なごらいの活動レポート

なごや外来種を考える会
・・・略して「なごらい」です。
http://nagorai.org/

「食べて減らそう外来種」

2022-07-19 | 日記

 ‘21年7月16日(土)10時~12時  生涯学習センター料理室

 

外来種を食べる会はコロナまん延のせいで2年間休止しましたが、今年はかろうじて開催できました。参加人数16人とスタッフ4人となごや環境大学事務局の田尻さんも手伝いに来てくれました。

イベントの意義は、地域の生態系に迷惑な外来種と言えども、大切な命です。ごめんねという気持ちで食べて上げて、その結果迷惑な生物が減れれば良いことだよね・・・という感じです。

 

お客さんに出す料理は6種類ですが、できるものは前日までに用意してくるので、当日の料理するのは「ザリマヨ」と「雷魚のパン粉焼き」ぐらいです。

 

10時から野中の挨拶、田尻さんからなごや環境大学の説明でスタート。高木さんから猪高緑地、宇野さんから本日の外来種メニューについて少しお話を聞いたら料理タイムです。

 

ブラックバスの煮つけとブルーギルの柔らか煮は再加熱のみ。野中は参加者に見学してもらいながらザリマヨに取り掛かります。

遠藤さんと田尻さんは雷魚のパン粉焼きをオーブンから取り出して配膳。

宇野さんは西洋タンポポジャムをクラッカーに塗り、孟宗竹の味噌煮とともに仕切り皿に盛り付けます。

高木さんはブラックバスの再加熱した煮つけを仕切り皿に盛り付け、そのあと野中がザリマヨを盛り付け、ブルーギルの柔らか煮はテーブルに配って歩きます。

参加者の皆さんは外来種の食材に尻込みしながらも、食べていただきました。
途中でもっと食べたいという人にはお代わりもしてもらいました。

 

感想を聞くと、まずザリガニの剥き身の小ささに驚き、味がエビそのものであることに不思議がっていました。ザリマヨは市販のマヨソースを使いクレソンと和えたのですが、味が良い(笑)と好評でした。

 

雷魚のパン粉焼きは雷魚の香ばしいおいしさを味わいながら、パン粉を使った調理法が良く合うとのご意見。田尻さんがやってくれたマヨネーズの味加減も良かったそうですよ。

ブラックバスの煮つけは、これも市販の煮魚タレで煮ただけですが、皆さん最高においしかったとの感想。タラやタイに似た味との声もありました。脂ののった素材がおいしいのでしょう。

ブルーギルは圧力鍋で煮た後に火を通しすぎて焦がしてしまったのですが、骨ごと噛み締めると柔らかいし、意外と良い味が口に広がります。

タンポポジャムは酸味のあるはちみつ風味で人気があり、自分で作ってみたいという人もいました
孟宗竹は柔らかくて味噌煮の味があっていたとのご意見あり。

これだけ評判が良かったので開催して良かったです。本当は外来種を食べる会は計画段階から想定外のことが多く、本番まで持っていけるか、不安の連続なのですが、できたらまた企画しようかな。なごや環境大学の伊藤さん、田尻さんも、お手伝いしていただきありがとうございました。なごらいスタッフの皆さんも本当にお疲れさまでした


「外来種を捕る活動」

2022-07-19 | 日記

 ‘21年7月9日(土)16時30分と10日12時  猪高緑地・生涯学習センター

 

もうすぐ開催する「食べて減らそう外来種」イベントのために食材になる外来種を捕らなくてはなりません。今回はスタッフだけでの活動です。

 

 池にブルーギルがいることは分かっているので、専用のワナを4個注文して仕掛けました。「ブルーギル用遮光型カゴ網」と言います。直径80cmのモンゴルのパオテントのような形で天井に遮光物で覆ったものです。1週間放置して引き上げてみると、ブルーギルは6匹だけしか取れませんが、雷魚が捕れました。なんと65㎝もあります。
雷魚はおいしいらしいので家に持ち帰ってさばきます。妻にも手伝ってもらって、悪戦苦闘の末、きれいな桜色の柵が4枚取れて冷凍保存できました。ギルも頭と内臓を取って冷凍です。

