子供のころ
小学校で習った円周率は3で、中学校で3.14だったかな。
いずれにしても、
割り切れない数字だと教えられた記憶がある。
最近スイスの研究チームが、
スーパーコンピューターを使って
円周率を「62兆8000億 桁」まで計算し、
世界記録を更新した、と云うニュースがありました。
ま、コンピューターと云うのは機械ですからね、
やれと命令されれば、どこまでもやるモンなんでしょうな。
このニュースを見て思い出したのが、
中国で大学の講師をしながら、
子供を現地の学校に通わせていた時の浦上早苗と云う先生のこんな話。
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7歳の子が現地生活に慣れるため
最初の1年間通った保育園で見たのは、
日本とは比較にならない詰め込み、暗記教育だった。
週に数回「記憶力」という授業があり、
ここで子どもたちは円周率を100ケタ以上暗記していた。
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七歳で円周率100桁とはそれだけでもスゴイが、
この先生によると「小学校では毎日、唐詩を暗唱していた」し、
勤務していた大学では、
「朝7時から教科書を暗唱する時間があった」そうです。
またこんなことも書かれていました。
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中国の教育は大学入試が明確なゴールで、
また、入試が知識を競うものであるため、
子どもたちは暗記ロボットになり、とても疲れている。
勤務先の大学で学生たちからしばしば聞いたのが
「勉強していい大学に行けば、
自由になれるから今は我慢しなさい、
そう言われて灰色の生活を受け入れてきたが、
大学に行っても暗記ばかりで高校の延長だ」という不満だった。
学生たちの専攻が語学系だったこともあるだろうが、
それ以上に教員自身が
暗記・暗唱の教育で育ってきたため他の教え方を知らない、
教員たち自身もよく、そう自嘲していた。
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さすがは科挙の国、すごいもんですな、
あ、「科挙」と云うのは、
古代からある中国式人材登用試験の事で、
この試験にさえ通れば、
栄達は重いのまま、国家の中枢にさえ行ける。
ただ科挙が主に暗記力を問う試験だったため、
その記憶範囲は広大で、弊害も大きかったと言われてます。
中国の記憶力重視は、
そう云う歴史的背景もあるのかなと思いますね。
あ、この先生はこんなことも書いてましたよ。
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だから、思考力や論理力、
人間力を重視するアメリカの教育への憧れが大きいし、
ノーベル賞受賞者を多く輩出する日本の教育システムも、高く評価している。
(中国では毎年のように、
「なぜ中国からは理系分野でのノーベル賞受賞者が出ないのか」という議論が起きる)
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日本の教育が優れているかどうかは知らないが、
中国にも詰め込み教育を改めようとする動きはあるようです。
なんにしても、
旭日の勢いを誇る中国にもそれなりの悩みはあるもんですな。