7歳から脱毛、園児にピアス…親により「オトナ化する子供」を導くのは誰か?
2015年1月4日 18時0分
しらべぇ
Photo by Tzuhsun Hsu
髪を染めたり、パーマをかけたりしている子供を見ることが多くなった。小学校低学年の女の子向けファッション雑誌を開いてみると、ネイルやメイクのハウツーが紹介され、まるで大人のように着飾った少女モデルたちがこちらに笑顔を向けている。
かつては大人のものとされていたファッションや文化が、子供にも流れ込んでいる。【子供のオトナ化】が進んでいるのだ。
●オトナ化する子供たちの実態
・7歳から脱毛する少女
「7歳から脱毛をする子供が一定数いる」という事実を、ある脱毛サロンのスタッフから聞いて驚いた。子供自身が、「毛深いのがイヤ。プールで男子に見られるのがイヤ」と言って脱毛をしたがる場合もあるが、多くの場合は“母親がやらせている”と言うのだ。
脱毛は何度も繰り返し施術をする必要があるため、1年やそこらでは終わらない。母親自身が何年もかけて脱毛している経験があり、「早いうちからやっておいたほうが楽」という考えで子供に脱毛させるらしい。
・金髪、編み込み、ツーブロックの幼稚園児
「金髪やメッシュに編み込み、ツーブロック…大人でもやらないレベルの個性的な髪型にする幼稚園児は実際います。年間1人や2人ではなく、もっといますね」。都内の美容室で働くスタッフはそう語った。
幼稚園児の髪型を決めるのは、もちろん親だ。上記のようなケースでは、ほとんどの場合、母親がテレビで人気のダンサー系アイドルグループのファンで、子供にも同じような“かっこいい髪型”をさせたがるのだという。
・ピアスの穴が4つあいた幼稚園児
知人の子供を抱きかかえてみて、驚いた。耳にピアスの穴が4つもあいていたからだ。どうしたのかと訪ねると「いずれあけるんだから、早いうちからピアスをつけられたほうがかわいいでしょ」という答えが返ってきた。脱色した髪にゆるふわパーマ、ミニスカートにニーハイソックスを履き、ヒールのついた靴を身につけたその女の子は、まるで大人のミニチュアのようだった。
●子供をオトナ化させる親
子供をオトナ化させているのは、明らかに親だ。親がかっこいいと思ったもの、かわいいと思ったものに合わせ、(言葉を選ばずに言うならば)子供たちは親によって作り変えられていく。そして、親がその価値観を持って毎日子供に接しているので、子供も同じような価値観を持つ。
●オトナ化する子供は幸せか?
実際にオトナ化している子供の周りの人たちに話を聞いてみた。
同年代の子供たちからは、「あの子はふつうと違うとみんな思っている。クラスのなかでも浮いている感じ」「本人は自分のことをかっこいい(かわいい)と思っているけど、変だと思う」という意見がはっきりと多く聞かれた。
また親たちからも、「やっぱりそういう目立った子の親は、親も変わっている。子供同士が関わって何かトラブルになるとややこしいので、子供には(そういう目立った子とは)あまり遊ばないように言っている」という正直な意見が多かった。
“ふつうと違う”ということは、子供同士のコミュニティでは排除の対象になりやすい。
さらに言えば、オトナ化する子供は、性的なオーラを早くからまとうことになる。ミニスカートから出た足を、一部の愛好者から性的な目で見られないと言い切ることはできない。少女を狙った性犯罪がニュースに取り上げられる数は、年間1件や2件ではない。“オトナ化する”ということは、そういったリスクも同時に負うということとも言える。
●オトナ化する子供の脱出口は何か?
