現存しないものへの憧憬。「現存せず」という言葉にグッとくる。
解体されて今はもう無い建造物。保存という名の放置で補修もされず
ただ朽ちていく姿を、自然に飲み込まれる姿を、その記憶を辿った写真
などをよく見るのだけど、このところのヒットは"エキスポタワー"
とにかくカッコイイ!!
1970年に開催された大阪・万国博覧会のランドマークタワー。万博エリア
には無くエキスポランドにあったので、太陽の塔ほど有名ではないかも。
未来の住宅都市がモデルで、真っ直ぐに天へと向かって伸びる127mの鉄骨に、
木の実のような住宅キャビンが付いている。
設計は菊竹清訓。今まで近代建築ばかり見ていたので知らなかったけど、
菊竹氏は宮崎県にこんなおかしな建築も造っている。
(http://www18.ocn.ne.jp/~symbol/mch.htm)
もともと鉄塔(塔ならなんでもグッときちゃう安上がりなわたし)や
廃墟、経年劣化の美や植物の浸食などにも"ぐは~;"となってしまうので、
これはもうかなりのヒット。 (実際に解体などに関わっている方はそんなこと
思いませんよね、すみません。。)
「エキスポタワー写真館」というサイトはどこまでも追いかけ回していて
情熱の熱さ深さクドさにひたすら感服。どういうコネなのか分からないが、
閉鎖された内部の撮影までしている。かなり老朽化していて写真を見るだけ
でもムズムズしてくる、と同時に胸キュン。
錆で腐食したキャビン・扉の外れた蝶つがい・昭和な字体の作業室の注意書き・
複雑に絡まった正確な鉄骨・休憩室の時が止まったままのカレンダー・
むき出しの螺旋階段・朽ちた床から生えた苔とともに芽を出す生命・
剥がれた塗装の下から顔を出す往時の色彩…。
見る人によっては老朽化した鉄の塊に過ぎないのだろうけど。
立ち枯れた木のようになってから、解体決定から完了するまでほぼ毎日
定点観測、キャビンの取り外しの瞬間までおさえている。図面から構造も
全て頭に入っているらしく、解説もスゴイ。そして写真がどれもステキ。
という訳で勝手に紹介します。
*エキスポタワー写真館
http://homepage1.nifty.com/forever70s/expotower/index.html
エキスポタワーは、万博当時は展望台や、無線通信による情報基地として役目
を終えた後、1990年9月に展望台の営業を終了、閉鎖。
2003年3月に解体が完了。 一説によると解体に約10億円、復元工事に約20億円
必要だそうで前者を選ばざるを得なかったのかも。
当初の計画では350m以上という日本一の高さになるはずだったが航空経路や
予算、スポンサーなど問題で、幾度となく変更があり工期が遅れ完成したのは
万博開幕間近だった。設計変更前のタワーも見てみたいなあ。
そういえば、1993年に吹田市に住む親戚の家に泊まらせてもらいつつ旅行した
ときに万博公園のまわりをドライブした。夜だったので何も見えなかったのが残念。
でも当時は建築物に興味なかったから、昼間に行ったとしても記憶に残ら
なかったかも。大阪城公園内のあの建物も全く覚えてないしなあ…。
+ + +
そして今も残る「太陽の塔」。有名過ぎてあまり気にとめていなかったけど、
実は反博の塔だそうだ。 万博公園には行ったことがないけれど、今も当時の
建造物で残っているのは太陽の塔くらいだと思う。
岡本太郎記念館のサイトを見ていたらこんな記述があった。
当時、反体制の芸術家や学生は「反博」を唱え、太郎に対しても
「お上に尻尾を振るのか!」と批判の声が上がった。だが太郎はこういって笑ったらしい。
「反博? なに言ってんだい。一番の反博は『太陽の塔』だよ。」
シンボルタワーだったエキスポタワーは解体され、反博の塔である太陽の塔は
大衆のシンボルにすり替わり、永久保存が決定し、今も生き証人のように、そして
今にも歩きだしそうに立っている。皮肉というか痛快というか。
子供のころテレビで見た岡本太郎は「芸術は爆発だ」と眼の玉をひんむいて云う
変なおじさんにしか見えなかったが、今になればとてつもないパワーを込めた作品を
たくさん創ったのがよく分かる。
それにしても、「永久保存」と云い切ってるのもすごいなあ。
■岡本太郎記念館
http://www.taro-okamoto.or.jp/index.html
■菊竹清訓建築設計事務所
http://www.kikutake.co.jp/
■スイタウェブ万博情報 エキスポタワー(跡地)
http://suitaweb.net/expo/facilities/expotower.htm
■(計画・構造などの情報)
http://expo70-web.hp.infoseek.co.jp/goodbteexpotower2.htm
■何処か遠くへ ~エキスポタワー (こちらも追いかけてます!)
http://leepi.milkcafe.to/p-expotower/tabi-expotower.htm
■国立科学博物館 1/22~2/8までEXPO'70展
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2008/expo70/index.html
解体されて今はもう無い建造物。保存という名の放置で補修もされず
ただ朽ちていく姿を、自然に飲み込まれる姿を、その記憶を辿った写真
などをよく見るのだけど、このところのヒットは"エキスポタワー"
とにかくカッコイイ!!
