もう19日になっちゃったけど、18日夜11時から「爆笑問題のニッポンの教養」を見て、12時から日曜に見逃してしまったNHKスペシャル 「ワーキングプアⅢ~解決への道~」を見てきた。「ニッポンの教養」は「リミックス~総集編~」ということでもう一度聞きたかった話がちらっとだけど聞けてよかったんだけど、比較解剖学の遠藤秀紀先生の持ってた骨はバクではなくアリクイだった。間違えてた。きっとあれこれ間違えて書いてるんだろうなー、トホホ・・・・
「ワーキングプアⅢ」だけど、これはたいへんなことだと思った。政治家の方たちはこれ、見てるんだろうか?労働者の55%が非正規雇用である韓国では、正社員と派遣社員との賃金格差をなくすよう国が法律を作ったところ、派遣社員をバッサリと解雇してその仕事を外注する会社が続出。それに対して国は何の対策も取っていない。一流大学を出てもすぐには就職できない状況で、解雇された非正規雇用者の自殺が相次いでいる。18日の「クローズアップ現代」で韓国の大統領選が取り上げられたが、デモで演説をしていた人が「今日も我々の仲間が一人焼身自殺を遂げました」と言っていたのはそのことだったのか。政府に対する抗議の自殺だ。去年、夫と子どもが韓国に行ったんだけど、ホームステイ先の家の高校生がものすごく勉強していたのに驚いていた。ほとんど顔を合わせる時間もないくらいで、何かにとりつかれてるようだったと言っていたが、少しでもよい大学に入るために目の色を変えて勉強していたのはひどい就職難だったからなのだ。命がかかっているからそりゃあ命掛けで勉強するだろう。選挙の争点も雇用と景気回復だ。
グローバル化が最も進んだアメリカでは今、IT関連の仕事がインドに外注されて、技術者が大量解雇されてしまった。年収1000万くらいもらっていたホワイトカラーの人が、キャンピングカー暮らしで病院に行くこともできない。医療保障までもが民間任せであるため高額の保険料を払えないからだ。
それらを見ていて「これは、日本の将来ではないのか?」と愕然とした。韓国の専門家は、「雇用のような問題は市場経済に任せてはいけないのだ。」と言っていた。また「ニッケルアンドダイムド」の著者は「グローバル化の負の影響は下へ下へと押しやられて一番下層の人がひどい目にあう」と言う。
では、この問題をどう解決すればよいのか、そのヒントとして取り上げられていたのがアメリカノースカロライナ州の例で、ここは以前は中国製品との価格競争に敗れた企業が次々と廃業し高失業率に悩んでいた地域だ。州政府はグローバル化の影響を受けない分野の企業を慎重に検討した結果、自らバイオ関連の企業誘致に乗り出した。さらに失業者の教育機関を設立し、格安でバイオ関連の教育が受けられるように援助した。それに投じたお金は120億円。で、現在では1200億円の税金収入があるという。(雇用創出の規模は覚えていない)
また、イギリスリバプールでのワーキングプア家庭に育った若者を貧困のスパイラルから救う試みでは、専門の相談員が町中に出て声をかけ、一定期間の職業訓練を受けさせた後企業に就職するまで面倒をみる。ここで注目されたのは「社会的企業」という仕組みだ。リサイクルや福祉などの社会的に有意義な仕事をする会社に政府が補助金を出し、(1億円くらい)それを失業者の職業訓練や再就職の資金として使うというのだ。そんな会社がイギリス全土にあるらしい。
いやー、映像の力ってやっぱりすごいなあ。おおむね全部宮台真司の本に書いてあるんだけど「ブレア首相の第三の道」なんて具体的に何のことかわかってなかった。ワーキングプアの家庭に育つと金銭的なことだけではなくて学習やその他のいろいろなスキルが欠落してきて、とても自力で這い上がることは難しい。そこを公的な援助で補って、「努力すれば報われる社会」を目指しているのだ。イギリスでは貧困家庭に所得に応じて児童手当が支給されるのだが、その額が6万~12万(たしか)。子どもが18歳になるまで引き出せないが、その間高利の利子がつく。景気の回復で税収が増えた分を次の世代につぎ込んでいるのだ。貧困層の増加による犯罪対策や福祉的扶助の費用を考えると子どもの段階からお金をかけて援助した方がはるかに安上がりにつくからだという。すごい、頭いいなあ。
一方、日本の現状は情けない。北海道の例で母子家庭の職業訓練、再就職支援がとりあげられていたが、驚いたのは援助員の月給が10万円しか出てないっていうんだ。この人も母子家庭で、夜は塾の仕事を掛け持ちしている。じょーだんじゃない。「ワーキングプアⅠ」に出てきたホームレスの青年も、市の道路清掃の仕事に就いたけど、いまだ家がなくて路上生活のままだ。企業への就職は親族の保証人がいないので面接もできないらしい。じょーだんじゃない!
