色気タップリ、奥村チヨが、
「あなた好みの、あなた好みの、
おーんなにぃなりぃたい」
と歌っていたのは、「恋の奴隷」と云う歌。
大石静さんの随筆「わたしってブスだったの」の中に、
娘時代、付き合う男が変わるたび、
「自分の好みや趣味が変わった」と云う友人の話がある。
男に合わせ、
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「青い空と白い雲とコカコーラ」になったり、
「煙草と酒とモダンジャズ」になったりで、
時には、ヤクザ映画の腱さんや、
大江健三郎にはまったりと云う振れ幅のひろさ。
それもこれも、
「そのころ私は、
自分がどう生きたいかというっことよりも、
何となくステキな男が現れてわたしをシアワセにしてくれるはずだという
他力本願な漠然とした期待だけが心の中を支配しており、
とそのためには
とりあえず男に気に入れれなければならないから、
あなたの好きなことはわたしも好きよ、
みたいな顔をする必要があったわけだ。
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女性なら誰でもそんな時期があるのかもしれない。
今思えば、男だって、それほど
「青い空と白い雲とコカコーラ」や、
「煙草と酒とモダンジャズ」に自信があった分けではない。
なんとなく「周囲の雰囲気に釣られて」と云うのが正直な処ではなかろうか。
まぁ、三十過ぎてもソレやってたら、
天才か、バカかの、どちらかですけどね。