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【衝撃事件の核心】元検察官が同僚宅に21回侵入…裁判官もあきれ果てた動機

2018-06-22 13:03:40 | ニュースまとめ・総合
【衝撃事件の核心】元検察官が同僚宅に21回侵入…裁判官もあきれ果てた動機



2018年6月22日 11時2分

産経新聞

 本来であれば犯罪を追及すべき立場の検察官が、刑事被告人として証言台の前に座っていた。

 同僚の女性のかばんから鍵などを盗み自宅に侵入したとして、窃盗と住居侵入の罪に問われた京都地検宮津支部の元副検事の男(44)=懲戒免職=に対する裁判が京都地裁で開かれた。被告が元検察官という前代未聞の公判で注目を集めたのは、地検が逮捕時に明らかにしなかった犯行動機や被害者との関係性。だが、公判でで明らかになった動機は、裁判官や他の同僚の検察官もあきれ果てる内容だった。

約1カ月にわたり侵入

 黒いスーツ姿で法廷に姿を見せた元副検事は、いかにもまじめそうな印象を与えた。だが、初公判の被告人質問で犯行の経緯が語られるにつれ、そのイメージは徐々に崩れた。

 被告人質問で明らかになった犯行の経緯はこうだ。今年1月24日、元副検事は同僚の女性と事件関係者への事情聴取に向かうために電車に乗っていた。だが、大雪のため電車は京都府京丹後市内の駅で停車。足止めされた最中に魔が差した。

 「被害者が席を外して、目の前にかばんが置いてあったから(自宅の)鍵を盗んだ」

 この日のうちに女性宅への侵入が始まった。女性が留守の時間を狙い、約1カ月間で計21回にわたり女性宅に侵入。室内にとどまっていた時間は計約4時間に及び、干してある下着の匂いを嗅いだり、室内を物色したりしていた。

「いろんなものに興味もった」

 元同僚の検察官による被告人質問は追及というより、叱り口調だった。

 「被害者の気持ちを代弁して、いろいろなことを伝えたいと思って検察官の仕事をしていたんじゃないのか」

 「鍵を盗んで家に侵入したときに自分が被害者を生み出すという意識はなかったのか」

 「犯行期間中にも検察官の仕事していたよね。その合間に侵入していたのか」

 矢継ぎ早に続いた質問に対し、元副検事は「被害者を生み出すという思いを忘れていた」とうなだれた。

 追及の手は休まらず、石井寛裁判官も「何がしたかったかいまいちよく分からない。何がしたかったの」と質問。元副検事は少し考え込んだ後に絞り出すようにして、こう答えた。

 「普段どういう生活をしているのか、部屋に入ってどういう物があるのか、何を身につけているのか、何を食べているのか、いろんな興味を持ってしまった」

 この供述には、裁判官もあきれ果てた表情を浮かべた。

防犯カメラで発覚

 公判では女性の所属や元副検事との関係性は明らかにならなかった。

 一方で、事件発覚の経緯は女性が設置した防犯カメラの映像だったことが明らかにされた。自宅の鍵を盗まれたと思った女性は防犯カメラを自宅の出入り口付近に設置していた。防犯カメラは動く物に反応し、携帯に動画が送られてくる仕組みだった。

 あるとき、女性が動画を目にすると、傘を差したり、腕で顔を隠したりして家に侵入する元副検事の姿が映っていたという。

 証拠として提出された女性の供述調書には、嫌悪感や恐怖に満ちた心情が吐露されていた。

 「撮影された動画を見て吐き気がした」

 「また侵入される可能性があると思い、夜も眠れなかった」

 「被告が触った物が気持ち悪くて捨てた」

 これに対し、元副検事は女性に被害弁償をして和解が成立しており、女性の転居費用や新居の家具代、慰謝料などの支払いを済ませたと法廷で証言。「自宅に侵入されたことで不快な思いをしたと思う。そんな家には住み続けたくないので、引っ越しまでさせることになってしまった。大変申し訳ない」と反省の弁を述べた。

 また、弁護士から「おっしゃりたいことを言って」と声をかけられた際には、「検察に対する信用を失墜させてしまい申し訳ない」と淡々とした様子で謝罪した。

執行猶予付き有罪判決

 検察側は論告求刑で「被告は犯罪被害者の声に耳を傾け、公正誠実に自覚と誇りと良識を持って職務にあたるべきでありながら、犯罪行為に次々と及んでおり、社会に与える影響は大きい」と語気を強めて指摘。懲役2年6月を求刑した。

 迎えた判決公判。石井裁判官は判決理由で「被告は被害者のことを知りたいという強い思いから、窃取した鍵を使用して連日のように侵入し、室内に置かれた私物を撮影するなどした」と常習性を非難した。さらに、「検察官という立場であったことを考えると、社会的な非難も大きい」と述べた。

 一方で、「懲戒免職処分を受けるなど社会的制裁を受けていること、妻が被告の更生を支援すること、被告が被害者に与えた恐怖感などにも思いを至らせていることなどの事情もある」とし、情状の余地があると判断。検察側の求刑に対し、懲役2年6月、執行猶予3年を言い渡した。

 元副検事と検察側の双方は控訴せず、判決は確定した。

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