読書と追憶

主に読んだ本の備忘録です。

太田総理

2007-12-14 22:26:29 | テレビ番組
さっき「太田光の私が総理大臣になったら」を見てきたが、今日のマニフェストは「不祥事を内部告発した人には 国から賞金最大1億円をあげます」であった。
 
最近、内部告発による食品の偽装発覚が多いのはなぜかと考えていたが、きっと、雪印以降の偽装報道を見て、「あ、それ、うちもやってる。そうかやっぱり悪いことだったんだ」と思った現場の人たちが、内部で声をあげても握り潰され、その会社に自浄能力がないと落胆したため、やむにやまれぬ気持ちで声を発したのだと思う。だって今のところ告発したって何の得にもならないのだ。それでも告発するのは、外部から見たらとんでもなくひどいことを仕事でしなきゃいけないという良心の呵責に耐えかねたのだ。それに偽装などというものはすぐに慣れてしまって、現場では悪いということすら思わなくなる。あっという間にエスカレートするという怖さもあって、その内部の現状と一般人の常識とのあまりのギャップに耐えられなくなるのだ。
 
もしも、その会社に法令遵守のための監視員がいて、厳格な管理マニュアルがあるならば組織の上の方に情報が伝わって、なんらかの措置をとるはずで、それがなかったということはいいかげんな会社ということだ。

衛生管理にお金を使ってたりしたら中小企業は持たないという意見があるが、じゃあ、安いけどバイキンだらけの食品や賞味期限切れの食品を売りつけられていいのか?ということになる。雪印食中毒事件のときにわかったけども、たとえ小さくてもちゃんと厳密なマニュアルを作成してそのとおりに衛生管理をしている乳業会社も多かった。

「食品の賞味期限なんて、過ぎてから食べてもなんの問題もないじゃないか」と言う人がいるけど、それは末端の消費者の話で、もし偽装が横行したとしたら、たとえば製造元が日付を改ざんし、卸業者が改ざんし、小売店が改ざんしでとんでもなく古いものを買わされるおそれが出てくる。ともかく経営上のつけを消費者に回すというのが許せない。廃棄率を減らしてコストを削減するにはきちんとした仕入予測と商品管理によってやるべきで、日付の改ざんでやろうなんてとんでもない!そういう誤った会社への忠誠心が社会的信用を傷つけ莫大な不利益を被らせるという常識が行き渡れば、きっと経費節約のために知恵を絞らざるを得なくなって古い体質の会社も改革が進むようになると思うな。

検索をしてみたら「食品会社 偽装の歴史」というサイトがあった。イギリスの内部告発者保護制度についても書いてある。雪印食品の食肉偽装のときのように、告発者の取引先がつぎつぎと契約を解除して結局廃業せざるを得なくなるとか、企業で内部告発して窓際にやられる(トラック業界の闇カルテルを告発した串岡弘昭氏みたいに)とかそのような不利益を被ることがないよう法律で保護しなきゃいけないと思う。
 
ところで「当時のトナミ運輸の会長は現衆議院議員の綿貫民輔である。」とありますね。元自民党幹事長で現国民新党代表の人ですがな。まあおそろしい。そんな人が親玉の会社相手に告発されたんですか。
 
太田述正氏は反対の席にいて、理由は「告発をしても国に握り潰されるおそれがある」ということらしい。まったく、太田氏の告発のようなのは民間会社の偽装と違って、どこかから圧力がかかって立ち消えになる危険性がある。賞金はともかく、告発がちゃんと公正に処理されるかどうかということが大事なんだな。

金 美齢さんが「信頼できる筋に聞いたところ、防衛省向けの精密機械などはかなり特殊なもので、研究開発費にお金がかかるから高く売らざるをえない」とおっしゃっていたが、それもなんだかおかしいと思う。「研究開発費にこれだけかかったからこれだけ貰わないと赤字になるのです」とは言えないのか?最初から全部ひっくるめて「一式 ○○億円」だなんて悪徳商法のリフォーム会社みたいだ。太田氏のところの読者の投稿にあった「水増し請求をしないと営業所の経費がでない」というのもなんかおかしい。防衛省の場合は国民の税金を使っているのだ。できるだけ無駄は省くよう努めて貰わないと、こういう状態で消費税の値上げなんかしたら暴動がおこるぞ。(んなことはないか・・・)