銀行に新しい預金口座を開こうとしたら、
「お使いではいけない、本人に来て頂きたい」と言われた。
本人が本人であることを証明するのはいま困難である。
「山本夏彦氏」世に在りしころのある随筆の書き出しである。
先年、私も理由があって、
運転免許証の更新を止めたから、
銀行の預金引き出しや種々の名義変更はもちろん、
レンタルビデオの会員になるのにさえ、
「私が私であること」を自分で証明しなければならなくなった。
これがケッコウ難儀なのだ。
友人や家族の証言ではダメ、
相手は「人間の言うことなど信用しない」のだから、
結局、なにか「モノ」で証明しなければならなくなる。
写真付きの免許証のような便利なものはないので、
「何を出せばいいのか」と問えば、
「健康保険証なら」と云うから、
結局、外出するのに一々保険証を持ち歩く羽目になった。
以前のように免許証なら、
常に持ち歩いていたから不便はないが、
今まで、常に健康保険証を携帯して歩くと云う経験はないから、すぐ忘れる。
そうかと言って、
家族にだって必要なのだから、
保険証を私の財布に入れたままと云う分けにはいかない。
我が同居人ドノに云わせると、
ナンデモ、「個人情報保護法」の成立以来、特にうるさくなったのだそうだ。
私なんぞは別に、
「秘匿せねばならぬほどの個人情報」などないのだが、
それでも「例外は認められない」と相手が言い張るから、
斯くなる上はと、止むを得ず、
本日、「住民基本台帳カード」なるシロモノの発行を申請に行った。
市役所のオニイチャンの応対は丁寧であったが、
信用はしてくれず、ここでも「自分を証明するモノ、ニ点」の提示を求められた。
なんと、あやしむべし、
私は、
「自分が自分であることを証明するモノ」を手に入れるために来たのであるのに、
「自分が自分であることを証明するモノ」を手に入れるには、
「自分が自分であることを証明するモノ」が二点も要ると云う仕掛けになっておるらしい。
私もちょっと困って、
「健康保険証しか持ってないが」と言ったら、
相手もこんなことには慣れているのだろう、
別に困るようすもなく「診察券などありませんか」と優しい声で言う、
診察券なら馬に食わせるほどあるから、そのうちの一枚を見せたらOKとなった。
「しかし、健康保険証と診察券なんて、出ドコロは同じようなものじゃないか、
あれで本人の証明になるのかね」と思いながら市役所を出た。
ナニハともあれ、
これで「自分が自分であること」を証明する手続きは随分ラクになる分けだ。
住基カードが出来たら、
一度、生まれて初めてのサラ金に行って、
大きらいな借金なんぞしてみようかしらん。 (笑)
「お使いではいけない、本人に来て頂きたい」と言われた。
本人が本人であることを証明するのはいま困難である。
「山本夏彦氏」世に在りしころのある随筆の書き出しである。
先年、私も理由があって、
運転免許証の更新を止めたから、
銀行の預金引き出しや種々の名義変更はもちろん、
レンタルビデオの会員になるのにさえ、
「私が私であること」を自分で証明しなければならなくなった。
これがケッコウ難儀なのだ。
友人や家族の証言ではダメ、
相手は「人間の言うことなど信用しない」のだから、
結局、なにか「モノ」で証明しなければならなくなる。
写真付きの免許証のような便利なものはないので、
「何を出せばいいのか」と問えば、
「健康保険証なら」と云うから、
結局、外出するのに一々保険証を持ち歩く羽目になった。
以前のように免許証なら、
常に持ち歩いていたから不便はないが、
今まで、常に健康保険証を携帯して歩くと云う経験はないから、すぐ忘れる。
そうかと言って、
家族にだって必要なのだから、
保険証を私の財布に入れたままと云う分けにはいかない。
我が同居人ドノに云わせると、
ナンデモ、「個人情報保護法」の成立以来、特にうるさくなったのだそうだ。
私なんぞは別に、
「秘匿せねばならぬほどの個人情報」などないのだが、
それでも「例外は認められない」と相手が言い張るから、
斯くなる上はと、止むを得ず、
本日、「住民基本台帳カード」なるシロモノの発行を申請に行った。
市役所のオニイチャンの応対は丁寧であったが、
信用はしてくれず、ここでも「自分を証明するモノ、ニ点」の提示を求められた。
なんと、あやしむべし、
私は、
「自分が自分であることを証明するモノ」を手に入れるために来たのであるのに、
「自分が自分であることを証明するモノ」を手に入れるには、
「自分が自分であることを証明するモノ」が二点も要ると云う仕掛けになっておるらしい。
私もちょっと困って、
「健康保険証しか持ってないが」と言ったら、
相手もこんなことには慣れているのだろう、
別に困るようすもなく「診察券などありませんか」と優しい声で言う、
診察券なら馬に食わせるほどあるから、そのうちの一枚を見せたらOKとなった。
「しかし、健康保険証と診察券なんて、出ドコロは同じようなものじゃないか、
あれで本人の証明になるのかね」と思いながら市役所を出た。
ナニハともあれ、
これで「自分が自分であること」を証明する手続きは随分ラクになる分けだ。
住基カードが出来たら、
一度、生まれて初めてのサラ金に行って、
大きらいな借金なんぞしてみようかしらん。 (笑)