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南米チリにあるアルマ電波望遠鏡によって、へびつかい座の方向約400光年の距離にある宇宙の塵の中に

2017-06-12 16:01:34 | ニュースまとめ・総合
400光年の彼方で「生命の元」が見つかる



2017年6月12日 8時31分

財経新聞


 南米チリにあるアルマ電波望遠鏡によって、へびつかい座の方向約400光年の距離にある宇宙の塵の中に、有機化合物「イソシアン酸メチル(C2H3NCO)」が発見されたことを国際研究チームが明らかにした。この分子は、「生命の基本構成要素である、タンパク質の形成において、極めて重要な役割を果たす」ものであるという。

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 イソシアン酸メチルが発見された領域には、3つの若い恒星がある。その恒星を取り巻く密集した星間塵とガスの中から、2つの研究チームがそれぞれにイソシアン酸メチルの科学的特徴を同定したのだ。

 3つの若い恒星は、原初の太陽に似たところもあり、今回の発見は、数十億年前の地球においてどのように生命が発生したかについて、何らかの示唆をもたらす可能性もある。

 そもそも地球生命はどこで発生したか。海で生まれた、というのが一応の定説ではある。だが、異説も残っていないわけではない。地球外の宇宙で発生したものが地球上に飛来した、という考え方もその一つだ。

 我々が知るような生命体の多くは宇宙空間で生存することはできないが、生命の前駆となり得る物質のいくつかは、宇宙にも散らばっていることがいくつかの研究から明らかになっている。

 たとえば、グリコールアルデヒドという化合物を含む糖類が宇宙空間で検出されたこととがあるが、これはDNAの構造形成に関与する化合物の一つである。

 ところで、今回発見されたイソシアン酸メチルであるが、「生命の元」といっても、ヒトを含む多くの生命にとっては危険な存在でもある。端的に言うと、猛毒なのだ。

 1984年のことになるが、インドで大災害があったとき、殺虫剤の工場から漏れ出したこのイソシアン酸メチルが、3,700人以上の人命を犠牲にしたことがあるという。そのような事情があって、実験室で研究の対象するのも困難がつきまとうのである。

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