最近、地域の特色ある食事がメディアに採り上げられる。また観光も都市産業として観光庁などがMICE( http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kokusai/mice.html )と称して企業系の旅行誘致を図っている。<o:p></o:p>
今回の食旅というのは著者の造語で「地域の特色ある食を楽しむ旅行とそれを資源とした観光」と定義されている。つまりは、いわゆる一般消費者主体の食べに行く旅でMICEなどとは違いそうだ。学会などでは、学会が目的であり「美味しいもの」はたまたまだろうから。<o:p></o:p>
本書には食旅のテーマなど8分類があるが特に目新しくない。男女や年齢層に分けての分析も特に注目すべき知見がない。<o:p></o:p>
外国人個人旅行者をFree Indivisual Tourist (FIT)として定義しているが、自分で計画・手配する旅行タイプはインターネットや情報の増加に伴い今後の日本人にも増えるだろう。個人で車や鉄道で気軽に「食旅」に行ける状況がある。1,000円高速と香川のうどん巡りの混雑と同じようなものだ。<o:p></o:p>
誘致圏で日帰り圏、1泊圏(100~500km)、2泊圏(500km以上)に分析して方策を検討しているが、結論が出ていない。これは、「食」だけで、宿泊観光というのは例外だからだ。京都に食目的で来訪しても、やはり東山や嵐山にも足を運ぶだろう。「食」は日帰りなら目的となるが、宿泊なら「観光もして泊まってゆっくり味わおう」になるため、マーケティングと動機が異なる。<o:p></o:p>
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観光は都市産業だが、まずはもてなしだ。 そして本物がないと楽しめない。<o:p></o:p>
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