漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

感情で反対、理性で反対

2013年12月29日 | せけんばなし

今年、意外だったのは、
小泉元首相の「原発反対宣言」だろうか。

私は氏の意見を文芸春秋で読んだだけだが、
しごく尤もな考えだと思う。

氏の意見の大筋としては、
今の技術で、原発を動かしている限り、
最終的に核廃棄物が残るのは防ぎようがない。

しかもその廃棄物は放射能が強く有害で、
無害化するには、非常に長期間地中に埋めておかねばならない。

しかし、地震国の日本で、
安心して埋めておけるような場所は無い。

それはそうだ、
自分の住む県に処分場ができて不安にならぬ人はないだろう。

福島の原発事故からこちら、
「原発反対」を叫ぶ人は多いが、
その多くが感情的に反対する人が多いように思う。

「原発、原爆一字違い」と書いて
「だから原発に反対」とする大新聞社が居たり、

某有名歌人は、原発が恐いからと、
沖縄へ移住したはいいが、

沖縄でもまだ不安だからと、
石垣島に移住してやっと安心したと云う。

福島と沖縄の距離、
沖縄と石垣島の距離を考えれば、

沖縄ではまだ恐いが、
石垣島なら安心と云うのは、論理的でも実証的でもない。

ほとんど、台所のゴキブリが恐いから、と、
寝室に立てこもるようなもので、

パニック的な感情論以外の何ものでもない。

そう云う情緒的な反対の多い中で、
小泉氏の反対には、大方の大人を説得する中身があると思う。

今度の事故以前から、
廃棄物の処理法が見つからない以上、

原発は無くしていくしかないだろうと思っていた私としては、

うなづける反対意見が、
やっと有名人から出てきたと云う気がしている。




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