ロシア日記

~ペルミより愛を込めて~
日本語教師と雪のダローガと足跡

~サンクトペテルブルグ~
雪の上の足跡

ロシアの夜明け

2013年01月20日 | 日記
 しばらくブログをお休みしていました。理由はいろいろあって一番の問題は孤独からくる寂しさでしょうか。「孤独」などと書くとずいぶんと大げさに思われるかもしれませんが、これは海外で家族もなくひとりで生活した者にしかわからない、新しい発見の感覚です。生活にも慣れ、仕事にも慣れ、何を見ても新鮮だった真新しさの非日常の世界が、徐々に日常に変わるころ、それは音もなく忍び寄ってきます。ある日、突然、予知もなく涙が一粒頬をつたい、それが後からスースースースー止めどなく流れてきたときには驚きました。自分でもいったいどうして涙が流れてくるのかわからないのです。けれどそれは翌日も続き、翌々日も続くのです。それからは泣くことが新年の日課になったかのように、毎日涙が出てくるようになりました。寒さ以外の何もない中でひとりバスを待っていたり、教室で授業の準備をしているときなど、油断したら涙があふれてくるのです。寒い外から少し頭が痛いなと思いながら速足で帰ってきた後、ふと寂しいなと思ったり、お釣りを間違えた私に対して太ったおばさんの対応が冷たかったり、そんな日常の些細なことが積み重なり、何もかもが初めての環境で、この一か月分の張りつめていた糸がプツンと音もなく切れたのでしょう。
 よく海外赴任が決まった男の人が、プロポーズしてから新妻を伴い現地入りする話を聞きますが、それがわかる気がします。異国で一人の生活は、男の人はとてもじゃないけど耐えられないかもしれませんね。そして、女が一人で異国に生きるというのは、並大抵のことではない気がします。これを乗り越えたらきっと可愛げもないひどく強い女になるのでしょうね。笑 早くその日が来ることを祈ります。