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「密室」の暴行、逃げ場のない洋上に周囲も沈黙 宮崎・実習船2少年逮捕

2015-12-27 09:31:56 | 憎むべきいじめ

「密室」の暴行、逃げ場のない洋上に周囲も沈黙 宮崎・実習船2少年逮捕

西日本新聞 12月27日(日)7時0分配信



 宮崎県立宮崎海洋高校(宮崎市)2年の男子生徒(17)が2カ月近くにわたって元同級生の少年2人=傷害容疑で逮捕、家裁送致=から暴行された事件は、長期海洋実習中の船内で行われていた。全国の水産系高校が取り組む海洋実習。逃げ場のない洋上だけに、生徒たちはいじめを通報することで自らに矛先が向くことを恐れ、学校側の実態把握が難しい側面もあるとみられる。問われているのは、学校と生徒の信頼関係だ。


【関連】海洋実習船内での主な事件事故

 実習は9月初旬~11月中旬に宮崎-ハワイを往復し、2年生34人が参加した。暴行は9月中旬からエスカレートし、帰港直前まで続いた。学校側は、目撃した生徒の報告で10月初めに把握しながら、「(元生徒に)反省が見えた」と誤った判断をし、その後の暴行を防げなかった。
 全国の水産系高校が行う海洋実習ではこれまでも、重大なトラブルや事件が何度も起きている。生徒の暴行や飲酒、男性技士による女子生徒へのセクハラなどで、今年2月には北海道の実習船で男子生徒が行方不明になった。海に転落したとみられている。
 このため各校は、船内へのビデオカメラ設置、デッキに通じる通路へのセンサー配備などの対策に取り組んでいる。宮崎海洋高も寝室の開放や引率教諭の見回り増を実施。生徒との接触機会を増やすよう教諭以外の船員に依頼してきたという。昨年は、いじめの早期発見や対応など学校側の姿勢をまとめた「いじめ防止基本方針」を策定、校内外での浸透を図ってきた。
「密室」の暴行、逃げ場のない洋上に周囲も沈黙 宮崎・実習船2少年逮捕

海洋実習船内での事件事故

 それでも暴行を防げなかった。実習船で実施したアンケートでは、暴行を指摘した生徒は2割もおらず、いじめ問題に詳しい九州大大学院人間環境学研究院の田嶌誠一教授(臨床心理学)は「確実に学校が守ってくれるという安心感を共有して、生徒は初めて本当のことを言える」と強調。「密室」での実態把握には学校と生徒の信頼関係が不可欠と指摘する。
 さらに「基本方針の作成や大人の目を増やすだけでは、閉鎖空間での暴力は防げない」との見方を示し「対処を教師個人に任せず、外部の意見も取り入れ、透明性を保ちながら、どんな暴力も許さないという一貫性を持って指導する仕組みをつくることが重要」と訴える。
 全国水産高校実習船運営協会の沢尻京二理事長は「リスクの大きさ、乗船の心構えなどを粘り強く教育することも大切。現場の環境整備と教育の両面から、生徒の安全を守ってほしい」と話す。

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