今月の29日からいよいよ『坂の上の雲』が始まります。
新しい歴史教科書をつくる会の藤岡信勝がこの本を読んで、日本の歴史教科書は、自虐史観に貫かれていると思ったといっています。
私も完読しましたが、物語として面白く一気に読んでしまいました。
藤岡さんは、東大の教授として、歴史教育者協議会の一員だったことがあります。まさに近現代史をといていたのですが、お歴々から東大にしてその程度かと散々批判されて嫌気がさしていたときだったのでしょうか、司馬史観とであったのは。明治期の政治家はまともだった、軍人も戦争の恐ろしさを肝に銘じていたという思いがあり、昭和のそれは、日本にとって不幸な時代であったかのように描かれている司馬史観、歴史は連綿として続いているということを無視した歴史観です。
坂の上の雲は物語として面白いのですが、『大陸制覇』と言う領土的野心はなかったとする司馬さんの歴史観には疑問をはさまざるを得ません。
来年は朝鮮併合から100年、朝鮮戦争から60年、1989年の光州事件から30年目にあたります。そのことの歴史の重みを考えてこのドラマを作ったとは、到底思えません。