<仙台中1自殺>同校で続くいじめ「息子の死教訓にならず」
河北新報 8月26日(水)8時25分配信
仙台市立中1年の男子生徒=当時(12)=が昨年秋、いじめを苦に自殺した問題で、男子生徒の両親が25日、河北新報社の電話取材に応じた。両親は同日、息子の自殺後も同校でいじめが続いていた事実を知り、「怒り、寂しさ、悔しさで体が震えた。息子の死が教訓になっていない」と無念の思いを吐露した。
両親は河北新報の報道でその後も別の生徒がいじめ被害に遭っていたことを知り「悲劇を繰り返してほしくない」と取材を受けた。
両親は息子の自殺後、「くれぐれもこのようなことがないように」と、いじめ根絶に向けた取り組みを学校に託したという。それにもかかわらず、いじめが繰り返されていた事実にショックを隠しきれず「(学校に)裏切られた思いだ」と語気を強めた。
学校関係者によると、男子生徒の自殺後、複数の男子が別の男子をいじめる行為が目立つようになった。学校はこの夏、加害生徒と被害生徒、双方の保護者を集め、和解の場を設け、いじめを謝罪させたという。
同様の「謝罪の会」は、自殺した男子生徒に対するいじめをめぐっても、学校が昨年5月と7月の2回開催。市いじめ問題専門委員会が市教委に提出した報告書によると、その後、いじめはエスカレートした。
両親はいじめの連鎖を断ち切れない学校に「(息子へのいじめをエスカレートさせた)謝罪の会を開くなど、息子のときと同じ対応で本当にいいのか」と疑問を投げ掛けた。
さらに「息子の死が教訓として生かされず、学校がきちんといじめの事実に向き合っていない。息子のときも、根本的に何もしてもらえなかった」と悔しさをにじませた。
担任だった40代の女性教諭は半年間学校を休んだ後、ことし4月、市内の別の中学校に異動した。両親に対しては昨年10月、1度だけ手紙が届いたが、明確な謝罪の文言がなく校長に返したという。
女性教諭からは、男子生徒の自殺から1年近くたつ今も謝罪はない。両親は「寂しい。反省していないように見える」とやるせない思いを語った。
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