漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

日本の柿は世界の「カキ」

2021年10月20日 | せけんばなし

空気が澄んで、秋真っ盛り
かっては「茅葺屋根と柿の木」は日本の秋の原風景でしたが、

今では農村でさえもプレハブ住宅全盛で、
茅葺の民家など、観光名所にでも出かけねば見られなくなりました。

ただ、柿の木だけは健在なようで、
農村部の方に行けばいまだにあちこちで見かけます。

その柿も今は「平核無」全盛、
現在スーパーに並んでいるのはは大概がコレ、

平核無と書いて「ひらたねなし」
文字通り、平たくって種のない柿です。

ただしコレ、
本来は渋柿で、店頭には渋抜きをしたものが並ぶ。

私の子供のころ、
渋柿と云えば砲弾型をした柿で干し柿にしました。

皮を剥き、軒先に釣るしておくと渋が抜け甘くなる。

昔は農家ならどこでも、
秋ともなれば、軒先にずらりと干し柿が並んだものです。

渋柿を甘く食べる方法はもう一つあって、

それが「樽柿」と呼ばれるもので、
酒の空き樽の底に柿を並べることで渋を抜いた物。

渋みの原因であるタンニンを
酒樽に残るアルコール分で飛ばしてしまうと云う先人の知恵です。

日本人にとって柿は、
正月のお飾りに使うほど生活に密着したものでしたが、

今では必要な時だけ「おカネを出して買うモノ」となったようです。

 


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