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なぜ新日鉄資産差し押さえの判決はくだり、反日書籍は書店から消えたのか

2019-01-25 14:35:44 | ニュースまとめ・総合
なぜ新日鉄資産差し押さえの判決はくだり、反日書籍は書店から消えたのか



2019年1月25日 11時0分

文春オンライン

 日本での今の日韓関係のイメージは、グラフに例えるなら底を突き抜けている感じなのかもしれない。



 昨年10月30日、元徴用工裁判で日本企業に賠償を求める判決が出てから、日韓間の緊張の高まりが報じられている。


韓国最高裁が新日鉄住金にくだした賠償命令の判決に関して記者会見する元徴用工の李春植さん(中央) ©時事通信社

 この判決の翌11月には、「慰安婦合意」(2015年12月)に基づいて設立された「和解・癒やし財団」を解散すると発表され(実際の解散には諸手続により時間がかかる)、12月には火器管制レーダー照射問題が続けざまに起きた。さらに、年が明けた1月3日には、徴用工裁判で勝訴した原告側が昨年末に申請していた新日鉄住金の韓国内の資産の差し押さえを韓国の大法院(最高裁判所)が認めると、日本では韓国への“制裁”の声も出始めた。
「強制徴用問題はICJに」保守系韓国メディアが警鐘を鳴らす

 韓国では、こうした事態に保守系メディアを中心に警鐘を鳴らす報道が流れ始め、資産差し押さえの報が出ると、今度は日本通の識者から韓国政府に早い対応策を迫る声が次々と上がり始めた。

 たとえば、国民大学日本学科の李元徳教授は中央日報に寄せたコラム(1月14日)で、「強制徴用問題は国際司法裁判所(ICJ)に提訴して解決しよう」と訴え、「(2トラックの)原則により徴用者問題はICJに任せて最優先課題である北朝鮮の核問題解決と韓半島平和プロセスでは日本の建設的な役割を引き出すよう努めることが望ましい。さらにトップ間のシャトル外交を復元させ、青年の働き口での協力、韓日FTAや通貨スワップなどの実質的な経済協力を活性化することこそ、時代が要求している対日外交の緊急課題だ」としている。

 また、日本政府にも太いパイプを持つといわれる朴竽煕ソウル大学国際大学院教授は朝鮮日報とのインタビュー(1月14日)で、「互いへの尊重や戦略的重要性についての認識がほとんどなくなっており、戦略的提携関係から相互戦略的放置の状態に後退している」と今の日韓関係を分析し、「過度に南北関係進展に邁進し、中国や日本など周辺国の適正な役割と関与を引き出すという知恵を忘却している」と韓国政府を批判。さらに「日本と妥協できる第3の道を政権が1日も早く提示すべきで、請求権協定を認めることを土台とし、司法判決の対象になっている日本企業と韓日請求権による資金という恩恵を受けた韓国企業が共同で出資する財団を設立し、被害者へ補償する法案などが考えられる」と説いている。
韓国で広がる「65年体制見直し論」

 中道派の韓国紙記者は、徴用工裁判の判決はそもそも「1965年の韓日基本条約を見直そうという動きが背景にある」と話す。

「韓国が民主化を成し遂げたのは1987年ですから、それ以前に結ばれた1965年の韓日基本条約には国民の声が反映されていなかったとする見方があり、民主化して30数年経った今、国民の意見を反映する形でこれを見直そうという動きが起きています。今回の元徴用工裁判での判決も、韓日基本条約では曖昧にされた日本の韓国併合(植民地支配)は不法だったという認識が根底にあるのです」 

 1965年の日韓基本条約では、当時、日本による韓国併合が合法だったか不法だったかを巡り数年間、結論が出ず、最終的には、米国の仲裁で「もはや無効である」という曖昧な表現にされた経緯がある。
韓国政府は3か月近く沈黙

「韓国政府はこれまで韓日基本条約を日韓関係の基礎としてきました。慰安婦や被爆者問題などは条約に含まれていなかったため課題として残りましたが、徴用工については含まれていて、韓国政府も補償はしています。ただ、個人請求権は消滅していないという立場で、1965年を見直すという動きも無視できない政府としては、今回の徴用工の裁判結果に慌てているとみられています。

 李洛淵総理を中心にして、関係省庁で対策会議が毎週開かれているようですが、沈黙を保っているのは、妙案がまったく出てこないのでしょう」(前出記者)

 韓国政府は昨年10月30日の判決から3カ月近く立場を表明していない。
韓国の世論は無関心?

 こう書くと、やはり韓国でも世論を巻き込んで大騒ぎになっているのだろうと思うかもしれないが、世論の反応は実に淡々としたもの。

 先日、日本にいる知人からも、

「徴用工や慰安婦問題、最近ではレーダー照射問題まで日韓は問題だらけ。日本では韓国批判が頂点に達していますが、韓国も反日一色になっていますか?」

 こう訊かれて、韓国との温度差をしみじみ感じた。

 慰安婦問題や徴用工、はたまた火器管制レーダー照射問題にいたっては、韓国の一般の人たちの関心を肌で感じることはあまりない。もちろんあらためて問いかければ、それぞれの意見が返ってくる。それが韓国側に沿ったものもあれば、そうでないものもある。
90年代に流行った反日本が書店から消えた

 いつの頃からか、日本の大手ポータルサイトのホームページにはどんな内容にせよ韓国関連のニュースがずらりと並ぶようになり、日本はいずれの意味にせよこれほど韓国に関心があるのかと驚いていた。

 思えば、かつての韓国がそうだった。10数年前頃までは、何かといえば日本の話題が必ず取り上げられていたが、今、韓国の大手ポータルサイトのホームページを開いても、嫌日、反日記事は当たり前のようには見当たらない。90年代にあった反日書籍なども今は見ることはない。韓国の人々のそうした関心が薄くなり、端的に売れないからだ。その代わりソウルの書店で見かけるのは、日本の小説や漫画の韓国版や日本のおいしいものや店、見所などのコンテンツ本が圧倒的で、そうした分野での日本への関心はとても高いのが分かる。

 政治的な問題について積極的に関与しようという姿勢は昔と比べると格段に薄れていて、かつてなら日本人だと分かれば議論をふっかけられたりもしたが、それも遠い昔のことだ。
日韓の次のヤマは3月1日

 徴用工問題に話を戻そう。

 1月3日に認められた新日鉄住金の韓国での資産差し押さえは、3月1日までに同社の回答を待って売却を実行されるか否かが決定される。

 そして、3月1日はまた、韓国では1919年に起きた抗日独立運動記念日で、今年はその100周年に当たるため、大々的な行事が開催される予定だ。

 日韓の次のヤマは3月1日。

 待ったなし、韓国政府には1日も早い対応が迫られている。

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