歌人の東直子さんが、
「アッパッパを礼賛」する随筆の中で、
「アッパッパー」と云う呼び名には、
“天晴れ”と“パッパラパー”を想起させるものがあり、
「気楽に行こうよ」と言ってるようで楽しい、と書いておられる。
我が同居人ドノに訊くと、
「いまなら“チュニック”と呼ばれる物の中にアッパッパーに似たような服がある」とのこと。
上方語源辞典によると、
「アッパッパ」は、
“大正時代、大坂から流行った簡易な婦人用夏服“とあるが、「語源は未詳」だそうだ。
さて、その「天晴れ」と「パッパラパー」、
「パッパラパー」は割りに新しい言葉らしく、辞書にも出ていない。
ただ、俗語としてネットに、
「パーを茶化して言った言葉」と云う情報があり、
一般には、「バカや能天気なこと」を指して言うようだ。
コレに対し、「天晴れ」の方は歴史が古い。
もともとは古代からある言葉、
「哀れ」から、
室町ごろに派生した言葉で、
「みごとだ」という感情をあらわすさい、
「アハレ」を強めて、「アッパレ」と言ったものだそうです。
なお、
“アハレ”(アワレ)は、
現代では、悲哀の意味で使うが、
本来は、
「喜怒哀楽、いずれの感情も含まれ」、
「しみじみと心に沁みる感動」を言ったのだとか。
本居宣長の云う「もののあはれ」ですかね。
アッパッパーからパッパラパーへ、
アハレ、アッパレを経て、本居宣長にたどり着いたところで
、本日の“辞書による漂流遊び”は終わることにします。