きょうだい心中

私はいつもネット将棋を指しながら、
ＢＧＭとしてユーチューブの音楽を流してるんですが、

ある時、
山崎ハコさんのこんな歌が流れてきた。

♪♪

　兄は二十一　
　その名はモンテン

　妹十九で　
　その名はオキヨ　

　兄のモンテン　妹に惚れて・・・
　　　　　　　　　　　　　　　　♪♪

「もんてん」と云うのも変な名だが、

妹に惚れて、
「一夜頼むぞ」と言い寄る兄、と云うのも尋常ではない。

ま、当然と云うべきか、
この歌、放送禁止だそうで、

ＮＨＫで聞けることはゼッタイにない。　（笑）

ネットで検索してみたら、
ハコさんのアルバムに書かれた解説には、

「作詞：不詳（「江州音頭」より）、作曲：山崎ハコ」とあるそうな。

江州音頭は、
私が子供のころ、盆踊りと云えばこの歌一色で、

普段は百姓をしているような、
声自慢のオジサンオバサンが、この日ばかりは櫓に上り、

交代しながら、
延々と二時間以上も歌い続けていた。

それだけ長くなると、
ダンス音楽というより、語り歌の意味合いが強くなり、

云わばストーリーを語る、
浄瑠璃のような味わいにもなる。

いまは、
兄と妹の恋愛は、この歌にもあるように、

「ケダモノの所業」だが、

兄と妹がそれと知らずに出会えば、
恋愛関係になっても不思議はない分けで、

むかし大ヒットした、
山口百恵・三浦友和コンビによるドラマなどには

そう云う設定もあったようだ。

「兄と妹が結ばれてはならない」と云うのは、

近親相姦の
マイナス面などを経験した人類が、

長い歴史の中から導き出したルール、
云わば生活の知恵で、

動物的本能だけから見れば、
「兄のモンテン」にそう云う感情が湧いても不思議ではない。

ま、なんにしても、
ちょっと妖しくて、心に引っかかる歌ではあります。

あ、とは言っても、

この歌詞の中、
兄と妹が肉体で繋がることはないのですよ。

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　国は京都の　西陣町で　
　兄は二十一　その名はモンテン

　妹十九で　その名はオキヨ　

　兄のモンテン　妹に惚れて
　
　これさ兄さま　御病気はいかが
　　医者を呼ぼうか　介抱しようか

　そこでモンテン　申すには　
　　医者も要らなきゃ　介抱もいらぬ
　
　わしの病気は　一夜でなおる　

　二つ枕に　三つぶとん
　　一夜寝たなら　病気がなおる

　一夜頼むぞ　妹のオキヨ
　
　言われてオキヨは　仰天いたし　
　何を言いやんす　これ兄さまへ

　わしとあなたは　兄妹の仲　
　人に知られりゃ　畜生と言われる
　
　実は私にゃ　男がござる　　
　　年は十九で　虚無僧なさる　

　虚無僧殺して　くれたなら　
　　一夜二夜でも　さん三夜でも　

　末は女房と　なりまする

　
兄のモンテン　虚無僧殺す　　　

　深い編笠　その下に
　　哀れなるかや　妹のオキヨ　　

　かねて覚悟の　妹のオキヨ

　兄のモンテン　妹を殺す
　
　思いこんだる　妹のオキヨ　
　　妹のオキヨに　だまされた

　ここで死ねば　きょうだい心中
　　兄は京都の　西陣町で　哀れなるかよ　きょうだい心中