コロナ下の今年でも、
正倉院展は開かれているようで、
新聞には、
今年の展示物の写真が出ています。
中で目を引いたのが、
「墨絵弾弓(すみえのだんきゅう)」なる出品物。
大男が頭の上に棒を立て、
その棒に四人ほどの小男が群がっている。
どうやらその小男たちは、
出初式の梯子乗りのような曲乗りをするらしき様子。
周囲には楽師もおり、
笛や太鼓で囃していて、それらを見物している人々が数十人。
全体にリラックスした雰囲気で、
楽の音と共に人々のざわめきや歓声が漏れてきそうな絵。
絵の達者さも然りながら、
驚くべきは、そのサイズで、
この絵「弾弓」と呼ばれるゲーム用の弓の裏、
すなわち幅三センチほどの間にその数十人ほどが描かれているのだ。
つまり、実寸で云うと、
一人一人の大きさはミリ単位。
その蟻より小さい人々が生き生きしている。
日本の漫画の源流は、
こんな処にもあるのかもしれませんなぁ。