 

翌10日にはなごや環境大学の伊藤さんにも参加してもらって、アメリカザリガニを狙った「穴子かご」を30個引き上げました。罠を引き上げては池に浮かべた衣装ケースに獲物を入れていきます。ザリガニは200匹ほど取れました。他にもウシガエルが2匹とナマズもかかりました。特定外来生物のウシガエルは冷凍庫で処分、在来種のナマズはその場で池に放してやります。

 

 

そしてザリガニは生きの良いうちに生涯学習センターの料理室に持ち込んで、殻を剥いて剥き身にします。

 

この剥きかたにはコツがあって、残酷ですが、臭い背ワタを取り除くためにいきなり頭と尻尾をねじり取ります。加熱前に尾をねじり取ると背ワタをきれいに取れるのでおいしく食べてあげられるのですね。
事務局の伊藤さんにも手伝ってもらいましたが、女性なのに嫌がらずきれいに剥いてくれました。ザリガニのハサミに指を挟まれながらも楽しんで作業してくれました。



小さいザリガニは剥くのも困難なので、頭だけ取って「ナムアミダブツ」です。本来が駆除目的なので死んでもらうことはしょうがないですね。大きいザリガニでも食べられる部分の剥き身は小指の先ほどです。それが150個ぐらい。家の冷凍庫で1週間保存します。

このほかにも琵琶湖漁協から買ってクール便で来たブラックバスの切り身も冷凍保存して食べる会に備えます。どんなメニューを作ろうかな?


「トウネズミモチ駆除 番線法」

2022-01-17 | 日記

 ‘22年1月9日14:00~16:00

「なごらい」では以前から外来樹木を駆除する簡単で安価な方法を実験してきました。
太いものには切り倒した断面に塩を盛る「盛り塩法」。
細いものには断面にガムテープをラッパ状に巻いて塩を入れ込む「テープ筒塩法」や
表皮を削り取って食塩水を浸した脱脂綿を巻きつける「塩綿巻き法」などが効果がありました。

今回は塩を使わず針金や番線で締め付けて師管をつぶし枯らす方法を試してみます。
食塩を使わないということは、これでうまく行けば、周辺の土壌・植物や動物に対してさらに影響を与えずに駆除できることになります。

用意するのは「鉄なまし番線」と「カッター」と「シノ」です。

ホームセンターに番線は10番一種類しか売っていなかったのでこれを購入。
番線の締め付けにもコツがいるのでYOUTUBEなどで事前学習し、練習していきます。
明徳公園に行って直径3cmぐらいのやや細めのトウネズミモチに対して番線法を施します。
細めの樹木なら立ち枯れさせて倒木しても人にケガをさせる恐れがないです。
最近の実験で手ごろなトウネズミモチはほとんど駆除してしまったので4本だけやってみます。

1本目は直径5cm以上のものだったのでノコギリで切り倒してから締め付けましたが、次の3本は細めのものなので切り倒さず、そのまま番線締めを施しました。



やってみてわかったのは10番の番線では太すぎて、シノに巻きつけるのに力が要ることでした。
思ったような形に巻きつけないと、ダンゴ状になったりねじ切れやすいので、もう少し細いものの方が良さそうですね。



それでも何回かやり直しながら、きつくきつく巻き締めました。見た目でも表皮に深く食い込んでいるのが分かります。

この状態でとりあえず3か月様子を見てみます。
うまく行かなければ、次の一手は表皮を削り取ってから番線巻きをやってみましょう。
表皮向きの手間はかかるけど、その方が維管束形成層ごとつぶしやすいかもしれません。


「猪高緑地オオキンケイギク」

2021-10-21 | 日記

‘21年10月16日13:30~15:30 猪高緑地南部

8月の講座に続いて、オオキンケイギクを抜き取る活動を、10月16日に猪高緑地の南部で行いました。なごらいメンバー以外に地元に住む一般の女性が2名参加してくれました。

