<台風10号>宮城の全公立学校休校 大雨や河川氾濫警戒
毎日新聞 8月30日(火)11時24分配信
台風10号が接近する東北地方は30日、風雨が徐々に強まる中、交通機関の一部がストップするなど生活に影響が出始めた。記録的な大雨の恐れもあり、各自治体は土砂災害や河川の氾濫などへの警戒を引き続き呼びかけ、住民は不安を抱えながら台風直撃に備えた。
宮城県内では30日午前10時ごろから、JR東北線など在来線の一部が運転見合わせとなった。県内の全公立学校が休校となり、JR仙台駅は利用者が少なくなったものの、心配そうに電光掲示板を見つめたり、係員に運行情報を聞いたりする人の姿が見られた。
高校1年の長男(15)と横浜市から旅行に訪れた主婦の福野由美子さん(46)は、この日午後に予定していた観光をあきらめるという。福野さんは「夏休み最後の旅行だったので残念。新幹線が動かなくなる前に早めに帰れればいいが」と話した。青森県八戸市から出張してきた会社員の山形広平さん(36)は「午前中、仙台市内であった展示会は中止になり、午後に予定していた商談もどうなるか分からない。困りました」とため息をついた。
台風の進路になると予想される岩手県は、沿岸部の釜石市で全域の1万6932世帯、3万5516人に避難準備情報が出された。氾濫の恐れがある河川流域の小中学校体育館など11カ所に避難所を開設、午前9時半現在、17人が避難した。
同市では2002年7月の台風で土石流が発生し、家屋9棟が全半壊して2人が死亡。ハザードマップなどを用意し、自主防災組織を中心に避難計画を作成してきた。
一方、今月17日の台風7号で仮設住宅に床下浸水などの被害が出た大槌町でも町内全域の5443世帯、1万2317人に避難準備情報を出し、3カ所に避難所を設置した。仮設住宅や河川周辺では、ポンプの準備や土のうを積むなどの対策に追われた。