実りのない国会をだらだらやってる場合じゃないぞ。たいへんなことが起きようとしてる。ワーキングプアって今、世界的な問題なんだな。はじめて実感できた。やっぱり市場経済に任せてはいけない部分ってあるし、雇用創出とか就職支援とかもっときめ細かく戦略的にやっていかなくてはいけないんだ。
最後にキャスターが言っていたが、もう、個人の善意とか熱意ではやっていけない。もっと本格的な対策を、今すぐに立てないといけないところにきている。
なんか胸騒ぎがして、こういう予感は当たるんだなあ。
「ワーキングプアⅢ」だけど、これはたいへんなことだと思った。政治家の方たちはこれ、見てるんだろうか?労働者の55%が非正規雇用である韓国では、正社員と派遣社員との賃金格差をなくすよう国が法律を作ったところ、派遣社員をバッサリと解雇してその仕事を外注する会社が続出。それに対して国は何の対策も取っていない。一流大学を出てもすぐには就職できない状況で、解雇された非正規雇用者の自殺が相次いでいる。18日の「クローズアップ現代」で韓国の大統領選が取り上げられたが、デモで演説をしていた人が「今日も我々の仲間が一人焼身自殺を遂げました」と言っていたのはそのことだったのか。政府に対する抗議の自殺だ。去年、夫と子どもが韓国に行ったんだけど、ホームステイ先の家の高校生がものすごく勉強していたのに驚いていた。ほとんど顔を合わせる時間もないくらいで、何かにとりつかれてるようだったと言っていたが、少しでもよい大学に入るために目の色を変えて勉強していたのはひどい就職難だったからなのだ。命がかかっているからそりゃあ命掛けで勉強するだろう。選挙の争点も雇用と景気回復だ。
グローバル化が最も進んだアメリカでは今、IT関連の仕事がインドに外注されて、技術者が大量解雇されてしまった。年収1000万くらいもらっていたホワイトカラーの人が、キャンピングカー暮らしで病院に行くこともできない。医療保障までもが民間任せであるため高額の保険料を払えないからだ。
それらを見ていて「これは、日本の将来ではないのか?」と愕然とした。韓国の専門家は、「雇用のような問題は市場経済に任せてはいけないのだ。」と言っていた。また「ニッケルアンドダイムド」の著者は「グローバル化の負の影響は下へ下へと押しやられて一番下層の人がひどい目にあう」と言う。
では、この問題をどう解決すればよいのか、そのヒントとして取り上げられていたのがアメリカノースカロライナ州の例で、ここは以前は中国製品との価格競争に敗れた企業が次々と廃業し高失業率に悩んでいた地域だ。州政府はグローバル化の影響を受けない分野の企業を慎重に検討した結果、自らバイオ関連の企業誘致に乗り出した。さらに失業者の教育機関を設立し、格安でバイオ関連の教育が受けられるように援助した。それに投じたお金は120億円。で、現在では1200億円の税金収入があるという。(雇用創出の規模は覚えていない)
また、イギリスリバプールでのワーキングプア家庭に育った若者を貧困のスパイラルから救う試みでは、専門の相談員が町中に出て声をかけ、一定期間の職業訓練を受けさせた後企業に就職するまで面倒をみる。ここで注目されたのは「社会的企業」という仕組みだ。リサイクルや福祉などの社会的に有意義な仕事をする会社に政府が補助金を出し、(1億円くらい)それを失業者の職業訓練や再就職の資金として使うというのだ。そんな会社がイギリス全土にあるらしい。
いやー、映像の力ってやっぱりすごいなあ。おおむね全部宮台真司の本に書いてあるんだけど「ブレア首相の第三の道」なんて具体的に何のことかわかってなかった。ワーキングプアの家庭に育つと金銭的なことだけではなくて学習やその他のいろいろなスキルが欠落してきて、とても自力で這い上がることは難しい。そこを公的な援助で補って、「努力すれば報われる社会」を目指しているのだ。イギリスでは貧困家庭に所得に応じて児童手当が支給されるのだが、その額が6万~12万(たしか)。子どもが18歳になるまで引き出せないが、その間高利の利子がつく。景気の回復で税収が増えた分を次の世代につぎ込んでいるのだ。貧困層の増加による犯罪対策や福祉的扶助の費用を考えると子どもの段階からお金をかけて援助した方がはるかに安上がりにつくからだという。すごい、頭いいなあ。
一方、日本の現状は情けない。北海道の例で母子家庭の職業訓練、再就職支援がとりあげられていたが、驚いたのは援助員の月給が10万円しか出てないっていうんだ。この人も母子家庭で、夜は塾の仕事を掛け持ちしている。じょーだんじゃない。「ワーキングプアⅠ」に出てきたホームレスの青年も、市の道路清掃の仕事に就いたけど、いまだ家がなくて路上生活のままだ。企業への就職は親族の保証人がいないので面接もできないらしい。じょーだんじゃない!
実りのない国会をだらだらやってる場合じゃないぞ。たいへんなことが起きようとしてる。ワーキングプアって今、世界的な問題なんだな。はじめて実感できた。やっぱり市場経済に任せてはいけない部分ってあるし、雇用創出とか就職支援とかもっときめ細かく戦略的にやっていかなくてはいけないんだ。
最後にキャスターが言っていたが、もう、個人の善意とか熱意ではやっていけない。もっと本格的な対策を、今すぐに立てないといけないところにきている。
なんか胸騒ぎがして、こういう予感は当たるんだなあ。