漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

浅草寺の五重塔

2017年09月20日 | 
最近の週刊誌、
話題になる記事の多くが「不倫がらみ」ですね。

また、そういう記事をスクープすると、
その雑誌がよく売れるらしい。

女性週刊誌はむかしからそうだったんですが、
このごろでは、大人向けの男性週刊誌も、この手のスクープに熱心です。

どうやらコレは、
写真週刊誌が登場してからの傾向らしい。

不倫騒動が世間の話題になると云うことは、
むかしからあったんですが、

その多くは、女性が夫以外の男へ走った時で、

スターや政治家が、芸者や女優と“好い仲”になったとしても、
あまり、話題にはならなかった。

「そんなの当り前じゃないか」とね。

最近読んだ本に、おもしろい記述がありましてね。

写真家の助手として、
維新間もない明治二年に、

弱冠十五歳と云う若さで、
日本へやって来たオーストリア人青年の話なんですが、

その中にこんな記述がありましてね。

かれは短期間のうちに日本語が話せるようになり、
様々な階級の人と話したようなんですが、これもそのひとう。

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ときおり、ヨーロッパの女性についても話すことがあり、
ヨーロッパでは男性は一人の女性しか娶(めと)ってはならないことを話すと、

とりわけ女性の関心を引いた。

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当時の日本では、法律上はともかく、
現実には一夫多妻の家庭が多く見られたそうで、

正妻だけは夫と同席して食事をとるが、
他の女性は、奉公人とおなじ扱いで食事をしていたそうです。

ただ、そういう環境であっても、
女性たちが、ヨーロッパの一夫一婦制に関心を寄せたこと云うことは、

男の性と女の性という観念から見てもオモシロイナ、と思います。

あ、この本、
維新、間もない横浜の農村風景や、

戦災で焼ける前の、
浅草寺の五重塔なんかの写真もあります。

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明治初期日本の原風景と謎の少年写真家 
ミヒャエル・モーザーの「古写真アルバム」と世界旅行

アルフレッド・モーザー/著 
宮田奈奈/訳






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