イタリアワインをこよなく愛する名古屋の歯科医ブログ

イタリアワイン好きの名古屋の歯科医が、診療室でおこる日々の出来事や、その日出逢ったワインのことを綴ります

ホワイトニング

2008年03月06日 | 歯医者のはなし
最近、

高校時代の同級生があいついで二人クリニックにやってきて

ホワイトニングがしたいとのこと

40歳超えたおっさんが、何をいまさらと言う感があるのですが

二人とも揃ってテトラサイクリンによる変色歯でした


      <テトラサイクリンによる変色歯の1例>
    


永久歯が体の中で作られる頃(乳児から幼児期)に、
テトラサイクリン系の抗生物質を服用すると
骨や歯になじみの良いテトラサイクリンは、歯の内部に沈着してしまいます

そして、テトラサイクリンは光に反応するので、
歯が生えた後に、光を浴びる前歯を中心に褐色~紫色に歯が変色してしまいます

実は僕も、歯の根元部分に軽度のテトラサイクリンによる着色があります

僕の年代の前後(30代後半~40代後半)は、程度の差こそあれ、
テトラサイクリンによって、歯が変色している方が本当に多い気がします

おそらく、この年代の方が子供の頃、
内科や小児科でこのお薬が頻繁に投与されたんだと思います

抗生物質もその時々によってはやりがあります
製薬会社が意図的に作ったはやりもあるでしょう

特に抗生物質は、耐性菌の出現の問題もあり、
新しい薬がどんどん作られる傾向があります
おそらく、昭和40年前後から数年、テトラサイクリンがはやったんでしょうね

テトラサイクリンの変色歯は
疫学調査すると、はっきりとこの年代に集中した結果が出るのではないでしょうか

これって、ある意味「薬害」かもしれません
悩んでいる人は、本当にコンプレックスを持っていらっしゃいます

褐色ぐらいの中等度の変色なら、ホワイトニングでかなりきれいになりますが、
紫色や黒褐色になってくると、ホワイトニングでは良い結果が得られません
ラミネートベニアなどのセラミック修復治療が必要になってしまいます


文章を書きながら、鏡で自分の歯を見ていたら、変色が気になってきました
僕も今日から一年ぶりにホワイトニングを再開しようと思います

   

なかなかまじめに続ける事ができないのですが、今回は頑張って続けようと思います