1970年に開催された大阪・万国博覧会のランドマークタワー。万博エリア
には無くエキスポランドにあったので、太陽の塔ほど有名ではないかも。
未来の住宅都市がモデルで、真っ直ぐに天へと向かって伸びる127mの鉄骨に、
木の実のような住宅キャビンが付いている。
設計は菊竹清訓。今まで近代建築ばかり見ていたので知らなかったけど、
菊竹氏は宮崎県にこんなおかしな建築も造っている。
(http://www18.ocn.ne.jp/~symbol/mch.htm)
もともと鉄塔(塔ならなんでもグッときちゃう安上がりなわたし)や
廃墟、経年劣化の美や植物の浸食などにも"ぐは~;"となってしまうので、
これはもうかなりのヒット。 (実際に解体などに関わっている方はそんなこと
思いませんよね、すみません。。)
「エキスポタワー写真館」というサイトはどこまでも追いかけ回していて
情熱の熱さ深さクドさにひたすら感服。どういうコネなのか分からないが、
閉鎖された内部の撮影までしている。かなり老朽化していて写真を見るだけ
でもムズムズしてくる、と同時に胸キュン。
錆で腐食したキャビン・扉の外れた蝶つがい・昭和な字体の作業室の注意書き・
複雑に絡まった正確な鉄骨・休憩室の時が止まったままのカレンダー・
むき出しの螺旋階段・朽ちた床から生えた苔とともに芽を出す生命・
剥がれた塗装の下から顔を出す往時の色彩…。
見る人によっては老朽化した鉄の塊に過ぎないのだろうけど。
立ち枯れた木のようになってから、解体決定から完了するまでほぼ毎日
定点観測、キャビンの取り外しの瞬間までおさえている。図面から構造も
全て頭に入っているらしく、解説もスゴイ。そして写真がどれもステキ。
という訳で勝手に紹介します。
*エキスポタワー写真館
http://homepage1.nifty.com/forever70s/expotower/index.html
エキスポタワーは、万博当時は展望台や、無線通信による情報基地として役目
を終えた後、1990年9月に展望台の営業を終了、閉鎖。
2003年3月に解体が完了。 一説によると解体に約10億円、復元工事に約20億円
必要だそうで前者を選ばざるを得なかったのかも。
当初の計画では350m以上という日本一の高さになるはずだったが航空経路や
予算、スポンサーなど問題で、幾度となく変更があり工期が遅れ完成したのは
万博開幕間近だった。設計変更前のタワーも見てみたいなあ。
そういえば、1993年に吹田市に住む親戚の家に泊まらせてもらいつつ旅行した
ときに万博公園のまわりをドライブした。夜だったので何も見えなかったのが残念。
でも当時は建築物に興味なかったから、昼間に行ったとしても記憶に残ら
なかったかも。大阪城公園内のあの建物も全く覚えてないしなあ…。
+ + +
そして今も残る「太陽の塔」。有名過ぎてあまり気にとめていなかったけど、
実は反博の塔だそうだ。 万博公園には行ったことがないけれど、今も当時の
建造物で残っているのは太陽の塔くらいだと思う。
岡本太郎記念館のサイトを見ていたらこんな記述があった。
当時、反体制の芸術家や学生は「反博」を唱え、太郎に対しても
「お上に尻尾を振るのか!」と批判の声が上がった。だが太郎はこういって笑ったらしい。
「反博? なに言ってんだい。一番の反博は『太陽の塔』だよ。」
シンボルタワーだったエキスポタワーは解体され、反博の塔である太陽の塔は
大衆のシンボルにすり替わり、永久保存が決定し、今も生き証人のように、そして
今にも歩きだしそうに立っている。皮肉というか痛快というか。
子供のころテレビで見た岡本太郎は「芸術は爆発だ」と眼の玉をひんむいて云う
変なおじさんにしか見えなかったが、今になればとてつもないパワーを込めた作品を
たくさん創ったのがよく分かる。
それにしても、「永久保存」と云い切ってるのもすごいなあ。
■岡本太郎記念館
http://www.taro-okamoto.or.jp/index.html
■菊竹清訓建築設計事務所
http://www.kikutake.co.jp/
■スイタウェブ万博情報 エキスポタワー(跡地)
http://suitaweb.net/expo/facilities/expotower.htm
■(計画・構造などの情報)
http://expo70-web.hp.infoseek.co.jp/goodbteexpotower2.htm
■何処か遠くへ ~エキスポタワー (こちらも追いかけてます!)
http://leepi.milkcafe.to/p-expotower/tabi-expotower.htm
■国立科学博物館 1/22~2/8までEXPO'70展
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2008/expo70/index.html