漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

哀れとアッパレ

2014年08月04日 | 言葉遊び

歌人の東直子さんが、
「アッパッパを礼賛」する随筆の中で、

「アッパッパー」と云う呼び名には、
“天晴れ”と“パッパラパー”を想起させるものがあり、

「気楽に行こうよ」と言ってるようで楽しい、と書いておられる。

我が同居人ドノに訊くと、
「いまなら“チュニック”と呼ばれる物の中にアッパッパーに似たような服がある」とのこと。

上方語源辞典によると、

「アッパッパ」は、
“大正時代、大坂から流行った簡易な婦人用夏服“とあるが、「語源は未詳」だそうだ。

さて、その「天晴れ」と「パッパラパー」、

「パッパラパー」は割りに新しい言葉らしく、辞書にも出ていない。

ただ、俗語としてネットに、
「パーを茶化して言った言葉」と云う情報があり、

一般には、「バカや能天気なこと」を指して言うようだ。

コレに対し、「天晴れ」の方は歴史が古い。

もともとは古代からある言葉、

「哀れ」から、
室町ごろに派生した言葉で、

「みごとだ」という感情をあらわすさい、
「アハレ」を強めて、「アッパレ」と言ったものだそうです。

なお、
“アハレ”(アワレ)は、
現代では、悲哀の意味で使うが、

本来は、
「喜怒哀楽、いずれの感情も含まれ」、

「しみじみと心に沁みる感動」を言ったのだとか。

本居宣長の云う「もののあはれ」ですかね。

アッパッパーからパッパラパーへ、
アハレ、アッパレを経て、本居宣長にたどり着いたところで

、本日の“辞書による漂流遊び”は終わることにします。








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