」などの詩情など起こるはずもなかった。

 実は、この句の「花曇」の花は桜ではなく梅であるらしい。汀女によれば、仙台市の榴ヶ岡公園での観梅のときの句というが、桜時の「花曇」にも十分通ずる味わいがあると思う

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