歩道と云うのはなぜ斯くも歩きにくいのだろう。
道路側にはイチョウの並木が等間隔に並び、
建物側には電柱が点々と立つ。
三メートルほどの歩道のわずかに残された真ん中は、
人も無げな振る舞いの自転車が高速ですれ違う。
人はそれらに遠慮しながら、
スキを見て蛇行しながら歩かねばならない。
ひどい場所では、
左に並木、右に電柱、歩けるところは一メートルもない。
歩道が歩行者に配慮していないのはむかしからだが、
昭和天皇がまだ全国を巡行されていたころ、
ある友人が、ひび割れて危険な歩道に、
「一度、天皇陛下に歩かしたらええのや」と腹を立てていたことを思い出す。
たしかに天皇陛下が歩くとなれば、
役人も政治家も大慌てに慌てるにちがいない。
・・・などと考えているうち、
病院からの道を、無事自宅へたどり着きました。
ヤレヤレ。