彼らが通常の感覚を持ち、周囲となじんでいくためには何が必要だろうか? それは、親以外の(一般的な感覚を持った)人々とのコミュニケーションではないだろうか。「親以外の感覚を知り、自分で自分がどうあるか選択できるようになる」。これが、彼らの脱出口に思えてならない。
しかし、前述したように、周囲の人々はオトナ化する子供から距離をとっているのが現状。ひょっとしたら、彼らを奇異の目で見ている私たちこそが、行動を起こすべき当事者なのかもしれない。
2015年1月4日 18時0分
しらべぇ
Photo by Tzuhsun Hsu
髪を染めたり、パーマをかけたりしている子供を見ることが多くなった。小学校低学年の女の子向けファッション雑誌を開いてみると、ネイルやメイクのハウツーが紹介され、まるで大人のように着飾った少女モデルたちがこちらに笑顔を向けている。
かつては大人のものとされていたファッションや文化が、子供にも流れ込んでいる。【子供のオトナ化】が進んでいるのだ。
●オトナ化する子供たちの実態
・7歳から脱毛する少女
「7歳から脱毛をする子供が一定数いる」という事実を、ある脱毛サロンのスタッフから聞いて驚いた。子供自身が、「毛深いのがイヤ。プールで男子に見られるのがイヤ」と言って脱毛をしたがる場合もあるが、多くの場合は“母親がやらせている”と言うのだ。
脱毛は何度も繰り返し施術をする必要があるため、1年やそこらでは終わらない。母親自身が何年もかけて脱毛している経験があり、「早いうちからやっておいたほうが楽」という考えで子供に脱毛させるらしい。
・金髪、編み込み、ツーブロックの幼稚園児
「金髪やメッシュに編み込み、ツーブロック…大人でもやらないレベルの個性的な髪型にする幼稚園児は実際います。年間1人や2人ではなく、もっといますね」。都内の美容室で働くスタッフはそう語った。
幼稚園児の髪型を決めるのは、もちろん親だ。上記のようなケースでは、ほとんどの場合、母親がテレビで人気のダンサー系アイドルグループのファンで、子供にも同じような“かっこいい髪型”をさせたがるのだという。
・ピアスの穴が4つあいた幼稚園児
知人の子供を抱きかかえてみて、驚いた。耳にピアスの穴が4つもあいていたからだ。どうしたのかと訪ねると「いずれあけるんだから、早いうちからピアスをつけられたほうがかわいいでしょ」という答えが返ってきた。脱色した髪にゆるふわパーマ、ミニスカートにニーハイソックスを履き、ヒールのついた靴を身につけたその女の子は、まるで大人のミニチュアのようだった。
●子供をオトナ化させる親
子供をオトナ化させているのは、明らかに親だ。親がかっこいいと思ったもの、かわいいと思ったものに合わせ、(言葉を選ばずに言うならば)子供たちは親によって作り変えられていく。そして、親がその価値観を持って毎日子供に接しているので、子供も同じような価値観を持つ。
●オトナ化する子供は幸せか?
実際にオトナ化している子供の周りの人たちに話を聞いてみた。
同年代の子供たちからは、「あの子はふつうと違うとみんな思っている。クラスのなかでも浮いている感じ」「本人は自分のことをかっこいい(かわいい)と思っているけど、変だと思う」という意見がはっきりと多く聞かれた。
また親たちからも、「やっぱりそういう目立った子の親は、親も変わっている。子供同士が関わって何かトラブルになるとややこしいので、子供には(そういう目立った子とは)あまり遊ばないように言っている」という正直な意見が多かった。
“ふつうと違う”ということは、子供同士のコミュニティでは排除の対象になりやすい。
さらに言えば、オトナ化する子供は、性的なオーラを早くからまとうことになる。ミニスカートから出た足を、一部の愛好者から性的な目で見られないと言い切ることはできない。少女を狙った性犯罪がニュースに取り上げられる数は、年間1件や2件ではない。“オトナ化する”ということは、そういったリスクも同時に負うということとも言える。
●オトナ化する子供の脱出口は何か?
彼らが通常の感覚を持ち、周囲となじんでいくためには何が必要だろうか? それは、親以外の(一般的な感覚を持った)人々とのコミュニケーションではないだろうか。「親以外の感覚を知り、自分で自分がどうあるか選択できるようになる」。これが、彼らの脱出口に思えてならない。
しかし、前述したように、周囲の人々はオトナ化する子供から距離をとっているのが現状。ひょっとしたら、彼らを奇異の目で見ている私たちこそが、行動を起こすべき当事者なのかもしれない。
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