「オオキンケイギク」とは多年草のキク科の植物で、戦後市内の緑化工事などにたくさん輸入されたアメリカ産の外来種です。黄色いコスモスのような花を咲かせ、安価で丈夫なので、日本全国で植えられましたが、繁殖力が強すぎることが分かり、2005年に特定外来生物に指定されました。それ以後は輸入も種まきもされなくなりましたが、一度植えたものは種を散布しながら永続的に増え続けます。猪高緑地にもオオキンケイギクが確認されたので、今回の駆除活動を行いました。秋以降、花が咲いていない場合の見分け方は、楕円形の葉の真ん中に1本直線の葉脈が目立つことです。

オオキンケイギクの駆除は、刈り取り方式では根が残り100%再生してしまうので、根ごと抜き取らなければなりません。それには「根堀りガマ」を使うと良いです。これは根っこを引っ掛けるギザギザが付いていますが、刃はついていないため根を切らずに引き抜きやすいです。土が固い時は両手に1本ずつ持って2刀流で根株ごと掘り起こすのも良いです。

現地は猪高緑地の南部の草むらですが、夏に行政が草刈りをした後、草が伸び始めています。50m×5mぐらいの範囲に10cmぐらいの高さのオオキンケイギクの葉が無数に生えていました。4人で2時間弱がんばって抜きました。細かいものもあるので全部は駆除できませんが、目立つ株はほとんど抜くことができました。一つ一つの株が小さいため、まとめるとゴミ袋一つにまとまりましたが、本数的には大量です。みなさん、ご協力ありがとうございました。 

 

 


「外来種を食べて減らす講座」

2021-08-26 | 日記

 ‘21年8月21日13:30~15:00 ウィルあいち

夏のイベントとしては、参加者が外来種を捕って調理して食べる企画が人気があるのですが、コロナ禍の波が収まらないので、今年は他団体が行っている外来種を食べて減らす活動を講演で紹介させてもらいました。

豊田市旭地区で活動している「竹々木々工房」さんのモウソウチクによるメンマ作りです。

 

第1部として当会の宇野顧問より外来種全般の話題からスタート。移入してきた時代によってモンシロチョウも外来種に含まれたり、外来種によって在来種が食われたり場所を占領される事例。特定外来種分類にアメリカザリガニとミシシッピアカミミガメが仲間入りする話題も出ました。

 

そして外来種といえども大切な命があるのだから、駆除して殺すだけでなく、おいしく食べてあげる事例の話です。当会での3回にわたる調理イベントや外来タンポポジャムの作り方レシピも紹介されました。

 

第2部は「竹々木々工房」代表の大山侑希さんから活動内容について発表してもらいました。モウソウチクも侵略性の高い外来種であること。駆除したくても地主の許可を得られなかったり、地下茎が固くて強くて大変なこと。戦後はプラスチック材が出回ったせいで竹材の需要が無くなり、日本中で竹林の大繁殖が放置されていることなどが紹介されました。「竹々木々工房」さんは3年前から豊田市旭地区の主婦5人で活動を開始しました。里山暮らしでやりたくても1人では難しいことを、協力しながらできる範囲でやるとのこと。

 

活動内容は1.親子向け竹っこくらぶ(竹はんごう・手ぬぐい染め)、2.大人向け竹林整備プログラム(伐採・炭焼き・竹チッパー)、3メンマづくり(幼竹刈り・カット・釜茹で・塩蔵・天日干し・レシピ作り・商品販売)。5人でよくやっているなあと感心しました。

 

 

 

そして味付けメンマの試食もさせてもらえました。醤油・みりん・酒・ごま油・酢・にんにく・しょうが・塩・鷹の爪で味付けしてあるそうです。食べてみると、柔らかい歯ごたえと程よくマイルドな塩味辛味でおいしかったです。商品はオンラインショップから国産発行穂先メンマが777円などで購入できます。https://chikumoku.shop-pro.jp/

 

増えすぎて環境に迷惑な侵略的外来種。それらを減らす活動がつらくて、生物も死んでかわいそうなだけでは駆除が進みません。だからこのようにおいしく食べることは、私たち人間が環境に貢献するためのモチベーションにもなるのではないでしょうか。