創造的深化

より納得のできる未来を、考えてみるには・・・

今、求められるマクロ的視野

2015-12-12 10:12:35 | 経済
資本主義の破綻と日本崩壊の危機
 「交易条件」の世界的な悪化を、アメリカはGDPの4割を占める軍事産業分野で打開するためにベトナム戦争は大きなメリットがありました。それを終結させようとしてケネディ大統領が暗殺された原因もそこにあったと推測できます。また、平和が持続するとアメリカの軍事産業は行き詰る。そのために政財官ぐるみで9.11を演出して、中東戦争を再び生み出すような恐ろしい企ても実行していると考えていいと思います。企業が存続するためには、彼らはどんなことでも躊躇することなくやります。
 新自由主義といううたい文句は、こうした近代資本主義が世界的に限界にきたために、社会保障を切り捨てでも企業を温存し、国民の命を犠牲にしてでも戦争を正当化し、また、国民の内の9割が飢えて苦しむような犠牲が出ても、企業優先の論理を市場で実行しようというのが、資本主義の限界点に来た最後のあがきということになります。
 現在の近代国家は、第二次産業を背景としてた擬制的な民主主義政治形態を取っています。産業構造が変化し、もはや第三次産業主体の消費資本主義へとシフトしていることは、経済学者のドラッカーも指摘しています。農業の衰退と同様に、次の衰退は第二次産業である製造業や重工業の分野です。それが、とうとう露骨な現実となって、現在の聖化の資本主義の限界を招いているのです。では次の時代をどう切り開くかという深い課題に、私たちは今直面しています。

日本資本主義政府 破綻の道筋

2015-12-11 18:33:48 | 経済
日本資本主義政治の破綻 その3
 借り入れコスト(社債利回り、借入金利)とREO(株主資本利益率)の加重平均をROA(使用総資本利益率)として、資本利潤率は把握される。総資本に占める割合は負債の方が大きいので、結局ROAは国債利回りに連動することになる。
 10年国債の利子率が2%を下回るということは、資本家が資本の投資をして工場やオフィスビルを建てたとしても、資本家や投資家は満足できるリターンが得られなくなることを意味している。
 2013年の日本の10年国債利回りは、0.6~0.8だったので、空に資本利潤率は下がり、信用リスクが顕在化したときにはマイナスになる。つまり資本利潤率が著しく低い状態が長期化すると、企業は設備投資ができなくなり設備過剰か、内部留保が膨れ上がり使い道を失う危険水域となる。それが現在の日本の大手業の現状だ。そこで人件費を削減するか、政治力を利用して戦争することで軍事産業の道を切り開いたりあるいは新手の公共投資産業を開拓するためにマイナンバー制度を作りあげる。あるいはオリンピックで建築工事費を受注し、企業の法人税負担を減額することで経営破綻を食い止めようとしている。海外に巨額のバラマキをして、国内企業の海外インフラなどの収益を循環させる苦肉の策も、その一環である。

利子革命の意味

2015-12-08 16:34:13 | 経済
 国債利回りを世界的に見ても、ゼロ金利ともいえます。日本の国債も400年ぶりにジェノバの記録(16世紀初頭のイタリアジェノバの記録が11年続いた)を更新し、2.0%以下という最低金利は20年近く続いています。つまり、経済史上初めての異常な状態に突入しています。
 この利子率低下が、なぜ重要な大問題なのでしょう。それは利子率は、利潤すなわち資本利潤率とほぼ同じだからです。資本主義とは、資本を投下して利潤を得て自己資本を増加させていくものです。つまり利潤率が低いということは、資本主義経済が、すでに機能していないことを示しています。投資が市場に行きわたってしまい、新たな投資ができないために、利益が出ても内部留保のまま持ち続けるしかなくなります。現代と同じ状況が、16世紀と同様に起きていることになります。利子率が2.0%以下になれば、資本側が得るものは、ほぼゼロです。こうした低金利が10年以上も持続しては、既存の経済は、もはや維持できなくなります。このことを「利子率革命」などという不似合いな用語で形容しています。
 つまり、利子率革命とは、利潤を得られる投資先かもはやなくなってしまったことを意味します。日本資本主義政府は破綻するしかありません。それを食い止めようと、国民の年金を全額株に投資したり、軍事産業を生み出して、アメリカ同様に戦争国家にするしかないと考えているのが、安倍政権の役割なのです。

破綻へ突入している日本資本主義政府の構造 2

2015-12-07 15:19:42 | 経済
破綻している日本資本主義政府の構造 2
 「成長がすべてのけがや痛みを癒す」と過去の妄想に無策のまま溺れている日本資本主義政府は、まさに近代(過去という意味)資本主義経済の価値観に日木津られているからです。実体は、成長に期待をかければかけるほど、つまり資本が前進しようと図るほどに雇用を犠牲にしてしまうという構造が見えてはいないからです。グローバリゼーションがもたらす資源価格の高騰は、先進国の実物経済から高い利益を生み出すことはもはやできません。その現実から目をそらして、なお過去の成長戦力の方法論を振りかざしたとしても、そのまま進んでしまうと、日本の中間層すらもすべてが没落してしまいます。利子率の低下こそが、従来の資本主義経済の破綻の前兆だということが読み取れないなぎり、成長を求めるほどに危機を生み出してしまうのです。    つづく

資本主義の限界 ①

2015-11-26 16:31:10 | 経済
資本主義の限界 ①
 今や、日本はまさに資本主義の限界にきている。まさか、と思われるかもしれない。しかし、資本主義の限界点は拡大再生産がストップし、利益を生み出す市場が限界を迎え、資本の実物投資や新規設備投資が不可能になる事態を指している。つまり、内部留保を吐き出す投資先を失ったその時点で、資本主義は下降し終焉に向かっていることになる。
しかし、当の資本主義を支えてきている経団連に名を連ねる企業は、その自覚などない。政治資金供与でつながる政権政治政党と癒着し、露骨に政治権力を利用し、自己の延命のための実現を図ろうとやっきになる。政治的反動化もその一環として現れるし、公的資金を食い物として企業投資先を見出すために海外インフラ等の獲得から、国内需要の拡大のためには今まで禁じ手であった軍事産業の参入、拡大や空母、駆逐艦などの造船、戦闘機やミサイルといった陸海空軍の兵器産業へも、見境なく手を出すしかなくなる。それには日本の場合は、憲法第9条が阻害要因となる。そこで解釈改憲や憲法改正により、国民を犠牲にして活路を見出していく。その企業圧力が社会保障財源等の削減であり、原発再稼働やオリンピックの競技場建設や新種の公共事業として国民のプライバシーを侵害してでも実現するマイナンバー制度でもある。