菅直人元首相が蓮舫代表に近づく理由 次期選挙に出る気満々?
2016年10月15日 5時56分
デイリー新潮
中国の兵法書「孫子」に「兵は詭道なり」という言葉がある。戦は騙し合い、政治の世界なら尚のことだが、欺くにはそれだけの理由もある。代表選で他陣営を支援しながら、蓮舫代表に近づいたのは菅直人元総理(69)。そこにはある事情があって……。
***
「納得できない判決だ」
9月29日、菅元総理は安倍総理を相手に起こした “メルマガ裁判”の高裁判決に敗れ、こう語った。福島第一原発への海水注入について批判され、名誉毀損で訴えていたのである。政治部記者の話。
「今、菅さんの頭の中は総理時代に受けた批判を覆すので、いっぱいなんですよ。原子力問題調査特別委員会に所属していますし、会合では“私もそろそろ名誉回復を”と話していますからねえ。だから、この裁判でもすぐに上告を表明しました。最近も、川内原発前でシュプレヒコールをあげたり、台湾の原発事情を視察したり、と熱心に活動中です」
まだ現役バリバリです
先の代表選で、菅氏は玉木雄一郎衆院議員の推薦人となっている。
「いやいや、あの時は本当に助かりましたよ」
と玉木陣営の民進党議員。
「20人集まるかギリギリのところで、最後に名前を連ねてもらいました。“足りなければ推薦人になる”という約束だったのです。選対には息子の源太郎さんが出入りしていて、地方議員に電話するなど、テコ入れを熱心にやってくれました」
言わば、若手を助ける重鎮議員という役回りを演じていたわけだ。だが、コトはそう単純ではなかった。党関係者が言う。
「実は、菅さんは代表選の最中、蓮舫さんに近い手塚仁雄元衆院議員や野田佳彦さんに“本当は蓮舫さんでいいんだけど、頼まれたので玉木陣営に名前を貸すからね”と話していたのです」
■先手を打った
さらに代表選後も、
「蓮舫代表に決まったと見るや、すかさず“蓮舫さんを支えていきます”と電話していました。今でも頻繁に連絡をとっているみたいですよ。菅政権で、蓮舫さんも野田さんも大臣に抜擢していましたから、関係は悪くないんです。だけど、節操がなさすぎます」(同)
功を奏したのか、9月の人事で菅氏は最高顧問に就任。
「3年前の参院選東京選挙区で菅さんは非公認の議員を支援したため、最高顧問を外されていました。返り咲いたことについて周囲に、“戻れてよかったよ”と話しています」(先の記者)
この背景には、菅氏の危機感があるのだという。
「本人は今も、戸別訪問を1日に100軒もこなすなど、次期選挙には出る気満々です。しかし、今年70歳で、そろそろ引退を迫られてもいい年齢。さらに蓮舫代表の衆院への鞍替え先の一つに菅さんの東京18区が取沙汰されています。代表から“引退勧告”でもされれば、元も子もない。今のうちに先手を打ったということでしょう」(同)
菅元総理に尋ねると、
「だから何ですか。そんな事実はありません」
と言うが、政治評論家の浅川博忠氏は手厳しい。
「最高顧問という職に菅さんがこだわっているのは名誉回復を望んでのこと。しかし、選挙区では2期続けて比例復活当選なのですから、後進のために譲るべきではないでしょうか」
“名誉”ある撤退とはいかないようだ。
2016年10月15日 5時56分
デイリー新潮
中国の兵法書「孫子」に「兵は詭道なり」という言葉がある。戦は騙し合い、政治の世界なら尚のことだが、欺くにはそれだけの理由もある。代表選で他陣営を支援しながら、蓮舫代表に近づいたのは菅直人元総理(69)。そこにはある事情があって……。
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「納得できない判決だ」
9月29日、菅元総理は安倍総理を相手に起こした “メルマガ裁判”の高裁判決に敗れ、こう語った。福島第一原発への海水注入について批判され、名誉毀損で訴えていたのである。政治部記者の話。
「今、菅さんの頭の中は総理時代に受けた批判を覆すので、いっぱいなんですよ。原子力問題調査特別委員会に所属していますし、会合では“私もそろそろ名誉回復を”と話していますからねえ。だから、この裁判でもすぐに上告を表明しました。最近も、川内原発前でシュプレヒコールをあげたり、台湾の原発事情を視察したり、と熱心に活動中です」
まだ現役バリバリです
先の代表選で、菅氏は玉木雄一郎衆院議員の推薦人となっている。
「いやいや、あの時は本当に助かりましたよ」
と玉木陣営の民進党議員。
「20人集まるかギリギリのところで、最後に名前を連ねてもらいました。“足りなければ推薦人になる”という約束だったのです。選対には息子の源太郎さんが出入りしていて、地方議員に電話するなど、テコ入れを熱心にやってくれました」
言わば、若手を助ける重鎮議員という役回りを演じていたわけだ。だが、コトはそう単純ではなかった。党関係者が言う。
「実は、菅さんは代表選の最中、蓮舫さんに近い手塚仁雄元衆院議員や野田佳彦さんに“本当は蓮舫さんでいいんだけど、頼まれたので玉木陣営に名前を貸すからね”と話していたのです」
■先手を打った
さらに代表選後も、
「蓮舫代表に決まったと見るや、すかさず“蓮舫さんを支えていきます”と電話していました。今でも頻繁に連絡をとっているみたいですよ。菅政権で、蓮舫さんも野田さんも大臣に抜擢していましたから、関係は悪くないんです。だけど、節操がなさすぎます」(同)
功を奏したのか、9月の人事で菅氏は最高顧問に就任。
「3年前の参院選東京選挙区で菅さんは非公認の議員を支援したため、最高顧問を外されていました。返り咲いたことについて周囲に、“戻れてよかったよ”と話しています」(先の記者)
この背景には、菅氏の危機感があるのだという。
「本人は今も、戸別訪問を1日に100軒もこなすなど、次期選挙には出る気満々です。しかし、今年70歳で、そろそろ引退を迫られてもいい年齢。さらに蓮舫代表の衆院への鞍替え先の一つに菅さんの東京18区が取沙汰されています。代表から“引退勧告”でもされれば、元も子もない。今のうちに先手を打ったということでしょう」(同)
菅元総理に尋ねると、
「だから何ですか。そんな事実はありません」
と言うが、政治評論家の浅川博忠氏は手厳しい。
「最高顧問という職に菅さんがこだわっているのは名誉回復を望んでのこと。しかし、選挙区では2期続けて比例復活当選なのですから、後進のために譲るべきではないでしょうか」
“名誉”ある撤退とはいかないようだ。
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