JR東海
N700系の運転技術を習得
JR東海は18日、東京第一運輸所で、今年7月1日のダイヤ改正からデビューするN700系に対応した、乗務員教育訓練装置を報道陣に公開した。忠実に再現した運転台で、コンピューターグラフィックス(CG)や実際の映像画面を見ながら東海道新幹線の運転をリアルに訓練できる。同運輸所では既に今月初めから活用している。
駅停車時のブレーキ操作など
乗務員教育訓練装置を報道公開
営業運転開始前の導入は初
同社では、新しい新幹線車両が営業運転を開始する前に、こうした教育訓練装置を取り入れるのは初めてという。営業前に運転技能を習熟し、万全の体制を整える狙いがある。
300系、700系に対応した従来の訓練装置は、運転台だけを模擬しているのに対し、新しい装置は「臨場感は訓練に不可欠」と、実車と同じ材料を使って車体部分も製作された。
訓練できるのは従来同様、車両故障が発生した場合の応急処置に加え、車両所への入出庫時の運転取り扱いや、駅停車時のブレーキ操作が新たに行えるようになった。応急処置は、N700系で初めて採用された車体傾斜装置に伴う処置のような、N700系特有の4項目を含めた65項目を確認でき、入出庫時の運転では東京、三島、名古屋、大阪の各車両所ごとに実際の現場を反映した画面を見て訓練できる。
また、ブレーキ操作は経験年数によって技術が向上するとともに、東海道新幹線では駅にホーム柵を設置したことで、より精度の高さを求められるが、実車に近い状態で訓練できる環境が整ったことで、新人運転士のミス防止にもつながるとしている。
同日は岐阜羽島から名古屋までの運転と、名古屋駅に停車する際のブレーキ操作や、新横浜-名古屋間で電気系統が故障したとの想定で、運転台での復旧作業などが公開された。毎月の決まった訓練や新人養成のほか、各個人が弱い分野を習熟するためなど臨機応変に利用していく。
東海道新幹線の乗務員は約1400人。このうち車掌を除いた運転士約600人が主に使用するが、応急処置は車掌も対象となる。東京の新幹線乗務員所に続いて、来年3月までには名古屋、大阪の乗務員所と三島社員研修センターにも順次設置する。工事費は計約10億円。
最新鋭の訓練装置で訓練してもらわないと、やっぱり乗客としては不安があるわけなのよね。1台10億円は高いけど、決して高い投資でないと思うわ。沢山の乗客の安全を守って早く目的地に到着すると言う、矛盾した内容のことをやらなければいけないのだから、これは公開することによって、お客さんへの安心料の提供だと思います。