女子大生の「ながらスマホ」が招いた代償
2018年8月12日 11時15分
プレジデントオンライン
■女子大生が事故を起こしたら責任は?
2017年12月に神奈川県で、スマホを見ながら電動自転車を運転していた女子大生(20)が、歩行中の女性(77)に衝突し死亡させる事故が発生しました。18年2月には東京都で、78歳の元東京地検特捜部長が、車を誤発進させて男性(37)を死亡させてしまう事故も起きました。このように家族が事故を起こしてしまった場合、現役世代の夫婦が損害賠償責任を問われることはあるのでしょうか。
老親でも、車の運転をしていれば本人に意思能力があるということになるので、事故を起こした場合は本人が責任を負います。自賠責保険に加え任意の自動車保険に加入していることが大事で、加入していれば相手への補償は保険から出ます。任意保険に入っていない場合は、自賠責保険で足りない部分を親が自分の資産から払うことになります。
損害賠償額は、運転していた人の事情は一切関係なく、被害者が受けた損害の額がいくらか、ということで決まります。死亡事故における損害賠償額は、葬儀費用+逸失利益(生きていれば得られたはずのお金)+慰謝料+弁護士費用の合計になります。逸失利益は、亡くなった方の年収とこれから働けたであろう年数を勘案して計算します。年収600万円の45歳の会社員で、妻と子供1人がいるケースでは、8478万円程度と試算できます。
「何歳以上の子供に責任能力がある」ということは法律では定められていません。判例によると、11~13歳以上なら自分で責任を負い、親には責任は生じません。それより小さくてまだ責任能力がない子供の場合は、子供の監督責任を親がきちんと果たしているかどうかが問われます。
20歳の女子大生の場合は、責任能力があるので、損害賠償責任は本人が負います。本人または家族が個人賠償責任保険に加入していて、要件に合致すれば、保険で相手への補償をすることが可能です。
問題は保険に入っていない場合で、女子大生にはふつう多額の賠償責任補償を支払う財力がありません。しかし、その場合にも親が肩代わりして支払う義務はないので、親が財産を差し出し、支払えない場合は自己破産するというような事態にはなりません。
被害者の側からみれば、保険に加入していなくて財力のない加害者とぶつかって被害を受けた場合は、たとえ裁判で認められても賠償額を受け取れないこともあるのです。こういった事故の被害を受けないように、日頃から曲がり角ではいったん停止をするなど、十分に気をつけて過ごすことも大切です。
2018年8月12日 11時15分
プレジデントオンライン
■女子大生が事故を起こしたら責任は?
2017年12月に神奈川県で、スマホを見ながら電動自転車を運転していた女子大生(20)が、歩行中の女性(77)に衝突し死亡させる事故が発生しました。18年2月には東京都で、78歳の元東京地検特捜部長が、車を誤発進させて男性(37)を死亡させてしまう事故も起きました。このように家族が事故を起こしてしまった場合、現役世代の夫婦が損害賠償責任を問われることはあるのでしょうか。
老親でも、車の運転をしていれば本人に意思能力があるということになるので、事故を起こした場合は本人が責任を負います。自賠責保険に加え任意の自動車保険に加入していることが大事で、加入していれば相手への補償は保険から出ます。任意保険に入っていない場合は、自賠責保険で足りない部分を親が自分の資産から払うことになります。
損害賠償額は、運転していた人の事情は一切関係なく、被害者が受けた損害の額がいくらか、ということで決まります。死亡事故における損害賠償額は、葬儀費用+逸失利益(生きていれば得られたはずのお金)+慰謝料+弁護士費用の合計になります。逸失利益は、亡くなった方の年収とこれから働けたであろう年数を勘案して計算します。年収600万円の45歳の会社員で、妻と子供1人がいるケースでは、8478万円程度と試算できます。
「何歳以上の子供に責任能力がある」ということは法律では定められていません。判例によると、11~13歳以上なら自分で責任を負い、親には責任は生じません。それより小さくてまだ責任能力がない子供の場合は、子供の監督責任を親がきちんと果たしているかどうかが問われます。
20歳の女子大生の場合は、責任能力があるので、損害賠償責任は本人が負います。本人または家族が個人賠償責任保険に加入していて、要件に合致すれば、保険で相手への補償をすることが可能です。
問題は保険に入っていない場合で、女子大生にはふつう多額の賠償責任補償を支払う財力がありません。しかし、その場合にも親が肩代わりして支払う義務はないので、親が財産を差し出し、支払えない場合は自己破産するというような事態にはなりません。
被害者の側からみれば、保険に加入していなくて財力のない加害者とぶつかって被害を受けた場合は、たとえ裁判で認められても賠償額を受け取れないこともあるのです。こういった事故の被害を受けないように、日頃から曲がり角ではいったん停止をするなど、十分に気をつけて過ごすことも大切です。
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