新党へ布石?自民警戒 選挙にらみ避けたい全面対決
産経新聞 10/31(月) 7:55配信
小池百合子東京都知事が30日にスタートさせた政治塾「希望の塾」に対し、自民党が警戒感を崩していない。次期衆院選や来夏の都議選に向けた「小池新党」への布石との見方が消えないためだ。小池氏の人気を追い風に塾出身者が出馬すれば、自民党候補の苦戦は必至。懸案の「小池派」区議への最終処分決定は先送りしたが、今後も小池氏との距離感に腐心しそうだ。
「今のままなら安倍晋三政権に影響を与えるということではないが、4千人超を集めるのはすごい」
自民党都連の下村博文会長は30日、記者団にこう語り、平静を装った。だが、新党誕生は選挙情勢を一変させかねず、党内には「楽観できない」との見方が根強い。先の衆院東京10区補選で小池氏との共闘を演出したのも、新党を封じる狙いがあったのは明らか。補選で党公認候補が当選したことで都連も区議の処分の軽減に傾いた。溝は解消され、一件落着とみられた。
ところが、小池氏が「7人の侍」と持ち上げる区議の処分問題は依然、影を落とす。調整力に定評のある二階俊博幹事長は慰労会名目で区議との面会計画を立て、仲裁に乗り出した。だが、区議側は小池氏の意向も踏まえ拒否。小池氏は記者団に「さまざまな(国政)課題があるのに区議の面倒までみてもらうのは申し訳ない」と説明した。
一方で、小池氏は下村氏に区議との面会を要請し、30日には二階氏にも電話で「面会拒否」を謝罪した。屈辱的な仕打ちを受け、小池氏に振り回された形の二階氏は怒り心頭で、記者団に「どうぞご随意に…」とさじを投げた。周囲には「当分、相手にしない。放っておく」と漏らす。
「直ちに衆院解散ということは首相の念頭にないだろう」という二階氏だが、党内には小池氏との対立は得策ではないとの見方が強い。下村氏は「都連の(離党勧告処分の)決定は決まっているが、7人の意見も聞いて丁寧に対応していきたい」と語った。二階氏も「当分」としていることから、小池氏本人との全面対決を避けたいのが本音だ。
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